カリプソメディア社様からまたまた新作タイトルをご提供いただけました。ターン制ストラテジー「ウォーハンマー40,000:メカニカス」。
ウォーハンマーって、海外で超有名なテーブルゲームだったような…?ゲームになったのか!?
そしてカリプソメディアと言えば、ポートロイヤルやディサイプルズリベレーションなど頭を使ったクレバーに楽しむゲームが多い印象。この正月ボケした頭で楽しめるのか?
と思ってプレイしてみたら、脳汁が凄かった。
ウォーハンマー40,000とはどんなものか?
まずこのウォーハンマー40,000とは何か?
敢えてルーツから調べることで馴染みの無い方とも足並みを揃えて歩んでいきたい。
ウォーハンマーとは、戦場となるジオラマ上にミニチュア模型の軍隊を展開、ルールに則って動かし、勝敗を決するミニチュアゲームと呼ばれるテーブルゲーム。
このミニチュアゲームやテーブルトップRPGという娯楽(呼び方)はあまり日本では馴染みが無いけれど、英語圏を始めとした海外では絶大な知名度を誇り、このウォーハンマー40,000も「40k(フォーティーケー)」と呼ばれて超有名な代表格。
それじゃこの40,000という数字はいったい何を意味しているのか?
もともとは剣と魔法のファンタジー世界であるオールドワールドが舞台となる前身「ウォーハンマー」から4万年後の未来という設定らしいです。
「それじゃ、なぜ3万年後じゃなくて4万年後なのかい?」
そういう細かい人は、ぜひ日本のミニチュアゲームである人生ゲームでもやるといいよ。
ミニチュアゲームではないですね人生ゲームは。
どんなゲーム?SFとダークファンタジーを融合させたターンベースストラテジー。
足並みがバッチリ揃ったところで(ひとりよがり)、今回はコンソールゲームとしての「ウォーハンマー40,000:メカニカス」をご紹介したく。
さすがミニチュアゲームの代表格だけあって、戦闘時のビジュアルもジオラマ的。
ジャンルはターンベースのシミュレーションRPG。
本作は海外では既に発売されていて、この度ローカライズされてめでたく日本でも発売に。
テラフォーミングされた惑星で、機械神を崇拝する教団によるカルトなやり取りや戦闘が特徴の、SFとダークファンタジーを融合させたような独特の重厚な世界観。
ゲームのサイクルは以下の通り。
帝国技術局(アデプトゥス・メカニカス)の司祭(マゴス)、大賢人(ドミヌス)ファウスティウスとして技術司祭「テックプリースト」と、ブラックストーンと呼ばれる経験値的な役割の通貨を消費してチームに追加できる「突撃兵」とでチームを編成し、敵地へ潜入するミッションへ。
ミッションは探索パートと戦闘パートに分かれている。
探索ではマスに沿って動き、止まった先で起こるイベントに対して行動を選択。
この選択によって、経験値やアイテムを獲得したり、ミッション中の戦闘パートで敵の攻撃が鈍化、あるいは激化したりとランダムでプレイヤーに恩恵や損害が発生。
このあたりはテーブルトーク的な香りが漂っている。
もうひとつの戦闘パートを完了するとミッションクリア、このパートは後ほどご紹介しようと思う。
ミッションでの目標達成度合いに応じて、アイテムや新ユニット、ブラックストーンを獲得。
このブラックストーンを消費し、スキルを習得したり、様々な効果のあるボディパーツを獲得するなどしてユニットをグレードアップさせることができる。
攻撃特化にするか、サポートに徹するか?スキルも幅広くて悩む。
ちなみに突撃兵はミッションが終わったらそれまで。広い宇宙に残されたまま、拠点へ帰ってくることは無い使い捨てのサブユニットなのだ。
ウミガメの母ガメが産卵したあとですぐに海に帰ってしまうような話か。全然違うな。
難易度高め!繋がる攻撃!トライ&エラーを繰り返す戦闘パートは徐々に派手さを増していく!
ちなみにウミガメの涙ですが、あれは我が子を思って痛みを堪える感動のシーンではなく、目が乾燥するのを防ぐためらしいですよ。
何の話だったか、そうだ、 ウォーハンマー40,000:メカニカス(以下40Kメカニカス)だ。むしろここからがメインとなる話だ。
戦闘パートは、マップ上の施設や敵から吸収したりすることで溜まる「CP(コグニションポイント)」を使って行動する。
CP消費の多い強力な武器で相手を倒すか、CP消費も威力も少ない攻撃を繋げるか?
