みなさん、スマホで写真撮りまくってますか?かつて携帯電話にカメラ機能が実装された時、それはそれはセンセーショナルでした。画素数の少ないオモチャのようなカメラ付き携帯にみんな憧れ、「写メール」なんつってメールに添付して送り合ったものです。そんなカメラの先駆者としていち早く外付けカメラを取り入れたのが、ゲームボーイの「pocket camera(ポケットカメラ)」です。
1998年に発売された本製品ですが、カメラ付き携帯電話がブームになるちょっと前に発売され、まさに時代の先駆者と言っても過言ではありませんでした。しかも白黒のゲームボーイで!今振り返ってみると「そんなに頑張らなくても…!」と思わなくも無いのですが、当時としては技術の限界に挑む姿勢に思わず買ってしまった次第です。その頑張りに敬意を表して未だに所持しているわけですが(そんなに高い意識で保管しているわけでもありませんが)何千万画素数のカメラが着いていて当たり前のこの時代、敢えてこのカメラ機能に着目してみました。
なんかキモいマリオが動くタイトル画面
撮った写真を使ってミニゲームで遊ぶ
まずはソフトの概要説明から。カセットの上部に大きな球状のカメラが着いている通り、写真を撮影することができ、撮影した写真を使ってミニゲームで遊ぶことができます。今で言う3DSの「顔シューティング」のような遊び方で、写真を使った遊びの先駆け的存在でしょう。
メニューは「とる」「みる」「あそぶ」の3パターン。
タイトル画面の踊り狂う着ぐるみマリオからお分かりの通り、雰囲気はシュールです。良い意味で?独特の気持ち悪さがあるので、やや濃い目のシュール好き向けかもしれません。
ポケットカメラで撮影してみました
まずはカメラを使って撮影しないことには遊ぶことができません。(サンプルがいくつか入っていますが)ということで改めてカメラで何かを撮影してみようと思います。
まずはカメラのスペックから。
画素数:14,336(縦112×横128)画素 モノクロ4階調
うむ、なにやらピンと来ません。私が現在使っているiphone5(古くてすみません)の画素数が800万画素。ということは、ポケットカメラの画素数は、iphone5の560分の1程度ということか!560倍、凄まじいな…。と言ってみたもののやっぱりピンと来ないので、とりあえず撮影してみます。
被写体はこちら
任天堂のゲームには任天堂の被写体を持って接するのが礼儀というもの。ということでファミコンの名作RPG「MOTHER」の主人公「ネス」のamiiboです。iphoneで撮影するとこの通り、綺麗ですね。といってもこのご時世ですので「うわ〜綺麗!」と感動するレベルではありませんが。さて、これをポケットカメラで撮影してみます。
これは…ネス?
いかがでしょうか?なんとなくネス的なものが撮れていますが、初見の方はフィギュアっぽい何かくらいで、キャラクターの認知度は置いておいてネスか何なのかちょっと分かり辛いかもしれません。使用感としては、ピントを当てたりコントラストや明るさを調整するのに若干時間がかかります。実用性は限りなく低いと言えます。
4種類のミニゲームは本当にミニ!
撮影した写真でいくつかのミニゲームをすることができます。その数4種類。メニュー画面で「あそぶ」を選択すると「SPACE FEVERⅡ」というレトロ感漂うシューティングゲームが始まります。
「ギャラガ」とか、そんなテイストのシューティングが始まります
最初に出てくる3体の敵いずれかを撃つと、それぞれのゲームが始まるというなんとも不思議仕様。それぞれは以下の通り。
・DJ
音楽と効果音を操作してDJプレイができます。撮影した顔写真はキャラクターに当てはめて動かすだけ。そしてこのゲームではちょっとしたDTMで自身で音楽を作成することも出来るという地味に高機能?なものです。
・顔ボール
ゲームウォッチの「BALL」そのまま、ボールをお手玉の様に繰り返し放り投げ、一度でも落としたらゲームセットというシンプルなゲームです。また高得点を出すとアルバムに隠し画像が増えていくという地味にコレクション欲をくすぐってきます。
・RUN!RUN!RUN!
ひょろひょろの人間に撮影した顔を当てはめたキャラクターが、早く飛ぶ鳥とさらに早く進むモグラと競争するという謎のレースゲームです。ボタン連打で走り、ジャンプ、パタパタ(浮遊)を組み合わせながら進んでいきます。「顔ボール」と同様に高得点を出すとアルバムに隠し画像が増えていくので、ひたすら連打した記憶があります。
どのゲームもミニゲームの名に恥じないミニなサイズですが、この最初のUFOを撃たずにいると、そのままシューティングゲームとして「SPACE FEVERⅡ」が始まります。ステージ3になると、自分が設定した顔写真がボスとして登場します。
「逃げてどうする」「愚か者」のトラウマについて
さて、このポケットカメラ、発売当時は数多くのちびっ子達にトラウマを植え付けた罪深き作品でもあります。こんなに楽しいカメラ機能のソフトですから当時CERO審査が行われてもおそらく「A」評価とされるであろう内容ですが、なんととあるシーンで出てくる写真が何とも不気味で見る者を不安な気持ちにさせたことでも有名です。
「とる」のメインメニュー画面
本作の主軸の一つである「とる(写真を撮る)」機能のメインメニューでは「とる」「チェック」「アイテム」「にげる」「まほう」といったRPG風の項目があります。「とる」「チェック」は字の如く撮影とプレビュー、「アイテム」はセルフタイマーや連続撮りといった便利機能、「まほう」はコントラストやフレーム、モンタージュなどの特殊加工機能に当たります。なるほどあると有り難い機能なのですが、問題は一体何が起こるのか?よくわからない「にげる」です。それでは押してみます、心の準備は宜しいでしょうか?
こ、怖い…
少し画面が暗くて申し訳ないのですが、この様に謎の落書きされた顔がランダム表示され、「にげてどうする」「おろかもの」と叱ってくる、ただそれだけ。(つまり全く以て不要な機能です)この方々はどうやらは当時の開発会社のスタッフさん達のようで、本製品で撮影したものに本製品の機能を使って落書きを施したものだそうです。モノクロと解像度、BGMや加工のデザインも加わって、得体の知れない独特の不気味さが出てしまったのかもしれません。大人になった今見てみても、やっぱり気持ちの良いものではありません。(被写体の方々には申し訳ないですが…)
さてこのポケットカメラは「ポケットプリンタ」というプリンターも外部接続でき、なんとプリクラさながらのシールにしてプリントアウトすることもできるというイノベーティブな試みをしていました。残念ながら私は所持しておりませんでしたが、これを使いこなしていれば、私の大学生時代は一層キラキラしていたかもしれません、そんなこともないか。
これは懐かしいなぁw
逃げ切っても妙なマップが出るだけだったっけ。
意味わかんないから、ずっとシューティングとお手玉してた小学生時代の思い出がある。
今でこそ小学生がゲーム機で撮影してる光景というのは日常だけど、僕がポケットカメラで撮影していると不思議な目で見られてたっけ。
懐かしすぎて胸がキューーーンとなりました!
RUNRUNRUNは鳥がめちゃくちゃ早かった気がする
懐かしいですね