ポートロイヤル4に続き、カリプソメディアジャパン様から新作シミュレーションのご提供いただきました。
集まってくるエイリアンたちを相手におもてなしをしながら宇宙ステーション内を開発、発展させていく経営シミュレーション「スペースベーススタートピア」。
カリブ海のポートロイヤル4に対してこちらは宇宙が舞台。宇宙って凄いんだぜ?何が凄いかというと、あれだよ、うーん、一体何が凄いんだろう?でも宇宙ってだけでダイナミックな感じがしませんか?
実際プレイ開始してみたら、宇宙抜きでとんでもないゲームだということが判明しました。
ゲームの目的は、やってきたエイリアンを楽しませる宇宙ステーションを作ること!
頭の悪そうな書き出しをしてしまいましたが、まずこのスペースベース スタートピアとはどんなゲームなのか?
プレイヤーは宇宙ステーションの運営を任される司令官となり、ここに訪れる様々な種類のエイリアンたちを楽しませて通貨となるエネルギーを獲得し、様々な施設を開発、運用して宇宙ステーションを発展させていく。
宇宙ステーションは「一般」「娯楽」「バイオ」の3つのエリア(デッキ)で構成され、それぞれ役割に応じた施設を設置し、訪れたエイリアンに利用させたりあるいは雇用して稼働させながら宇宙ステーションを管理していく。時には侵入者や宇宙生命体な攻撃を加える外敵と戦闘して施設を防衛することも。
それぞれのデッキで担う役割は以下の通り。
一般:衣食住に関わる施設や生産、防衛など、ステーションの中枢
娯楽:ディスコやアーケード、バーなど娯楽施設でエイリアンのエネルギーを回収
バイオ:衣食住に必要な食材や酸素、生産に必要な材料などの資源を回収
エネルギーを消費して施設を設置。配置を決めると、お手伝いロボット的な「ファジィ」が作現場へテクテク向かって建築開始。
すると、待ってましたと言わんばかりにエイリアンたちが施設に向かって自身の要求を満たし、その対価としてエネルギーを支出。このエネルギーを元手に新たな施設を設置。
お手伝いロボファジィは、施設の他にも外敵に立ち向かうメカも製作。
メカなんかも作って…
できたぜ!
攻撃攻撃!!
これらの作業でエイリアンたちのニーズを満たして施設を拡大し、より多くのエネルギーを獲得していくのが本作の大きな流れ。
思い描いた動線通りにエイリアンが動き、満足度やエネルギーがジリジリと上がっていく様子を見る喜びは格別。
欲求を満たすべく動き回るエイリアンが可愛い!皮肉もたっぷりなノリ。
登場するエイリアンをはじめとするキャラクターはクセが強め。
具体的な想いを吐き出す「スピッター(ツバを吐き捨てる)」なるSNSの名称もエスプリが効いている。
「汚い」とか「ゴミが多い」といった不満の中で、ゴミ処理能力に特化したエイリアンは「ゴミに囲まれているのが大好き」とか呟いていたり、バイオデッキで植物を収穫してくれる自然愛護のエイリアンが、ディスコでヘドバンしていたりとかするのだ。ディスコってそういう風に踊らないよね。
プレイヤーがクスリとするような愉快な言動で楽しませてくれるエイリアンたち。
さっきまでバイオデッキで植物を愛でていたドライアドが、ディスコで頭を振り回しながらエアギターしてたりする。
また、プレイヤーの行動や進捗についてサポートしてくれるAIのナビゲーションは皮肉たっぷりで「興味深い選択しますね、あなたの失敗日記に記載しておくことにします」とか「あなたが無能か道徳的に曖昧であるか分類することに迷っている」だとか、ふっかけてくる。
ひとこと余計。
シナリオに沿って進めていくキャンペーンでは、植物の化身であるドライアドに誤って一番綺麗な花をプレゼントしたことから戦争に発展したとか、イルカを丸焼きにしたりだとか、いかにも海外らしい日本ではヒヤッとする際どいジョークも多め。
このゲーム、いい大人が寄ってたかって悪ノリしながら作ったんじゃないかなと思う。
耳慣れないワードや独特の操作も慣れてしまえばこっちのもの。
基本的なゲームの内容を簡単にご紹介してみたけれど、実は慣れるまでにちょっとだけ時間がかかった。
チュートリアルではナビの案内に沿って淡々と進み、読解力に乏しい私なんかは何度か置いてけぼりを食らった。あまりに置いてけぼられたので、本当に自分は日本人なのだろうか?と不安になった。試行錯誤している間に課題もどんどん増えていくばかり。
ちょっと待って、分からん!
