当サイトでは時々怪しいガジェットに手を出してしまい、ご覧いただいている方の不安を誘うことがあります。申し訳ないことです。本当はPS4とかSwitchのゲームとかをご紹介したいのですが、今日は今日とて変なモノを。それは「レトロゲームが遊べるゲームボーイっぽいスマホケース」。
iPhoneやAndroid各種端末に対応したケースですが、背面には液晶画面とボタン、そしてスピーカーまで着いていて、なんと「レトロゲーム」が36タイトルも遊べてしまうのだそうな。敢えてタイトル名は伏せているつもりですが、ECサイトの商品ページにははっきりとファミコンっぽいお馴染みのゲーム画面が。最近ついに取締りが強化され、転売業者に逮捕者も。「これ、良いのかなあ」と興味本位でポチった矢先に入ってきたニュースに注文してから無事到着するのか不安でしたが、我が家にやってきてしまいました。
「レトロゲーム」ができるスマホケース「Game phone case」が到着。
Amazonで注文してみると、到着までの日数は注文から20〜30日。(やっぱり)中国からの郵送だったので気長に待っていたら、予定日よりも前倒しで到着。心の準備ができていない。
荒波を越え、海を渡ってきた感のある包み。
届いてはみたけれど、そもそも商品名が分からない。
Amazonでの商品名は「カラー画面のゲームコンソールの電話ケース」とか商品名と言うよりは紹介の胡散臭い文言。到着したパッケージを見てみると「Game phone case」と記載があるので、おそらくこれが正式名称なんだと思います。
あと、このケースをiphoneに装着するのが異様に固い。サイズ間違えたんじゃないか?というほど固い。5分くらい粘って軽く息切れ。いつかスマホケースを替える時、同じパワーを求められたのならば、ごめんなさい、iphoneをへし折る前にケースを意図的に破壊して外すかもしれないです。やっとのことで194gのiPhone11にケースをはめると、その総重量は262g、なかなかの重量感。どのくらいの重量感かはすいません、例えようがないので、スーパーで同等のお肉を手にとってみると良いかもしれないけれど、とにかくずしっとした印象。
ケースも充電が必要なので、凄く手間のかかる子みたいな絵面になりました。
重くはなったけれど、素材は思いの外しっかりしているので、ケースとしての強度はなかなか強そう。思わずスルッと床に落としてしまっても、この硬さならばスマホは守ってくれそうな予感。仮に画面側から落下しても、ケースに厚みがあるので平らな地面との接着も無さそう。ケースの液晶強度は知らんけど。
収録タイトル36本の中身は?
ケースの「ON/OFF」ボタン長押しで起動。OSの言語設定は中国語と英語のみ。本商品に収録されている36タイトルはこちら。
・スーパー魂斗羅
・スーパーマリオブラザーズ
・テトリス
・ボンバーマン
・バルーンファイト
・ドンキーコング
・エキサイトバイク
・ギャラガ
・スパルタンX
・アルカノイド
・五目ならべ
・麻雀
・アイスクライマー
・パックマン
・マリオブラザーズ
・テニス
・サーカスチャーリー
・プーヤン
・バトルシティ
・F1
・ピンボール
・サッカー
・ロードランナー
・ナッツ&ミルク
・ハイパーオリンピック
・1942
・超時空要塞マクロス
・スターフォース
・ロードファイター
・バドミントン
・スカイデストロイヤー
・マイティボンジャック
・中国象棋シャンチー
・アーバンチャンピオン
・マッピー
・ペンギンくんWARS
サムネイル画像が3Dマリオのくせに起動したらマリオブラザーズだったり、サーカスチャーリーはなんだかキモいピエロだったり、麻雀は出もしないセクシーなお姉ちゃんだったり、全体的にかなりアバウトではあるけれど、収録タイトルは初期のものを中心に名作が多め。
いやしかしどう見ても著作権的にマズいので、まさかオリジナルがそのまま収録されているはずは無いでしょう?と思い起動してびっくり仰天。
はい、モノホンのマリオですね
うん、これはどこからどう見てもオリジナルのゲーム。逃げも隠れもしておりません。
ゲームができるケースの使い心地は?
このケースの操作性はどうなのか?
実際に使ってみると、なんとABボタンが逆。PS5の○、×ボタンが世界基準に合わせて決定、キャンセルを逆にしたことが取り沙汰されている昨今ですが、そんなレベルではなく。シンプルに違和感がある。
収録されているスーマリが典型例で、Bダッシュがしにくい。これまで右手親指の指先でBを押しながら指の腹でジャンプしていた操作が逆になるわけです。Bダッシュをしようとすると飛び上がり、ジャンプしようとするとファイアーを放つという心と体の均衡が崩れていく感じ。スーマリはなんやかんやで1~2年に一度は誰かと遊ぶ機会のある国民的ゲーム故に、これで慣れてしまうと後々辛そう。
さらに、スタートとセレクトボタンの配置も逆…と思ったら、セレクトボタンじゃなくて音量を段階的に切り替える「SOUND」ボタンだった。つまり、セレクトボタンが無い。セレクトボタンを使うゲームは必然的にちゃんと遊べないということか。結構いい加減だな。
結論:技術、話のネタとしては面白い!が、オリジナルのゲームで遊ぶには不満。
結論として、スマホの背面で物理ボタンを使ってゲームをするという発想は面白い。なんだかゲゲゲの鬼太郎の妖怪「二口女」みたいなプロダクトである。
しかも思った以上に薄くてボタンの押し心地も決して悪くはない。(ボタンが逆というのは置いておいて)だけど、これはコピーじゃありませんよとでも言いたいのか、ゲーム内ではメーカーの表記を消してみたり、capcomの文字をcapcoに変えたり、ボンバーマンのタイトルを「BOOM MAN」にしてみたり、ところどころ悪質な加工が。
ゲームをちゃんと楽しむのであれば、そもそもボタンの数が足りていないこのケースで遊ぶと不満や違和感があります。
話のネタとしては面白いのと、ケースとしての強度はまずまず良い感じなので、こんなユニークな技術があるのならもっとクリーンに活用すれば良いのに!収録タイトルが完全オリジナルだったらまだ可愛げがあったのにね。とはいえ、初めて見る方と話のタネになりそうなので、しばらく着けてみようと思います。