PS3/PS4「風ノ旅ビト」の面白さ・エンディング・ストーリー考察(ネタバレ有り)


※本記事はネタバレを含んでおります、ご注意ください。

その独特のビジュアルから一体どんなストーリーなのかずっと気になっていた「風ノ旅ビト」をやっとプレイしました。Playstation Plusに加入していると期間限定でなんと本作が無料!ということだったのでダウンロード、そしてなんとその日のうちにクリアしてしまいました、それもたった1時間程度で!


このゲーム、定価が1200円と格安でありながら、ダウンロード専用であったり、見るからに個性の強そうな(当たり外れがまったく予想できない)雰囲気からなかなか手を出しづらかったのですが、面白いです。いや、ゲームが面白いかそうではないかというよりは、プレイし終わって、普段ゲームで感じ得ない感覚をくすぐられるような、いかんとも表現しがたい心地よさがありました。

セリフは一切なし!ストーリーはプレイヤーに委ねられる

原題を「JOURNEY」とする風ノ旅ビトですが、ゲーム中音声や文章は一切使われておらず、ストーリーはプレイヤー自身の解釈に委ねられるというのが本タイトルの特徴です。またオンラインプレイではマッチングした他プレイヤーと、限られた操作の中からライトな関わりで、争うことなく、時にはフォローし合いながら一緒に旅を進める楽しさがあります。
当時開発会社であった「thatgamecompany」社は、残念ながらなんと開発期間中に財政難に陥り、惜しくも倒産してしまったという曰く付き?のタイトルでもあります。

ほんの少し登場する他キャラクターの会話も記号のようなもののみ

ゲーム概要。シンプルで直感的で、光の反射が美しい世界。

本ゲームの世界は、とにかくシームレスな砂漠の世界。ゲームを起動すると親切丁寧なチュートリアルが始まるわけでも雑魚モンスターが飛び出してくるわけでもなく、いきなり砂漠に放り出されます。コントローラーを傾けることで視点を変えることができ、あとは○ボタンと×ボタンのみ使用するというシンプルかつ直感的な操作で、世界への入り込み度合いは高いです。

直感的で独特の浮遊感漂う操作感は心地よいです

ゲームは気がつくとだだっぴろい砂漠に佇んでいるところから始まります。マントを身にまとったキャラクターを操作し、フィールドにある道しるべを頼りに進んでいきます。途中に落ちているペルシャ絨毯?に触れると布が重なり合って橋になったり、目印をヒントに先に進んで行くのですが、決して難しくはありません。

ステージのどこかに光輝くヒントを探って進んでいきます

門のようなものをくぐるとステージクリアになり、次のステージへ進みます。

ステージクリアのタイミングで現れる世界の地図のようなものに沿ってステージを進んでいきます

昼間の砂漠の次には光の乱反射が美しい夕方の砂漠、続いて文明の発達していそうな都会のようなステージ、洞窟の中のようなステージ、さらにはまるで海中を泳いでいるようなゆったりしたステージから、砂漠を滑降していくようなレースゲームさながらの疾走感溢れるステージまで登場します。

どことなくノスタルジックな雰囲気です

エンディングまでのプレイ時間はなんと1時間程度!

ゲーム中にプレイヤーが死ぬ(いわゆるゲームオーバー的に)ことは無く、シームレスでとにかく広いステージではあるものの、次に進むべき方向を明確に演出してくれているため、何度も何度も同じステージをやり直して…というだるさや作業感は一切ありません。モチベーションを損なうことなく1時間突っ走る感じになります。

プレイ中〜クリアまでのその1時間は、センチメンタルな映画を見ているような気持ちでした。プレイ時間だけで捉えると、間違いなくボリューム不足ですが、むしろ1時間とちょっとのボリュームがとても心地よかったです。後述しますが、それ以上の時間がかかるとなんだか切なくて主人公が居た堪れないような気持ちになってしまいます

私個人のストーリー考察、解釈

少し変な話になってしまうのですが、インターネットを見ていて多いものが、「風ノ旅ビト」は精子が「受精」するまでを描いたスペクタクルを描いたものなのでは?という解釈ですが、私はまさにこれを思いました。今思えばゴールになる山は男性器なのかな?なんて思ったりもしました。

この先にたどり着いたものが命の種となって新たな世界へ昇華していく、輪廻転生論もよく見られます

受精までのメカニズムって実は複雑で、精子は様々な器官、環境の変化を経て、一緒に進んでいた仲間も途中で事切れ、長い旅路の末、やっと卵子にたどり着きます。(そう考えると生命の誕生って物凄くドラマティックに思えませんか?)
少なくとも私はこの冒険から生命の誕生を想起し、自分の子供が生まれた時のような不思議な感覚に陥り、なぜかこみ上げてくるものがありました。

ステージの切り替えのタイミングで現れる白くて大きな存在は、現実世界の母が待ってくれているような。

そしてもっと素直に解釈しても十分素敵なストーリーに変化します。
例えば「ペルシャかどこかの砂漠に暮らす民族の子供が母を探す旅に出て、やっと見つけた数少ない仲間と助け合いながら、砂漠や迷宮、海底や雪山を越えていくファンタジー」と捉えても、シンプルで容易に想像できます。

いずれにしても、自分に都合の良い、気持ち良い解釈を楽しむことができます

シンプルで哲学的でセンチメンタル、映画のようなゲーム

冒頭でお伝えしましたが、クリア時間は約1時間とちょっと、映画一本と同じボリュームでした。いかようにも捉えられるストーリーですが、いずれにしてもおそらく若い旅人なのでしょう、彼(彼女?)が苦難を超えて次の次元へ旅立っていく健気な姿を見ていると、「とにかく早くゴールへたどり着いて欲しい」と応援したい気持ちでいっぱいになります。それだけスピーディでシンプルで感情移入し易いゲームです。

迷っている方はオススメです、是非映画を一本見るような気持ちでプレイしてみることをオススメします。

※以下エンディングまでのざっくりしたキャプチャです。

ついに吹雪に倒れかけるも「白い存在」の声で目を覚まし、最後の力を振り絞ってついに雪山を越える!

そしてついに目指す山の頂にたどり着き…!

山頂から一筋の光が放たれる

静かに突然始まるスタッフロール、エンディングです

これまで駆け抜けたステージを遡っていきます

エンディングが終わると、目を覚ますと砂漠に佇んでいるという最初のシーンに戻ります。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。