メチャクチャ良かった。「7年後で待ってる」クリア後の感想。クリア時間は?


全世界で600万ダウンロードされたアドベンチャーゲーム「7年後で待ってる」をプレイしました。どれ600万ダウンロードとやらの実力を見せてもらおうじゃないか。と、ノリで購入。

結果、良かった。

凄く良かった。

選択肢無し、ゲーム性無し。時々歩いて目的地に行って、基本読み進めるだけ。果たしてこれはゲームなのか?だけど、もうこの作り方で完成。ゲームの新しい可能性。

のめり込んであっという間にクリアしましたので、ご報告です。

※ネタバレに配慮しています。

「7年後で待ってる」ざっくりどんな話?似た作品は?

本作ざっくりのあらすじは以下の通り。

7年前に今の両親に引き取られた主人公ハルトは、それ以前の記憶が無い。ただひとつ覚えているのが、「7年後の4月1日に約束の場所で待っている」という誰かとの約束だけ。

ある日、家族と一緒にかつて住んでいた町に帰り、当時自身が過ごしていた病院を訪れて少しずつ蘇っていく記憶。あの約束の相手は誰なのか?記憶を失くした7年前、自身の身に何が起きたのか?

病院で出会った仲間との、時間を超えた青春物語。

似たゲームは、無し!

かれこれアドベンチャーを色々とプレイして参りましたが、後述しますが、そもそもこのゲームは選択肢といったゲーム性はほぼ無し。果たしてゲームなのか?

という意味では、鬱漫画でも定評のある「おやすみプンプン」にテイストが近いかもしれない。同作が好きな人はどハマりすること間違い無し。

記憶が蘇れば蘇るほど押し寄せる救いようの無い虚無感の渦、ノスタルジックで絶望的だけど爽やかで、エンディングで鬱積した心が一気に解き放たれる感じ。

作中の病気「LMD」とは?

さて、作中に出てくる不治の病「LMD」とは何か?

まず肺の筋萎縮、その後全身の筋力低下により死に至るもので、臓器移植を受けなければ発症から3年間の生存確率は0%というもの。親から子へ遺伝することもある原因不明の難病。

これは実在する病気なのか?と調べてみると、筋萎縮性側索硬化症「ALS」に近いのかな、と思ったら、どうやらゲームのみの架空の病気らしい。

7年後で待ってる、クリア時間は?

全部で40チャプター、各チャプター5〜10分ほどで終わるため、文章を読むのが早い人であれば3〜4時間くらいで終わってしまうかも。

私は自慢では無いけれど読書が苦手で1つの文を何度も読み直してしまうくらいですが、活字が苦手な私でもスラスラ読めてしまう。

というのも、このグラフィックが良いのだ。漫画ほど具体的ではなく、活字ほど読み手任せではない、ほんの少しだけ場の情景をイメージする手伝いをしてくれる感じ。

普段から活字を読み慣れている人ならもっと早く進めることができそう。

ここが良かった。5つの理由。

本作で特に良いと感じたポイントは以下の通り。

・シンプルなグラフィックだから、シーンを自由に想像できる
・チャプターの最後に衝撃の展開という構成にモチベーション維持
・「読むだけ」というコンテンツに、煩わしさゼロ
・伏線張りまくりだけど、分かりやすいストーリー
・やたら音楽が良い!統一感があり、シーンの変化に戸惑わない

シンプルなグラフィックの良さは上述の通り。キャラクターの表情は、全てプレイヤーの想像に委ねられ、最も理想的に、都合よく映るのだ。これはある意味活字にも漫画や映画にも無い、ゲームならではの優れた表現方法だと思う。

そしてそれを最後まで貫き通してくれたことに感心。

敢えてレトロ風なグラフィックのゲームは数あれど、ここぞというシーンに突然今風なグラフィックを挟んでくると、感動どころか冷めるんですよね。急なギャップにテンポを削がれて感情が着いていけない。

そして、全40のエピソードの終わりに音楽も映像も消して、ドキッとする伏線や結末だけを残していく。この表現はズルい。そのひとつひとつが衝撃の結末。計40回もの驚きとショックで、次のチャプターへの興味をそそられまくり。もうやめ時完全に失う。

そして、音楽。全体通してメチャクチャ良い。

これピアノとかストリングス系とか諸々生音使ってるよね?デジタルもあるけれど。いちいち拘りが凄い。

全体的にアンプラグドで穏やかな曲調に統一しているところがまたニクい。音楽人たるもの「いろんな表現!いろんなジャンルで豪華に!」と才能をひけらかすクリエイターが多いものですが、敢えて統一感を持たせてストーリーに集中させるところに好感が持てる。

クリア後の追加エピソードはちょっと蛇足かも?

散々絶賛しておいて何ですが、追加エピソードは個人的にちょっと蛇足かも。

追加エピローグは全13話。それに登場キャラクター同士の本編のより詳細なエピソードが描かれている。

本編エンディング後に心地よいカタルシスを感じたあとで余韻に浸っていると、実はまだ「その後これまた面倒な話がありましてね…」と言わんばかりの後付け感。

フルコースを食べたあとに、「実はさらに豪華なメインディッシュがありましてですね…。」という勢い。腹がいっぱいで満腹感で満たされていたところにガツンともう2〜3品出されても嬉しいか?うん、私は嬉しいです。本編をしっかり理解した上で、この興奮が少し落ち着いたら楽しむ余裕が出てくるのかもしれないな。きっと。

だけど、本作については本編で十分感動。もう感動も感動。涙もろい人だと鼻水を滝のように流しながら嗚咽するかもしれないので注意。

普段野蛮な?ゲームばかりやっていましたが、こういったテイストのゲームは衝撃を受けました、大アリ。ゲームかゲームじゃないか?これはゲームに括っちゃいましょうよ。ゲームというエンタメの可能性が広がるのだから。

普段ゲームをこってりする我々は心の浄化に、普段ゲームをしない人でも読むだけなので抵抗なく楽しめるはず。

さて、少しだけ理解が怪しい部分があるので、これから2周目をプレイして色々と考察してみるとしよう。

この記事へのコメント

    1. 正直つまらなかった
      画面と音楽は合ってないし特段選択肢や隠し要素なしならもうわざわざキャラをプレイヤーに動かさせないで勝手に移動してほしいしカケルが一木のとこ訪ねてくることと受付のおっさんがなぜ放火したのかの伏線も意味わからなくて残念
      これならマザーやタクティクスオウガのがまだ感動できると思う

      1. カケルが訪ねてくるのと、受付の門真さんが放火した理由はサイドストーリーですぐわかるよ
        たしかにゲーム性ほぼ無いし動かすのめんどくさかった

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