【画像あり】リメイク版「モンスターワールドⅡドラゴンの罠」クリア後レポート オリジナル版との違いは?


名作アクションRPG「モンスターワールドII ドラゴンの罠」のリメイク作品「Wonderboy: The Dragon’s Trap」をクリアしました。あまりにも懐かし過ぎて、4月18日0時の公開から約3時間ぶっ続けでプレイしました…。

さて、オリジナルとなるセガマスターシステム版は北米とヨーロッパのみで発売されていたため、日本にはあまり馴染みが無いかもしれません。その後1992年にゲームギア版にローカライズされ、満を辞して国内リリースになりましたが、ゲームシステムは人気が高く、日本でもPCエンジンの「ビックリマンワールド」等へ姿を変えて移殖作品が発売されていたことでも有名です。

私もなのですが、ネットを見てみるとやはりマスターシステムよりもゲームギア版の印象が強いようです。ということで、実際にプレイしてみて、ゲームギア版との違いや手触り感についてレポートです。

モダンモード、レトロモードへの切り替えはボタンひとつ!

本作の対象ハードはPS4とニンテンドースイッチですが、ゲームギア版をプレイ済みの私は携帯機の手触り感を優先してスイッチ版を選択しました

さて、本作は当時のプレイヤーがオリジナルのグラフィックや音楽を楽しめる「レトロモード」の画面に切り替えてプレイすることができるのですが、この切り替えが秀逸でした。

R2ボタンでグラフィックが切り替わる

プレイするまで、この切り替えは「ゲーム開始時にモードを選択してエンディングまで一直線!」あるいは「ポーズでメニュー画面を開いてから切り替え」といったイメージでしたが、なんと「いつでも」R2ボタン一つで切り替えることができます。つまり、グラフィカルな新しい映像を楽しみつつ、任意のタイミングでオリジナルの画面に即座に切り替え、懐かしさを楽しむこともでき、これは非常に斬新です。

このモダン、レトロモード切り替えは「ビジュアル」「ミュージック」「効果音」が対象となり、ミュージックと効果音についてもRレバーを押し込むことで切り替えることができます

レトロモードのグラフィックは、ガンマ補正やレトロモニター効果、スキャンライン効果の比率など詳細設定をすることができ、さらにオリジナル版に近づけた映像で楽しむこともできます。

グラフィックは今風の優しいアートワーク

モダンモードの映像はとにかく綺麗です。優しくて可愛いイラストのようなキャラクターが滑らかに動きます。特に光の反射や多重スクロール画面は2Dでありながら臨場感があります。海外風なテイストで、アート色かわ感じられます。

無機質なオリジナル版も…

モダンモードではこの美しさ!

モダンモードではキャラクターのイラストも書き起こされており、ショップの店員がトカゲになった主人公の顔を見て「俺があんたみたいな顔だったらすぐに毒消しを探すけどな…」と言い放ったり、武器「アイボリーソード、シールド」の紹介について「いなか臭いデザイン」「たぶん違法だな」と言ったり、ちょっとシニカルなセリフで主人公を迎えてくれたりします。

基本はもちろん(オート)セーブ、レトロパスワードなどを使って再開することができる遊び心も。

「こういう音楽だったのか!」当時のBGMの良さを再確認!

続いてBGMについて。結論から申し上げると、数々のリメイク作品の中で最も感動したと言っても良いかもしれません、素晴らしいの一言です

まず、レトロモードのBGMはオープニングからエンディングまでゲームギア版と全て同じで、とても懐かしい気持ちで楽しむことができました。モダンモードのBGMはというと、今風にデジタル機材を駆使したものかと思いきや、ギターやクラリネット、バイオリンやコントラバスなど敢えてアンプラグドの楽器でオーケストラアレンジされています。これが世界観とのコントラストでとても映えて心地良いです

ゲームクリア後にギャラリーからレコーディングの映像を見ることもできます

一部にデジタル音源も使われていますが、オリジナル当時の時代もあってかアプローチが80’sで、それもまた懐かしくてポップでキラキラした印象です。当時のピコピコ音楽がこうして生音で蘇ると、改めて作曲者のセンスを感じました。

ゲームギア版との違いは?

残念ながらオリジナルであるマスターシステム版は未プレイなので具体的には不明なのですが、先述の通りモダン、レトロモードとで動機していていつでもグラフィックを切り替え可能となっているので、基本的には同じである可能性が高いです。

そしてゲームギア版との違いについて。基本的な操作やモンスターについてはほぼ変わり無いのですが、マップの構造やシステムに若干の違いが見られました。が、ネガティブな意味合いで気になる点は見られません。

まずキャラクターは、敵キャラクターはボスを含め、動きや攻撃方法にオリジナル版との違いは特に見られず、味方キャラクターの操作方法もオリジナル版と同じになります。主人公の人間「ヒューマン」に、新しく女の子「ヒューガール」が追加されていますが、触った感じはヒューマンとの違いは見られませんでした

続いてマップについて、こちらは多少部分的な違いが見られました。例えばマウスマンで走れる壁が一部ちょっとした迷路になっていたり、ある部屋のブロックが左右対象になっていたりといった部分です。ただし全体を通してみれば、2〜3%程度の違いかな、と感じました。基本的なエリアの構造についてはほぼ同じでした。
それから隠し扉の見つけ方と場所に若干の違いがあります。ゲームギア版であった「何も無い所」に存在する隠し扉の場所が一部変わり、近くのブロック等を壊すことで出てくる「?(ハテナ)」パネルを見つけると、扉が現れることがあります。

こういった隠し扉の場所がGG版と一部変わっています

システムについてもいくつか違いが見られました。ゲームギア版ではゲーム中盤以降で入手できるブロックを破壊する「サンダーソード」が武器枠だったのに対し、「サンダーリング」なるものがアイテム枠に入ります。どの武器でも効力を発揮し武器を切り替える手間が省けるため、むしろ気持ち便利になったかな、くらいの印象です。

アイテム枠に「ストーン」なる謎のアイテムが…!

結論、当時のプレイヤーは買って損なし!

結論として、本作を購入してとても良かったと思います。当時の映像、操作感、そして発売当時である80’sの雰囲気漂う音楽、なんというか、色々な角度から懐かしさを感じることができました

本作の開発にあたって、当時のスタッフが監修、原作をコードから読み起こし、当時の手触りなどを再現しながら現代向けにアレンジされたようです。まさに作り手、プレイヤー双方の愛情の賜物のように思えます。

随所に今風なTIPS(ヘルプやヒント)を表示してくれる

懐かしさだけではなく、もちろん本作の魅力である探索要素は名作の冠にふさわしく、今プレイしても全く色褪せない楽しさがあります。インディーズ作品として安価になっているので、未プレイの方も十分楽しめると思います。

この記事へのコメント

  1. >日本でもPCエンジンの「ビックリマンワールド」等へ姿を変えて移殖作品が発売されていたことでも有名です。

    「ビックリマンワールド」ではなく、「アドベンチャーアイランド」と書くべきではないでしょうか?

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