スターオーシャン2(セカンドストーリー)R、あっという間にクリア。
素晴らしいリメイクだった。というよりもスクウェアエニックスがこれまで送り出してきた中でも最高のリメイク作品だった。
プレイステーション版のオリジナル、PSPの移植版を渡り歩いた身としてぜひ当時のファンに勧めたく、その魅力について説明したく。
快適すぎる。無駄が徹底的に排除され、50時間だったクリア時間は20時間に。
クリア時間は20時間ほど。
当時オリジナル版のクリアまでに50時間ほど費やしたことを考えると、爆速である。さらに本作には様々な追加機能が備わっている。にも関わらず時間が半分も短縮できたのは、あらゆる面で徹底的に効率化されていたからだ。
重要ではない(と、勝手に思っている)イベントは倍速、スキップも可能。これもストーリーは既に知っていて、いち早くオリジナルとの違いを楽しみたいプレイヤーにはありがたい。
様々な武器やアイテムを生成する本作に無くてはならない機能、アイテムクリエイションも便利に。
しかしこのIC、オリジナル版は本当に時間をかけた。何に時間をかけたかって言えば、ひとつひとつ作って失敗してはロード、目的のアイテムができなかったらまたロード…この繰り返しに尽きる。あまりにもロードに時間をかけ過ぎて、最終的にはロードの操作に慣れ過ぎてしまい、希望のアイテムがやっと完成した時にセーブするつもりが反射的にロードしてしまう人もいたのではないだろうか。私のように。
その確率で遊ぶのもまたゲームの楽しさではあるのだけれど、本作では一気に10個生成し、成功率も見直されている印象。
また一度作成したアイテムは作成リストに記載され「アイテムの組み合わせで何ができるのだっけ…?」なんて思い出したり、攻略サイトを行ったり来たりする必要も無くなった。
そして何といっても、今回導入されたファストトラベルがとにかく有能。
基本いつでもどこへでも瞬時に移動できる。
その行き先は入り口だけではなく、建物内外や途中のセーブポイントなどへも移動可能。
例えば洞窟の奥深くから、町の中にある闘技場受付にまで一瞬で移動することもできてしまうのだ。
これまではエンカウントに怯えながら来た道を戻り、トボトボとフィールドを歩いて船を渡っていたことを考えるといったいどれほど時間を無駄にしてきたことか。その煩わしさすら冒険の楽しみだよねという風来坊みたいな人もいるのかもしれないけれど。
それでいて、ジオラマっぽい造形に作り直されたフィールドや町中はそれなりに広かったりするので、スケールの大きな冒険をしている気分になる。
たくさんの新要素が、オリジナルの邪魔になっていない。
本作にはオリジナルには無い新機能が多数実装されている。
たとえば釣り。
フィールドやダンジョンにある水辺で釣りをすることができ、エリアによって釣れる魚が違う。
いっさいプレイせずとも本編には全く影響は無いのだけれど、この魚を集めたり交換したりすることで、魚コレクターである釣り少女「リール」から貴重なアイテムなどの報酬を貰える。
ちなみにこのリールが居るハーリーの町にはゲーム後半戻れなくなってしまうが、彼女はラクアの町に移動しているのでご安心を。
続いて戦闘の新たなシステムとしてボーナススフィアがある。
敵がドロップするスフィアを貯め、ゲージが一定に達すると、経験値アップやステータスアップなどの恩恵を3段階で受けることができる。バックアタックやブレイクを受けることでリセットされてしまうが、プレイヤーに有利な状態でバトルに挑めたり、より効率的に経験値や資金を稼ぐことができるようになる。
続いてアサルト。
過去作の主人公たちや控えの仲間を十字キーにアサイン、敵に攻撃を与えるなどしてゲージを貯め、戦闘中に呼び出して攻撃を繋ぐことができる。
コンボ稼ぎ程度にしか使えていないけれど、これはボスをも凌ぐような強敵相手にコンボや連撃を稼ぐためまだまだ活用方法がありそう。
最後はファクター。
武器、防具、アクセサリーに付与された追加効果で、ステータスを上げたり特定の条件で様々な効果が発動したりといったハクスラ的な要素。
組み合わせ次第で様々な恩恵をもたらしてくれるので奥が深く、様々な最強の組み合わせが論じられそう。
もはや別ゲーとも思えるほど大きく影響を及ぼす機能が備わったが、オリジナルのゲームバランスを期待していた身として邪魔になるかと思ったら全くそうではなかった。
スターオーシャンの魅力「ぶっ壊すバランス」の幅が広がった!
さて、ここまで散々語っておいて、改めてスターオーシャンシリーズの魅力とは何か?
SFと中世ヨーロッパを融合させた世界観か、やり込み度合いか?
そういう意見をお持ちの方がいらっしゃったら、どれも強く賛成する。ぎゅっと握手をしたい。
けれど、私にとってスターオーシャンシリーズの一番の魅力は、プレイヤーの好きなようにバランスをぶっ壊せること。
ストーリーに沿って行く先々の町で装備品を調達し、今あるスキルとの組み合わせ工夫しながら強敵を倒すもよし、序盤からアイテムクリエイションでぶっ壊れ武器を作り上げてもよし。
そしてこのリメイクもその精神がしっかりと受け継がれている。
受け継がれているどころか、これまでは辿り着いた町にあるギルドで購入できていたスキルは最初から揃っているため、オリジナルよりも早くバランスをぶっ壊すことができるようになった。(スキルギルドは条件を達成させることで報酬が貰えるというサブクエ的コンテンツになった)
超序盤からメキメキとスキルを強化し、いきなり最強の武器を振り回すことに成功。あとはもうそうそうこんな話だったよねとさめざめ泣くようなストーリーを追いかけるのみだ。
また戦闘はシンボルエンカウントに。これによって、決定ボタンでもパッドで連射させておきさえすれば集まった敵を自動で倒し、放置しながら経験値、SP、BP稼ぎなんてことも可能。つまり装備品だけではなく、メキメキレベルやステータスを上げることができるようになってしまったわけだ。というかこんな私のようなズボラな人間が出てくることくらい作り手側も分かってて作っているに違いない。「お好きにどうぞ。まあレベルを上げたところでそれ以上の敵を出すけどね…。」みたいな余裕すら感じる。怖いぞ。
新しいのに懐かしい。便利機能、新機能がたっぷり実装されつつも、これはあの時のスターオーシャン2だ!
改めて、スターオーシャン2Rはここ数ヶ月で最高のリメイク作品、いやリメイク抜きにしても最高の作品だった。
ゲーム単体としての面白さはもちろんのこと、グラフィックも作り直して追加機能を大胆に取り入れたにも関わらず、ゲーム体験としてはあのどハマりしたスターオーシャン2そのものだった。新しいのに懐かしい。
ちなみに私は持ち運びができるSwitch版を買った。PSP以来の寝転がってプレイできるスターオーシャン2。おかげでトロフィーは無いけれど、やり込み度合いの指標となるデータベース実績なんかもあって、Switchユーザーにはありがたい。
まだ倒していないお馴染みの裏ボス、ファクター、そしてシリーズで待ちに待ったデータ引き継ぎ周回プレイなどやり込み要素もまだまだ控えているけれど、この快適さならサクサクやり込めそう。裏を返せば、サクサク強化できる反面それ以上に強いであろう裏ボスの強さにドキドキしているけどね…!
PSでやったけど神リメイクだった。素晴らしい。