リメイクならぬリマスター版FINAL FANTASY 12「THE ZODIAC AGE」を遅ればせながらプレイしてみました。すると、10年前と捉え方が違って新鮮。当時は斬新過ぎるシステムにあの頃は強い違和感を覚えたものですが、こんなにステキなゲームだったっけ…?確かに、先日公開した海外レビュー ではとても評価が高かったけれど。
そういえば、海外のFFファンが一番好きなシリーズっていったいどれだろうか?日本では7のクラウドがチヤホヤされているけれど、やっぱり同じなのかしら?と思い、海外大手ゲーム米メディアサイト「IGN」 を見てみると、意外な結果が浮き彫りになりましたよ。
参照:Ranking the Final Fantasy Games – IGN
10位:Final Fantasy XIII
PS3で華々しく登場したものの、従来のファンからは失望の声も。シリーズの中でも特に印象強いグラフィックである一方、その複雑過ぎるストーリーに一部のファンは困惑。にもかかわらず、ライトニングが主人公となる続編を立て続けに2本もリリース。これに対しファンの多くが不安視しましたが、蓋を開けてみると、広く開けたオープンな世界で素晴らしい冒険が体験できます。
人気の二分される主人公ライトニングは、シリーズで最も象徴的な主人公の一人であり、戦闘システム「オプティマ」は、素早くメンバーの行動の切り替えを実現する画期的な機能です。完璧ではないものの、登場するモンスターもファイナルファンタジーらしいメカニカルなデザインは素晴らしいの一言です。不十分さも否定できませんが、シリーズの中で、革新的で存在感のある作品といえるでしょう。
9位:Final Fantasy X
ファイナルファンタジーIXが2000年にリリースされる直前に、ファイナルファンタジーXのスクリーンショットがメディアに露出。水中で泳ぎながら剣を持ち、細かくレンダリングされたシャギーヘアのブリッツボールプレイヤーのリアルなものでした。プレイステーション2で最初のファイナルファンタジーとなるその映像の美しさは、我々の想像を超えたレベルでした。
本作まで続いてきた見下ろし型のマップから一変、リアルで没入感のあるシームレスな移動方式を導入。さらに、スフィア盤システムは、これまでのジョブシステムのようにアビリティを付け替えることなく、見た目と異なる、自由なキャラクターカスタマイズを実現。魅力的なラブストーリーと情緒的な音楽の一方、一本道のストーリーや難易度の低い戦闘、そして今ひとつ没入感の薄い音声は、一部のファンを落胆させました。それでもそのグラフィカルな映像と新しい戦闘システムは、画期的だったことは間違いありません。
8位:Final Fantasy III
アメリカにおいて、ファイナルファンタジーIIIは、単調だったNESから機能の大きく進化したSNESの登場まで、長い間発売されることはありませんでした。 1990年に日本のファミコンにリリースされた第3のファイナルファンタジーは、その他の国においては2006年のニンテンドーDSリメイク版が初登場となります。
戦闘中に倒した敵に対する物理攻撃はミスになることなく、自動的に他の敵にターゲッティングされるなど大きく合理化され、ターン制はそのままに、全体的なシステムは改善されています。戦闘におけるジョブ毎のコマンドは、戦略性を大きくを広げます。さらに本作から、シリーズに無くてはならない象徴的な存在となる召喚獣が登場します。最も重要な点としては、なんと言っても自由度の高いパーティー編成を可能にするジョブシステム、シリーズの象徴となる革新的な機能です。
7位:Final Fantasy I
アメリカがパックマンフィーバーに湧いていた1980年代、日本において、その熱はドラゴンクエストに注がれていました。エニックスのターンベースのRPGが人気を博していた頃、当時スクウェアはファイナルファンタジーで対抗。大きく広がる世界、大胆な戦闘システム、そしてダメージの数値表示。ドラゴンクエストから大きな影響を受けたことは紛れも無い事実ですが、別のアプローチでJRPGの在り方を大きく変えた作品でもあります。
幻想的なモンスター、様々な乗り物や、魅力的な音楽に加え、最も重要なのは何と言ってもメンバーそれぞれジョブを選んで命名できるキャラクターメイキングです。例えばシーフを選ぶと、後に協力な忍者に進化するクラスアップも斬新でした。ただし、ファイナルファンタジーの象徴となるチョコボ、モーグリ、そしてシドが居ない事に不満を持つ?かもしれません…。(飛空艇は登場します!)
