ケムコ様にご紹介いただけました「Nice Disc : The Last Hot Blood(ナイスディスク:ザ ラストホットブラッド」。
ケムコと言えば、遊びやすく戦闘ド派手なオールドスクールRPG、美麗スチルのアドベンチャーを得意とする印象だったけれど、ビジュアルもシステムもカジュアルなマルチ対戦アクションとはまた毛色が違う。
が、このカジュアルさが対人間、特にゲーム慣れしていないプレイヤーにとってこれ以上ない遊びやすさと盛り上がりをもたらしてくれた。マルチプレイはこういのが楽しいのだ!
ディスクをぶつけ合って体力を削り切ったら勝ち、1画面最大4人のシンプル対戦!
NICE DISCのルールは、アヒルのキャラクターを操作してステージ上に転がるディスク(フリスビーのような円盤)を拾い相手にぶつけ、体力を奪ったら勝ち!というシンプルなもの。
これならばゲームに不慣れでも楽しめるかも、と思っていきなり妻と小学5年生の娘にコントローラーを渡してみる。
まずはマルチの基本モード、バトルロイヤルから。
なお妻と娘のゲームの腕前はというと、妻はスーパーマリオのBダッシュができず、娘は思い出した時にどうぶつの森でりんごを収穫する程度。コントローラー握らせておいて何だけど、大丈夫だろうか。
ところが私の心配を他所に二人は開始3分くらいで慣れ、ゲラゲラ笑いながらディスクをぶつけ合っている。眼前に広がる憩いのひとときである。私がまだ学生だったころ、数十年後こんな姿を思い描いていただろうか。と、そこへ30年前の私が頭に語りかけてくる。「30年後の僕、今幸せですか?」
違う、そういう話ではない。
普段はあつ森を楽しむ程度の娘の勝利。
娘の勝利である。あつ森はダッシュ移動があるので、キャラクター操作の面においては妻を上回っていた模様。しかしヘタクソ同士のプレイを見ているのは楽しい。
どれ、せっかくなので数多の高難度ゲーを嗜んできたパパも入ってみようかな、よっこいしょとコントローラーを握り、3人でプレイ再開。
これは分かりやすい。
これならどんなプレイヤーでもすぐに習得できるし、変な動きで翻弄して邪魔したらするのも楽しい。もう相手が人間なのだからナニをやってもどう動いても楽しいに決まってる。
制限時間いっぱいでドローだった場合はサドンデスへ。サドンデスは先手一撃で勝負ありなので、ゲーム慣れしていないプレイヤーにも十分チャンスがある。
先にシンプルと申しておきながらいきなり手のひらを返すけれど、ディスクは上下斜めにも撃てたり、ショットや回避の種類を自分でカスタマイズしたりできるので、慣れてくればテクニカルな操作も可能。
「ナイスディスクラン」での対戦は、バトルロイヤルとは全く違う横スクロールの競争!
バトルロイヤルの他に、より早くゴールに辿り着けば勝利、 1対1の対戦モード「ナイスディスクラン」がある。
画面は上下に2分割され、プレイヤー同士どちらが先にゴールへ到着できるかを競う横スクロールアクション。
画面が斜めになったり、途中スピードアップアイテムを取ったり、相手をDISCを相手にぶつけて妨害したりしながらステージを進んでいく。
先のバトルロイヤルモードであっという間に操作に慣れた娘が、ゲーム音痴の妻にゲーム内容の説明をしている。
それほどゲームは分かりやすいのだけれど、本人もすっかりお姉さん気取りだ。
最近娘は外から帰ってきた私に麦茶を出してくれたり、食器の洗い物から洗濯物の片付けまで積極的に手伝ったりするようになった。女の子というのは5年生にもなると頼もしくなるものだ。かつて公園で粗相してしまった娘を抱きかかえTシャツをビショビショにしながら帰ったり、体験入会した公文教室でしてしまった粗相を謝りながら雑巾掛けしたりしたものだ。この子から何か施しを得ることは一生あるまい、それはそれで父親の役目だ。ずっとそう思っていた。けれど、いつの間にか大人になったのだね。パパ感慨深いよ。
などと物思いに耽っていたらBダッシュもできないはずの妻が、今度は容赦なく娘を打ち負かしていた。
ちょっと手加減しなさいよ。
つい数分前まで鼻息荒く妻に説明していた面子を潰された形でムキになる娘。次の勝負でも、そのまた次の勝負でも容赦なく勝つ妻。天丼状態。
単純に先に走るだけではなく、いつどのタイミングで相手にディスクをぶつけるか…みたいな駆け引きが大事なのだ。ここは社会経験豊富な妻に軍配が上がった。
ナニコレ、これスッゲー楽しい。
ストーリー(ソロ)モードは、ベルトスクロールアクション風!
