決断していますか?
人生の大事な局面もそうでない時も、周囲の顔色を伺ってばかりで自分の意思を伝えずにいませんか?
決められる男でありたい。
パンかご飯か決められず、家にあったソバを茹でたら「やっぱりパンが良かったな」と思う、私は決断して失敗する派です。
前置きが長くなりましたが、カリプソメディアジャパン様から新作をご案内いただけました。
ポートロイヤル4、スペースベーススタートピアのシミュレーションに続き、今度はタクティカルRPG「ディサイプルズ リベレーション」。
自分の決断力を試されるゲームでした。
選択の連続!ディサイプルズ リベレーションで決断力を試すべし。
ディサイプルズ リベレーションとはどんなゲームか?
世界観はダークファンタジー、ジャンルはシミュレーションRPG。そしてストーリーの進行は、やった、みんな大好きフリーシナリオですよ!(私が好きなので勝手に決めつけるスタイル)
ゲーム中にクリアに至るまでの過程をプレイヤーが自由に選択でき、善人としても悪人としてもふるまえる。
登場人物との関わりの中で、協力や敵対の他にも嘘をつく(成功は保証されていない)寝返るなんていう選択もあり、それらひとつひとつの選択がストーリーの進行や仲間の運命などの結末やエンディングに大きな影響を及ぼすことになるのが特徴。
古くは「ロマンシングサガ」や「ジルオール」なんかがフリーシナリオRPGとして有名ですが、当時アイスソードごときで悶え苦しんだプレイヤーは覚悟した方が良いかもしれない。
善行か悪行かではっきり分かれた勧善懲悪ならばまだ選びやすい。きっと私はとりあえず「正義ルート」を進め、2周目は悪人シナリオをプレイしようとか意気込んだものの悪人になりきれずにまた善人シナリオを選ぶのだろう。
ところが、このディサイプルズ リベレーションではそんな甘っちょろいものではないのだ。
登場するキャラクターは「帝国」「エルフ」「悪魔」「不死者」と4つの派閥に分かれている。
このいずれかに利益、または不利益となる行動を取りながらストーリーを進めていくのだけれど、不死者でさえ彼らの言い分に耳を傾けてみれば間違って聞こえないのだから迷って仕方がない。そして価値観の食い違いが発展して大きな戦いの渦が巻き起こっていくのだ。ガンダムでいうところの連邦とジオンみたいな、お菓子でいうきのこの山とたけのこの里のようなもので、それぞれに信念や正義があるのだ。違うな、でも他に良い例えが浮かばないので敢えて続ける。(ここは迷わないぞ!)
クエストで強化、仲間や派閥との親交、敵対関係にも発展、戦い方そのものが変わることも。
とにかく進行上分岐の要素が強いので、まだ選択肢の話を続けたい。
ディサイプルズ リベレーションでは、はっきりとした決断を迫られる。
実際物語を進める中で、具体的にどんな選択が行われるのか?
例えばこうだ。
どっちにも言い分はあるよねとか、そんな曖昧な選択は無し。
帝国(人間)の子供が迷い込んでしまったエルフの森で、エルフは自分たちの暮らす領域を守るために、侵入者である人間の子供を射抜いてしまう。ここで主人公はどちらかに加担し、相手を倒す選択を迫られる。
あなたには選べますか?