6位:Final Fantasy VII
ファイナルファンタジーVIIはゲームの歴史において最も重要な転機を造り出しました。シリーズで初めてPlayStationで3Dグラフィックで登場。この表現は、以降のRPGやその他のゲームに大きな影響を与えました。
ミッドガルで始まる壮大な冒険はやがて地球規模にまで広がり、過去作と比べ物にならない世界の広さでした。登場人物はシリーズの中で最も象徴的なものとされており、特に主人公クラウドはその後いくつものスピンオフ作品に登場しています。誰も想像し得ないようなストーリー展開も、ファンを驚かせました。
5位:Final Fantasy V
落下した隕石の調査から始まるFinal Fantasy V。その最大の特徴は、さらに改良されたジョブシステムにあります。Final Fantasy IIIに導入されたシステムから大きく進化した22の強力なジョブが存在し、アビリティポイントを振り分けながら戦闘で使える特殊な技を身につけ、さらに協力な技を解除していくことができます。
獲得したアビリティをジョブを跨いで身につけることによって、弱点を補うハイブリッドなキャラクターにカスタマイズすることもできます。この深いカスタマイズは数年に渡って世界中のRPGに大きな影響を与え続けています。
4位:Final Fantasy IV
当時ファイナルファンタジーIVは我々の想像を超えた表現で、16ビット世代機に登場しました。その画期的な戦闘、感動的なストーリー、印象深い音楽、そしてそのすばらしいグラフィックはどれも革新的でした。
暗黒騎士セシルの物語はシリーズで初めてキャラクタードリブン的な展開を見せ、愛情、挫折、裏切り、そして希望といった様々な思惑が入り乱れる感動的な内容です。SNESの映像表現技術を使って、背景画像を回転拡大縮小させるといった、ポリゴンが普及するずっと前から3Dの表現を使用していました。しかしファイナルファンタジーIVの真骨頂は何と言ってもアクティブタイムバトルシステムでしょう。このリアルタイムな戦闘は、ターンベースの戦闘に時間の概念を加えた新しい手法で、後のシリーズでも多く取り入れられています。その感動的な物語とテクニカルなシステムで、シリーズに新たな影響をもたらし、JRPGの基軸を確立した作品です。
3位:Final Fantasy IX
ファイナルファンタジーIXは、シリーズにおいて回帰的な作品です。近代的な世界観になる前の、まさにファンが求めていたファンタジー色の強い世界観です。
ですが、本作の成功の秘密は登場人物の「暖かさ」でしょう。主人公ジダンと他のメンバー達とは、クライマックスにおいて真の友情で結ばれ、我々プレイヤーはその魅力的なストーリーに感動せずにはいられないでしょう。ファイナルファンタジー史上最高の音楽、幻想的な建造物、そして完璧なストーリーとその結末は、ファンの心に強く刻み込むことでしょう。
2位:Final Fantasy XII
ファイナルファンタジーXIIは、ファイナルファンタジーの「在り方」を再定義した作品と言えます。長期に渡る開発の末、ファイナルファンタジーXIIはプレイステーション2のパフォーマンスを十分に発揮した価値のある内容でした。政治的な陰謀を巡り、魅力的なキャラクターで綴られる作品です。
ライセンスボードは多種多様なキャラクターのカスタマイズを可能にし、イメージに捕われない自由な能力を持つキャラクターを作り出すことができます。そして、アクティブディメンションバトルと呼ばれるシステムは、MMOの要素を取り入れ、仲間に加わったキャラクターと、かつてシリーズで体験し得なかった戦略性の高い戦闘を楽しむことができます。シリーズの歴史の中で最も成熟したシリアスなストーリーが、その人気の理由であると言えます。
1位:Final Fantasy VI
ファイナルファンタジーVIはシリーズのみならず、全てのゲームの中で最も人気のあるタイトルの一つと言っても過言ではありません。 このSNESの傑作には、RPGのすべての技術が凝縮されています。
本作には、シリーズ中でも特に記憶に残る登場人物たちが登場します。 謎の生い立ちを持つ少女ティナからシャドウの飼い犬インターセプターまで、それぞれのキャラクター同士の関係性は丁寧に描かれています。戦闘はスピーディー且つ戦略的で、シリーズの象徴たるATBシステムをさらに進化させました。植松伸夫氏の楽曲、特にオペラシーンでは、SNESのハードの能力を最大限に生かした素晴らしいものです。そして、本作に登場するゲーム史上類希な悪役の一人であるケフカも忘れてはいけません。怪しく不気味な佇まいから神へと進化するその姿は、どのRPGの中でも最も印象深いものです。まさに技術、ストーリー展開、構成、全てにおいて、時代の集大成となった傑作です。