作業ゲーが好きです。
もちろん考えるゲームも好きなのですが「考える事を放棄したゲームなんてゲームじゃない!」なんて言われたりすることもあるわけです、確かに考えて攻略するのはゲームの醍醐味、これは納得です。でもコツコツと努力した事にたいしてきちんと報酬をくれるそんな作業ゲーも私は大好きなのです。
そんな折、隠れ名作と名高いPSP「ジルオール インフィニット」が、なんと300円という、血の滲む思いで作り上げたメーカーが激怒しそうな価格で売っていたため、プレイしてみることにしました。
本作目にする機会は多かったのですが、「作業ゲー」「おつかいゲー」と揶揄される一面もあったため見くびっていたのですが、実際に遊んでみるとその印象が一変したのでご紹介です。
私と同様「ああきっとよくあるお遣いRPGだろう。」と軽んじている方もいらっしゃると思います。こんな人にオススメ!というポイントをいくつか書かせていただきます。
作業ゲーも嫌いじゃない!
先述の通り、作業ゲーは実際結構楽しかったりします。考え抜いて答えを導き出すのもゲームの醍醐味ならば、努力の対価として報酬を貰える喜びもまた然り。
本ゲームはワールドマップ上の街やダンジョンを移動しながら、各街や村にある「ギルド」で提示された仕事の依頼を受けて遂行することで報酬を獲得する流れを繰り返します。作業的な依頼遂行の中でさまざまな出来事が発生し、たくさんの人物と出会うことになります。
結果的に街から街への往来を繰り返すことになりまさに「お遣い」ではあるものの、獲得できる報酬として経験値やお金の他にソウルという素質の元となるポイントを得ることができ、パーティーメンバーを強化することができます。単調でありながら確実に強くなっていくので、やり応え、やり込み度合いは強いです。
たくさんの仲間を見つけるのが好き!
仲間が多いというのはそれだけでなんだかワクワクしますが、本作にはその仲間が総勢30人近くも存在します。どのキャラクターにも細かく深いドラマが設定されていて、主人公の進めるストーリーに絡み合ってきます。同じキャラクターであっても状況や立場、主人公との親密度によってその態度や言い回しも変わってくるため、よりキャラクターが生き生きと表現されています。
各キャラクターのドラマに、取って付けたようなお座なり感はありません
交流を深めていくことで自分の弱さや生い立ちをさらけ出したり、それによって背景となる歴史が明らかにされたり、主人公の行動によって悪役キャラクターが少しずつその言動を変化させていったりと、登場するキャラクターの人間味がなんとも愛おしく感じられます。
エンディングは50種類!自分のペースでシナリオを進めたい!
本作は主人公のその時の行動、選択によって物語が変化していくフリーシナリオ型RPGです。人々を助けて英雄になるもよし、逆に英雄とは反する行動をするもよし、対立する勢力にはどちらに加担するもよし、それによって仲間になるメンバーやシナリオが変化し、仲間だけではなくNPCを含むキャラクター毎に設定された好感度によってもエンディングが変化していきます。
またクリア後の周回プレイも可能なので、二週目以降で序盤から難易度の高い依頼を受けまくったり、一周目とは違った大胆な進め方や色々なストーリー展開をを楽しむことができます。
仲間をコツコツ育てていくのが好き!
システム上どうしても「お遣い」ゲーと呼ばれがちですが、そのお遣いをこなすことで得られる「ソウルパラメータ」を「優しさ」「勇敢さ」「野生」などのパラメータに割り振ることで「ソウル」が開花します。開花したソウルによって覚えられるスキルが存在し、これに「スキルポイント」を割り振ることで新たなスキルを覚えることができます。またソウルを宿すことで、レベルアップ時の成長パラメータにも変化が現れます。
さらに経験値やスキルポイントの他に「精霊ポイント」と呼ばれる属性の資質のようなパラメータがあり、それぞれの組み合わせで使える技が増えたりその効果が高まったりと、成長のバリエーションは豊富です。
こういった多彩な成長の組み合わせからキャラクターのイメージに反するような自由な成長のさせ方もでき、例えば魔法少女風の小さな女の子をバキバキの肉弾戦キャラに育て上げる事も可能です。
こんなゲームが好きな人にもオススメ!
本作の魅力は「育成」「自由なシナリオ」「キャラの多さ」これに尽きると思います。
先に記述いたしましたが、たくさんの仲間と出会える喜びで言えば「クロノクロス」、仲間の数108人の「幻想水滸伝」、地域を巡って仲間を探す意味では「タクティクスオウガ」等が近いかもしれません。また「ロマンシング・サガ」にもシナリオの自由度という意味では似た楽しみ方を感じられました。
自由度の高い育成要素について、職業を変えて獲得したポイントを割り振ってスキルを習得したりするシステムは「ドラクエ8」なんかに近いかもしれません。(世界観、テイストはだいぶ違いますが)
ただし引き合いに出すとどっちが面白い!つまらない、という寂しい気持ちになってしまうので、あくまで「強いて言えば…」の主観でございます、ご参考までに。