このCPをやりくりしながら、ターン中に攻撃やサポートをするということか。
実際にプレイしてみるとこうだ。
ミッション失敗。
また失敗…。
ちっとも勝てない。
超ムズい。
と、ここでもう一人の私が問いかけてきた。
「お前さん…考えることを放棄していないかい…?」
だって、シミュレーションRPGって、好きなモビルスーツで雑魚敵を蹴散らして、ちょっと手強いなと思ったら精神コマンドテキトーに使ったりして無双するゲームなんじゃないですか?
違う、それはスーパーロボット大戦の話だ。
タクティカルなゲームとは何か?
基本の「き」からやり直すため、思い上がったプライドを捨てて難易度を下げてみた。
難易度設定では敵のユニット数や体力、イベント発生の有無など細かく設定することができるので、まずは敵の動きやCPの運用方法、スキルの何を優先、強化すべきかを少しずつ学習していくことに。
するとどうだ、少しずつコツが掴めてきた。
…勝てた…!
何度か手探りでプレイしているうちに
敵をどのように倒していくのか?
CPをどのように運用するのか?
スキルやボディパーツの活用方法は?
立ち回り方やルールが分かってきた。
すると…
誘い込んで…倒す!
…また勝てた!
オラオラオラー!!
…勝てる、勝てるぞッ!!
達成感ッ!!!
クッソ面白い。
先程のちっとも勝てない発言撤回します。
慣れてくると、攻撃した直後に残ったCPでまた攻撃をして移動、その先にある回復ポイントでCPを吸収してその場から遠距離で立て続けに攻撃、という感じで連鎖的に攻撃を繋ぐこともできる。
さらに、上手く敵を誘い込めれば仲間ユニットの追撃がそこにアドオンされる。
つまり、無双プレイ。
オラオラー!!
脳汁が凄い。
というかこれ、プレイヤーやスキルビルディングによっても全く違う戦い方になる予感がするぞ。
私の場合は、攻撃特化ではなく移動に長けたユニットが多くできてしまった。一撃のダメージは小さいけれど、一体ずつ敵を誘い込んで、遠距離から集中的に攻撃を浴びせるスタイルになった。
気持ちいい。
もう少しユニットが増えたら、攻撃特化キャラとサポート特化型とでしっかり役割を分け、戦略的にガンガン攻めていきたい。
報酬でユニットが増えるとさらに嬉しい…!
この40Kメカニカスでは、たとえミッションに失敗したとしてもゲームオーバーになることはなく報酬が少なくなるくらいなので、負けたあとで敗因を振り返り再チャレンジすることで自分自身の成長を楽しめる。
強くなっているのは何か?武器か?ユニットか?
違う、自分自身だ。(全部です)
難易度をイージーにしたはずが、何度かプレイしているうちにやがて高難易度ミッションに挑戦するほどになった。
当然難しいけれど、その分報酬として超強力な武器や新しいユニットが手に入ったりするのだ。
ただし、ミッションの内容や登場する敵によっては最強だと思い込んでいた全く同じチーム編成が汎用的に使えないことも。奥が深い。
戦略を駆使して「俺、賢くなってる感」が嬉しい!オリジナルのミニチュアゲームにも関心が湧いてくる。
洋ゲーらしいクセの強い表現やUIもあるけれど、慣れる。
言い回しのクセも強く、原作もよく知らない。だけど、戦略と自身の成長そのものが楽しいので、ストーリーはオマケくらいの感覚でプレイしても全く問題なし。
ファイアーエムブレムやタクティクスオウガなどシミュレーションRPGが好きで、これまで色々と触れてきた。どれも忘れられない作品だったけれど、敵わない相手を目の前にした時、とりあえずレベルを上げる作業を無意識に行なっていた気がする。
じっくり考えて試して、思い描いた通りにことが進んだ時に自力で攻略した達成感、戦略の楽しさをこの40Kメカニカスで久しぶりに味わえた。
今まで私がプレイしてきたシミュレーションRPGとはいったいなんだったのか?(シミュレーションRPGですね)
そして、この40Kメカニカスをプレイしていてずっと思ったけれど、もしこのゲームと近いプレイヤー体験ができるものであれば、ミニチュアのウォーハンマーというものは相当面白いのかも知れない。
実は私の周りにもこのミニチュアゲームで遊んでいる知人がいたのだけれど、本家のテーブルトップウォーハンマー40Kもプレイしてみようかな。塗装も楽しそうだし。