今でも3DSで遊んでいる。時々持ち運んでみるものの新宿ですらめっきりすれちがい通信ができなくなったところを見ると、おそらく日本で3DSを動かしているのは自分くらいなのだろうとすら思える。孤独だ。孤独だけど楽しい。
そんなNew 3DS LLのAボタンの効きが最近悪いのだ。
「New 3DSも部品の在庫が無くなり次第修理対象から外すよ」と、任天堂が公式に発表したばかりだというのに、困った。
しかも私の3DS、偽トロキャプチャなる映像を外部出力する改造を施しているのだった。任天堂に依頼でもしようものなら大目玉をくらい、最悪垢BANされたらどうしよう。
ということで、非公式の修理サービスへ持ち込んでみることにしました。
八王子にある「スマホホスピタル」へ。
今回依頼したのは「スマホホスピタル」八王子店。
名前の通り、主にスマートフォンの修理などをしてくれるサービスではあるものの、3DSやSwitchなどゲーム機の修理も対応してくれる模様。任天堂の公式サポート対象から3DSが外れ、お世話になることもありそう。
Webで事前に予約をし、我が街調布からアクセスしやすい八王子駅へ向かうことに。
八王子、でかいな。
普段の生活でほとんど縁が無い街だけれど、さすが多摩地区のターミナル駅だけあって駅ビルもデカけりゃ周辺の建物もデカい。
完全なお上りさん状態でビル群を見上げていたが、いかん、今回訪れたのは3DSの修理だった。
スマホホスピタルを探すと、そこは雑居ビルの一室にあった。
朝の9時から営業しているようで、スマホが壊れて困ってしまった八王子のビジネスパーソンにも有難い存在と言えよう。
カウンターのすぐ先にある作業場から出てきてくれたスタッフの方に、3DSの症状と、偽トロの改造を施してあることを伝える。
「改造がなされていると取り外しができなかったり壊れるリスクが高いので、そうなるともう修理はできなくなってしまいます。まずは分解を行なってみて修理出来そうかどうかを判断する形になります」
つまり、配線や構造など改造の物理的な状態次第では修理どころか再度組み立てることすらできなくなる可能性があるということか、そりゃそうだ。
物理的な懸念は覚悟するとして、もうひとつ気になるのはデータ。
この3DSには200本近くものゲームをダウンロードしてある。保存先はmicroSDではあるが、仮に何かの拍子にデータが消えたりなんかしてしまったら、ボタンは効いても遊ぶゲームが無くなってしまう。
「正確なことをお伝えすると、分解によって端末が起動しなくなるリスクはございます。精密機械ですので、正直何が起こるかは分からないんです。もしかしたら分解した時点で壊れてしまう可能性もあり、絶対に消えません、という補償ができかねます」
恐怖!
通常特に何も問題なく修理が終われば、基本的にデータはそのまま残るけれども補償はできない。また、修理の過程で他に不具合が生じる可能性もある。そう念を押されるが、ここまで来たのだ、アンタを信じるよ!
腹を括り、注意書きに署名。
修理時間は30〜45分程度ということで、3DSを預けてスマホホスピタルを後に。
八王子の街で時間を潰し、30分後に修理完了の連絡が!
しかしながら、土曜日の朝9:30なんてどの店もやっていない。マックかスタバくらいだ。仕方がないのでスタバを覗くと10時前というのに既に満席。嘘だろう。
ダブルシートでジャージとスウェット姿のカップルがイチャイチャしていたり、パソコンでYouTubeを観ている人がいたりと八王子の洗礼を受ける。
すると、ビックカメラで行列が。
何の行列だ?なんかよく分からないけれど、俺も並んでみようかな。
と、反射的に並んでしまう。暇だし。整列したまま川に入って全員溺れ死んでしまうアホな動物レミングの習性である。
そこに一人のご婦人が歩いてきた。「何を並んでいるの?」とか俺に聞かれたらどうしよう。実は何の行列か知らないなんて言えないぞ。と思っていたら不安は的中!
「何を並んでいるんですか?」
「あ、あの、ちょっと趣味で…エヘヘ」とかモゴモゴしながら答えた。周りの買い物客にチラ見される。やめろ、恥ずかしいわ。そしてご婦人は隣にあるサーティーワンに消えていった。
気がついたら私の後ろにも行列が続いてしまった、もう後戻りはできない。俺は何をしにきたんだっけ?ビックカメラに並びに来たのだ。何のために?知らん!
行列の先に何が待ち受けているかも知らず、流れに飲み込まれながら行き着いた先はプラモデルのフロアだった。どうやら本日発売のゲルググメナース(ルナマリア・ホーク専用機)というものが皆さんお目当てだったらしい。
プラモデルのコーナーに到着するやいなや、前後の買い物客が一目散にゲルググに殺到する中、私は脇に逸れて手持ち無沙汰な感じでSDガンダムのプラモデルを眺めていたら、何をしに来たのだこいつはという目で見られた。まあそう見なさんな、競争相手が一人減ってよかったね。
とか思いながらプラプラしていたところ、一件の電話が。
「お待たせしました、修理の方が完了しました〜」
思い出した、スマホホスピタルにNew 3DS LLを修理に出したのだった!
改造済みNew3DS LL、無事修理完了!
完了。
ということは、私のNew3DS LLは直ったのか?ひょっとしたら分解が完了したけれど、結果としてぶっ壊れてしまった可能性も否定できない。復旧できない可能性について散々釘を刺されてきたのだ。
産まれた我が子を一目見るような気持ちで再びスマホホスピタルへ到着。
そこには預けていた時と同じ姿のNew 3DS LLが!
我が子よ!
本体の脇には何かの部品と思われる金属片のようなものが。
「動作確認を行わせていただいたのですが…」
ですが…?
ダメだったということか!
「Wi-Fiのチェックだけ行なっていない状態でして…。改造がされているとWi-Fi繋いでしまうと端末BANということもあるので一応Wi-Fiはつ何でいない状態で確認させていただきました」
何だよ!脅かすなよ!プロか!!むしろ細やかな配慮ありがとうございます!!
「他は特に問題なく使えている状態だったので、そこはご了承ください」
ご了承も何でもするさ、ありがとうございます!
ボタンの押し心地も良好。
原因は、山なりになっているボタンの接着点の部品が経年劣化により平らになってしまい、反応が悪くなってしまっていたとのこと。
価格は税込3,980円也。部品の値段だけで言えば決して安くはない値段ではあるが、やはり知見のあるプロの安心感だったり、公式サポート終了後も同じ現象であれば修理可能(な可能性がある)ということが分かっただけでも価値はあった。
公式の修理サポート終了後、無事3DSが直りました。
ということで無事データはそのまま、偽トロの機能も何の問題もなく使える状態で改造済み3DSもばっちり修理は完了。今後も3DSのゲーム画面を綺麗な状態でお届けできればと。
ボタンの効きが良い。買った時のようなプチプチ感、押し心地である。スタッフの方もとても丁寧に対応してくださった。
偽トロも問題なく動作!
他のボタンも今後使っていく中で同様に劣化する可能性もあるらしいが、同じ症状であればまた修理はできそう。
ありがとうスマホホスピタル!大事に使おう。