エルフに味方すればエルフの集落に足を踏み入れることを認められ、帝国の兵士に賛同すれば帝国との関係性は向上して様々な恩恵を受けることができる。
当然この選択肢によって、反対する勢力とその場で戦うことになる。
ちなみにここで私はエルフに加担し、帝国からお尋ね者になっています。
「我々に力を貸してくれるか?さもなくば今我々と戦うのか?」カレー味のどれそれかどちらかみたいな究極の選択を常に求められる状態。
先に挙げたロマサガの名シーンである善良なガラハドからアイスソードを強奪するシナリオと同等かそれ以上の、究極の選択がゴロゴロしているのだ。
そしてそれらの選択をこなしていくことで、特定の種族や派閥との親交が深まったり仲間に加わることもあるし、意見の衝突が重なると仲間から外れてしまうこともある。
また、クエスト終了時に強力な装備品を獲得することも。
単純に武器や防具の強さに加えて、攻撃力、防御力、素早さ、魔力といった主人公の能力に影響するハクスラ的要素もあり。
主人公を攻撃特化か魔法特化かあるいはサポートなのか、加わる仲間によっても戦い方を変えた方が有利な場合も多く、どのように戦うか、ビルド要素にまで選択を求められることに。
脳筋プレイ不可!常に次の手を考える戦闘。
選択とその展開が楽しく特徴的なこのディサイプルズ リベレーションは、メインとなる戦闘も魅力的。
経験値を積んでレベルを上げ、ポイントをスキルに割り振ったり、装備を強化、魔法を習得したりといった分かりやすい強化要素ではあるけれど、ストーリーの進行状況に伴って敵も強化され、同じ敵と何度も戦うといった「稼ぎ」プレイは不可。
JRPGにありがちな、とにかくレベルだけガンガン上げて適当にぶっ叩いて倒すといった脳筋スタイルではないため、じっくり戦略を考えて戦うのが好きなプレイヤーにはたまらない仕様。
ストーリー上重要かつ強力なキャラクターを規定数と、特定の派閥との関係性が上昇すると拠点で雇用できるユニットとでパーティーを編成。
主人公であるアヴィアンナはストーリーを進めるとクラスチェンジすることができるようになり、クラスに応じたスキルを習得することが可能に。
物理攻撃に特化するか魔法に重きを置くか、強力な仲間のサポートに徹するか?
メンバーの構成や好みのスタイルによってスキルを習得、強化。スキルポイントの振り直しも可能なため、少しずつ試しながらビルドする楽しさもあり。
ボリュームも半端なさそう。人生は選択の連続だ!
サラッと先ほどクラスチェンジの話を紹介したけれど、最初に行えるクラスチェンジまでにかかったプレイ時間は30〜40時間、さらに上位のクラスもある模様。
またクエストの数が超多い。
広いマップ上に多くのNPCが存在し、ほぼその数だけクエストが発生。
そしてそれらのクエストの選択によって仲間に能力が追加され、封鎖されていたエリアがアンロックされていき行動範囲がどんどん増えていく。凄まじいボリューム。
一方で洋ゲーならではの癖もあり。
例えば、言い回し。
洋画特有のエスプリの効いた比喩表現が多かったりするので、解釈が楽しかったりする一方で慣れない人は選択によって全く想定していない結末を迎えて困惑するかもしれない。
アイコンで「賛成」「反対」などの意味が表現されてはいる。
またこの選択によってはなんの前触れもなく急転直下の展開が待ち受けていて、拠点へ戻れない地下牢へ飛ばされた挙句仲間ともはぐれてしまうクエストなどもあり。
エリア移動時など定点的にオートセーブする機能も備わっているのでやり直しもできるけれど、準備不足で脱出先に進めてしまうとオートセーブがどんどん上書きされてしまい、本格的に詰みそうになることも。
スリリングな展開する楽しめるプレイヤーは、お膳立てされまくったJRPGとは全く異なる刺激を得られるはず。
ここまでのプレイ時間は50時間を超えているけれど、ワールドマップの行動可能なエリアから察するに、まだまだ序盤なんじゃないかというほどのボリューム。
そして、優柔不断などっちつかずの選択をしていたら、虐げられている悪魔たちに感情移入してしまい、帝国との関係性が「敵対」不死者との関係性が「良好」になり、ダークサイドに片足突っ込んでおります。
自分自身の決断力を試し、自分の奥底に眠る本音と向き合うことができる。ディサイプルズ リベレーションは、人生は選択の連続であることを体現したようなゲームです。
久々にみました。このゲーム2週目がストーリーの本番だとか