ロマサガ3は面白い。街のもめごとを解決したのに「かえれ!」の一点張りだったり、知った仲なはずなのに、ばったり会うと他人行儀に振舞われたり。ちょっと首をかしげてしまうようなNPCのヘンテコなリアクションや独特の大味さは今のサガにも脈々と受け継がれています。でもそこがロマサガの良さでもあると思っている私管理人です、ごきげんよう。
からの、リマスター版ロマンシング・サガ3。今回リマスターされるにあたり、没になった敵と戦えたり、いくつかのイベントに手が加えられたりといった情報が。ということは、町娘を生贄に差しだしたにも関わらず「私が町長です」と何事も無かったかのように白々しく振舞い、プレイヤーの大顰蹙(ひんしゅく)を買ったあの町長も、それなりの罰を受けるのか、どうなるのか?
確認した結果が判明しました。町長、コラー!
※ネタバレにご注意ください。
「私が町長です」って、どんなイベント?
まずは例の町長イベントについて振り返ってみよう。
小さな村キドランドが魔物に悩まされており、村から生贄を出す必要があると言う。これは大変だ。主人公一行が村を助けてくれと話す町長の頼みを受け、魔物が待ついけにえの穴へ。
ところが、町長に案内されていけにえの穴へ入ると、なんと町長が入り口を塞いでしまい、主人公たちはそこから出ることができなくなってしまう。挙げ句の果てに「怪物を倒してきたら開けてやるよ」と、まさに人の善意を仇で返す最低の振る舞い。
そこへニーナという村の娘が一行を穴から助け出してくれる。あんた、良い娘だよ。
命からがらいけにえの穴を脱出し、問い詰めるべくキドランドの町長の元へ。
ところが、彼は謝罪をするどころか、今度は主人公一行を助けてくれたニーナをいけにえに穴へ閉じ込めたと話す。もうめちゃくちゃである。命の恩人であるニーナを助けるべく、再びいけにえの穴へ潜入して彼女を救出。
もう我慢ならんと町長の元へ行くと、悪びれることも無く「私が町長です。」の一言。
これには当時スーファミのコントローラーを握っていたプレイヤーも、目の前で繰り広げられている事態…というか会話が理解できず、混乱を極めると同時に稀代の胸糞イベントだったわけですよ。
ああ、思い出したらもう腹立ってきた!
リマスター版でいけにえの穴検証開始!
それでは改めて、リマスター版(iOS版)で検証開始。
開始から5〜6時間ほどで、問題の地であるキドランドへ到着。
そう、この村を私は覚えている。この村の奥に、あの町長が涼しい顔で座すわけだ。あれから20数年、積年のモヤモヤを晴らせるのか?
ということで、町長の家へ到着。
初めてこの村を訪れて町長の話を聞いた時、それは可哀想だと思ったさ。村を助けたい一心で町長の依頼だって引き受けたものだ。
だが、今の私はあの頃とは違う。物事の善悪くらいは判別のつく大人になりました。間違っていることは間違っていると声を挙げることができる。まあ声を挙げたところでゲーム中なんで、誰も聞いてないんですけどね。
どんな仕打ちをされるのか知っているけど、承知の上でいけにえの穴を町長に案内していただきましょう。
で、思った通り、町長に穴に閉じ込められるわけですね、はいはい。
この言い方も勘に触る
いけにえの穴に入るやいなや、町長に入り口を塞がれました。ここまではオリジナル版と同じ。
そのまま奥に潜み、ボス「ねずみの群れ」との戦闘から退却して再びこの入り口へ戻ると、命の恩人登場。
キドランドの娘ニーナが、主人公一行を穴から助けてくれます。
聞くに、彼女の愛する男性ポールと同じ冒険者である主人公たちを見殺しにすることができなかったのだそうな。イイハナシダナー。
分かっちゃいたけどあの町長め、一体なんてことしやがるんだ。懲らしめてやる!