どうにかナビに食らい付き、やっとのことでチュートリアル終了。
苦戦した理由として、とにかくサッサと進むナビに加えて使い慣れない言葉も多くて戸惑った。
ビーユー…なんですって?
今思えばこの特有のワードが混乱の要因だったのかもしれないので、自分のメモ、用語集としてもここに残しておこう。
用語 | 意味/使い方 |
---|---|
スキャンモード | 空気が汚れている場所を赤く示してくれる。大気フィルターなど施設を設置する時に自動的に発動するもので、それ単体を起動することはできない。 |
デッキ/セクター | デッキは「一般」「娯楽」「バイオ」の三種類、役割の異なるエリア。各デッキの施設の設置場所を拡張するのがセクター。◻︎ボタンでエネルギーを消費して解放する。 |
HED | 様々な恩恵をもたらす消費アイテム。工場で生成できるほか、メニューのVALショップから購入することもできる。 |
クレート | 資源など、梱包して持ち運べるブロック状のもの。お手伝いロボットファジィやすでに設置してある設備もクレート化、持ち運び、配置を変えることができる。 |
B.U.T. | B.U.T.インターフェースはバトルモードのような画面。侵入者などへメカや警備ドローンで攻撃を加える時にここから指示を出す。 |
そんな具合でなかなか初心者にはハードルが高いんじゃないの?と思われる方、心配ご無用、チュートリアルで置いてけぼりをくらった私ですらいじっているうちに最終的には本作のシステムは理解できたのだから。理解してしまえばこっちのもの。
続いてユーザビリティについて、施設の設置であったり研究であったり、エイリアンたちの評価を見たりと各種メニューを実行する時にチュートリアルではボタン同時押しばかり求められたけれど、メニューは△ボタンでなんとでもなるし、ボタン同時押しはショートカットという位置付けで使えばなんてことはなかった。
スペースベース スタートピアの真価は「対戦」にあり。シングルはフリープレイもやるべし!
ゲームの基本機能や直感的な感想について色々と語ってきたけれど、エイリアンが可愛いとか手探りが楽しいとか効率化がどうとか、自分だけの宇宙ステーションをのんびり作りたいとか、本作の真価はそこじゃなかった。
このスペースベース スタートピア、とんでもないゲームかもしれない。
それこそがまさかの「対戦」。
マジですか。
オンラインのマルチプレイモードでは、「一定の高評価を最初に得たステーションの司令官が勝利」「エネルギー通算獲得量が一定量に達した最初の司令官が勝利」「一定数の敵ユニットを破壊した最初の司令官が勝利」といった条件を選択し、最初にその条件に到達したプレイヤーが勝利となる対戦ができる。オフラインではシングルモードのフリープレイでもNPCと対戦可能。
戦略SLGはともかくとして、箱庭の経営、運営系SLGで対戦してしまうとは常識を覆すようなソリューション。
勝利するために、基本はルールを理解して手際よくエネルギーを獲得していく必要があるけれど、相手の宇宙ステーションに対して妨害工作したりといったかけひきも重要。
キャンペーンでは出題されるお題(条件)を与えられた環境でクリアすることでゲームが進行していくけれど、このフリープレイやマルチプレイでは完全なゼロスタートでひとつひとつの施設を研究開発していくのも楽しい。箱庭の醍醐味。
さらにマルチにはキャンペーン中のミッションをフレンドと協力プレイも楽しめるのだそうな。
残念ながら発売前のためにオンラインでマッチングすることはできなかったけれど、これ対人で対戦したら白熱しそう。きっとものの数分で目標達成してしまう天才的なプレイヤーとかが出てくるのだろうし、eスーポツなんかで採用されたら相当盛り上がるだろうな。
発売後に改めてオンラインをプレイしてみます。楽しみ!
※Switch版はシングルプレイ専用