スプラトゥーン3は危ない。中毒性を通り越して禁断症状が出てきている。
妻子が寝室に消えていった夜から、3分ひと勝負、もう一回だけ、もう一回だけ…を繰り返しているうちに、さっき寝たはずの妻子がいつの間にか起きてくるのだ。タイムスリップだ。
こんなものに学生の時出会わなくて良かった、自分の将来を棒に振るところだった。
今でこそ物事の分別が着いて、休みの日に徹夜で遊び、翌日小三の娘の算数の宿題だって2なのか3なのかよく分からなくなり、妻との会話も全く覚えていないという程度に収まっているが(収まっていないな)こんな生活を続けていよいよ三行半を突きつけられた日にはその原因は間違いなくスプラトゥーンだと思う。
どの程度没頭してしまうのか?説明したい。
マッチング待機中すらプレイアブル。やめ時が分からない、というか無い。
直感的に感じた2との違いは「ずっと動かしていられる」こと。
4人1組のチームに分かれてチームカラーのインクを塗りたくり、その面積の広さを競う基本の対戦モード「ナワバリバトル」では、3分間の試合後にマッチングを行うのだが、その間すら試し撃ちで自由に練習をすることができる。
試合直後の実績を受けて自分のプレイスタイルを分析し、ああでもないこうでもないと的に向かってインクをぶっかけている間にマッチングが終わって次の試合が始まってしまうというPDCAサイクルが短時間に繰り返されてしまうのだ。
例えるならば、テニスを楽しんでいる時、休憩していたら松岡修造氏がやってきて「凄いぞ!君は太陽だ」と散々褒め倒されていたら休憩時間が終わってしまうサイクルが繰り返すような感じに近い。
かつての女王シュテフィグラフ戦で観客席から聞こえる松岡修造の応援がうるさすぎて貴重なマッチポイントを落としたことでも有名な伊達公子氏も、スプラトゥーン3をプレイしていてそう語ったとか語っていないとか(語っていない)
初心者でも復帰勢でも迎え入れてくれるマルチプレイ。
過去にモンスターハンターを遊んでいて「装備くそ」といってキック(排除)されたことがあるけれど、あれは悲しかった。もうマルチプレイなんてやりたくないと思ったし、今後の装備は全て全裸で挑んでやろうかと思ったほどだ。
あ、だから見た目だけ変えられる今のモンハンで私は無意識に裸になっているのかもしれないな、今分かった。
恥ずかしいから顔は隠すけどね。
ところが、スプラトゥーンではそういったプレイヤー同士罵ったり装備やプレイについて否定されたりすることはない。もちろん裸になる必要もない。そもそもマッチングが秀逸なので、チーム全体が同レベルのメンバーで構成されるので、今日から始めたようなプレイヤーさんが入っても楽しめるような編成になるのだ。
どんなに苦手でもチームメンバーに迎え入れてもらえるし、同じチームになったメンバーとも後腐れない感じがいい。
もちろん中にはとんでもなく倒される人もいるし、逆にとんでもなく凄い人が入ってくることもある。
これといったはたらきもしていないのに圧勝に導いてくれる用心棒みたいなプレイヤーさんがいる。
これはやめられない話とは違うのだけれど、連日夜通しスプラトゥーンをしていて気づいたのは、明らかに時間帯でプレイヤーの属性が変わるということだ。
なんとあの大谷翔平氏ともマッチングできた(多分偽物)
週末のど深夜になるとプレイスタイルに協調性を感じるのに対し、夜が明けると、意味のない「カモン」を連打する煽りプレイヤーや、途中で離脱したのか通信が途絶えてしまうプレイヤーが徐々に現れ始める。
おい、けんた。散々煽って途中で抜けるのやめてくれ。
食事もトイレも睡眠も忘れる。(実質ダイエット?)
スプラトゥーン3のその中毒性は睡眠はもちろん、食事やトイレなどの日常生活にも影響を及ぼしている。
私は夜な夜なお酒とつまみをダラダラいただきながらゲームをするのが至福の瞬間ではあるのだけれど(そのために毎朝10㎞走っている)、やめ時が無さすぎるが故にスプラトゥーンのプレイ中は水一滴はおろか、ポテトチップ一枚口にすることをも忘れてしまう。
体重を減らすことは消費カロリーと摂取カロリーとの差分によるものなので、実質的にはダイエットになるとも言える。痩せたいならば、運動するか、スプラトゥーンをやるかのどちらかなのだ。(暴論)
それから汚い話で恐縮ですが、朝起きてきた妻子に膀胱に溜まりまくったおしっこが出続ける時間を測ってもらった結果、なんと3分間も出続けたのだ。庭園のししおどしじゃないんだから。
試合終了直前に倒される悲しさ。
3分も出続ける排尿に対し妻子は爆笑してくれたので、冒頭の三行半を突きつけられることは多分無さそうで安心しているけれど、スプラトゥーンで遊ぶ小さなお子さんの中には、1日のうち一人や二人は粗相してしまう子がいると踏んだ。大人の私だって、このままこの先もトイレも行かずにスプラトゥーン3をし続けたとしても、一度も粗相しない自信があるかと言われると嘘になる。もしその時が来たら、包み隠さずこの場でご報告申し上げます。
上達の可視化、表彰によって小さな成功体験が持続し、モチベーションが下がらない。
そしてスプラトゥーン3は、前作以上にプレイヤーを褒めてくれる。
正直私はスプラトゥーンが無茶苦茶上手いわけではない。むしろヘタだねと言われても反論する自信もない。コテンパンにされては「このクソゲー!超つまらん!」と、悪態をついて試合を終えると、今回のバトルで自分がどう活躍したかを表彰してくれるんですね。
確かにお前はたくさん倒された。インクを塗る場所も多くはなかった。
だけど、チームで一番敵を倒したじゃないか!自軍ホームのエリアを一番塗ったのは誰だ?そうだ、お前なんだよ。
そうか…俺、頑張るよ!とかチームへの些細な貢献と一喜一憂し、またコントローラー握っちゃうやーつである。勝っても負けても楽しいのだ。
さて、ここまでの感想はゲームの基本モードである「ナワバリバトル」のみ。楽しすぎて他のモードはほとんどやれていない。ゲームの醍醐味である装備品やスキル(ギアパワー)の付け替えといったビルドすら、ナワバリバトルを20時間ほどプレイした後で着手した。楽しすぎて怖い。
何やら物騒な書き出しになってしまったけれど、これ、子供はどハマりしてしまうと抜けられなくなりそうだな。
ゲームを散々隠されてきて、節度を持ってどうぶつの森を遊ぶ娘の父になった身としては、無理矢理ゲームを取り上げることなく何か別の関心ごとに目を向ければやがて飽きる日はやってくるものだとは思うけれど。その新しい関心ごとがスプラトゥーン4でなければ…!