再びキドランドの町長宅へ行くと、あろうことかあの村娘ニーナをいけにえに差し出してしまったとのこと。相変わらずの最低っぷり。
ていうか、今穴から戻ったばかりなのに、この短時間でよくもまあ手際良くニーナを穴に閉じ込めたもんだ。
ニーナを助けるべく、再びいけにえの穴へ。
ダンジョンの奥へ進み、またもねずみの群れと対峙。集合体恐怖症、トライポフォビアーの皆さまにはなかなかキツいビジュアルの敵ですが、さっさと倒してニーナを助けます。
ねずみの群れに食べられてしまったと思われたニーナは無事、良かった!
もうカンカンです。あの町長め、許さん!
イベントクリア後、町長に対して選択肢が追加された!!
さて、ここからが問題のシーンです。
オリジナル版ロマサガ3と同じくとんだ扱いを受けたにも関わらず、泣き寝入りするしかないのか!?
またもキドランドの町長の元へ。
それでは良いですか?話しかけてみますよ?
おい、町長!
出た!「私が町長です。」
いつもの町長節。これはオリジナル版と全く同じセリフじゃないか!不愉快な思いをしたのに、何もできないままこの場を去るしか無いのか…?
すると…!
「報酬をよこせ」
「一発なぐらせろ」
「用はない」
の選択肢が!
町長に仕返しをすることができるようになった!
私、正直ここで少し笑顔になりましたよ!いかがですか?
「報酬をよこせ」を選ぶと、「なんだ、金が欲しいのか。ほれ、くれてやる。」と言われ、10,000オーラムを獲得。
その後改めて町長の家に入るといつも通り「私が町長です。」と、いつもの調子…かと思いきや。
報酬をあげたから恨みっこ無しだぜとでも言わんばかりに、その後町長と話をすると、セリフの末尾に
「フッ。」
という一言が!なんなんだコイツ!
続いて、「一発なぐらせろ」を選択。すると、町長は「ヒーっ!」という悲鳴を上げて、その場から一目散に逃げていきます。
その後また家に入り直すと、何事もなかったかのようにそこにいて「私が町長です。」の一点張り。
最後の選択肢「用は無い」を選んだ場合は、本当に何事も無かったかのように「私が町長です。」でフィニッシュ。これはいつもの町長っぽいですね。
イベントが手直しされても、やはり町長はクズだった!
リマスター版ロマサガ3は、例の町長に対して仕返しができるようになっていました!
が、魔物退治の報酬を求めれば偉そうに振る舞い、詰め寄れば逃げ出し、その後何事も無かったかのように居座る町長。イベントに手が加わっても、彼はやっぱりクズでした。
まったくどえらい目に合いましたよ
とはいえ、今までは何も行動に移せないことに対して歯がゆさを感じ、ただ泣き寝入りするだけだったけれど、せめて報酬をむしり取るなり町長の振る舞いを責めるなりして少しでも積年の恨みを晴らすことができました。
また、個人的にはこのくらいややあっさりとしたイベント手直しで良かったと思います。話が膨らんで、町長が別の人間に変わってしまったり、町長をいけにえの穴に閉じ込めたりなんてことができたらそれはそれで面白そうではあるけれど。このくらいドライであっさりしていて大味なのがサガシリーズの趣というもの。
一旦はこのリマスター版ロマサガ3で、スーファミ世代の我々の鬱積した気持ちが少しだけ浮かばれた気持ちです。フッ!
トレードの人なのでイベントが出ないっぽい
制作側はどういういきさつでこの様にしたのか知りたい。
元々はもっと長いイベントを用意していたが容量の問題で削ったとのこと。で、リマスター化するにあたってシナリオの加筆も考えたが、もはやロマサガ3はこの説明不足な部分がミーム化していたので、ほぼそのままの形で出したらしい。本当にシナリオの下地があったのかは分からない。あまり多くを語らないし、当時の構想ももはや忘れているのかも