思わずマルチプレイメインのように語ってしまったけれど、ソロでも楽しめるストーリーモードはベルトスクロールアクション風。
障害物や敵キャラを交わしながら進む横スクロールステージ、ボス戦のみのステージなど、全16ステージをクリアしていくことでショットやアクションがアンロックされていく。
しかもマルチプレイで二人同時プレイも可能。
武器が飛び道具なだけに、魂斗羅とガンスターヒーローズっぽさもある。1画面の協力プレイはやっぱり楽しい。
難易度はノーマル、ハード、そしてアルティメットと3パターン。アルティメットだからとやる気を削がれるほど極端な難易度ではなく、アチーブメント「おみやげ」集めも頑張れるくらいにバランスが良好に取られている。
近いゲームはスマブラ…と思いきや、昭和のあの友情崩壊系パーティーアクションかも!
このNICE DISCを何か既存のタイトルで近いものはあるのか?
敢えて上げるとすれば、画面の見え方としては1つの画面で4人まで同時対戦ができるスマッシュブラザーズは遠からず。
我が家もスマブラを家族で遊んでみたことはある。しかしながら、その複雑な操作をBダッシュのできない妻とあつ森好きの娘が楽しめるはずもなく、結局稀に私がフレンドと対戦する時に動かすだけのゲームになってしまった。
当サイトメンバーO君は大学生時代にスマブラのサークル(そんなものがあるのか)に入っていたような男なのだが、彼が「スマブラは格ゲー。もはや初心者が触れられないゲーム」と語っていた。
けれど、このNICE DISCはスマブラのように複雑怪奇な操作やシステムではなく、ゲーム慣れしていない妻子がわずか3分で操作とルールを理解できた。そして、二人が叫びながらプレイするのを見ていて思い出したゲームがある。
くにおくんだ!
昭和世代は一度は目にしたであろう、くにおくんシリーズ。友情崩壊系パーティーゲームの金字塔である。私も小学生の時に友達の家に集まって「大運動会」をやったものだが、途中勝ち目の無くなった友達がコントローラーを放り投げたのをきっかけに友達同士が絶好したことがある。
その時私は部屋に転がっていたジャンプを読んでいたのだが、泣きながら帰った友達を目を丸くして見ていた。あの後友達同士どう決着が着いたのか覚えていない。社交性を体で学んだ瞬間だ。
マルチはこれでいい、これがいい。NICE DISCはワンコインでゲラゲラ笑いながら楽しめる!
友情が崩壊する危険性も孕んでいるが、NICE DISCは本体一つあれば二人で遊べるSwitchと相性が抜群に良いゲームと言える。
友人、ファミリーをお招きする際にダウンロードして交代しながら遊べばゲラゲラ笑いながら楽しめそう。ワンコインでパッと遊べるのも嬉しい。
先述の通り、結局ゲームというのは人と遊ぶのが一番楽しい。モンハンだろうがトランプだろうが、そこに駆け引きが入ると一気にゲームの面白さが増す。
複雑怪奇な操作はどうしても楽しめないプレイヤーも出てくるけれど、NICE DISCは子供でも慣れていないプレイヤーでもすぐに覚えて楽しめる。
ちょうどもうすぐ家族ぐるみで親しくしている友人が遊びに来るので、ちびっ子たちに遊ばせてみよう。(大喧嘩するかな…ドキドキ)
Nice Disc : The Last Hot Blood ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)