ファミコン世代のみなさま、仕事に育児に忙しい毎日をお過ごしかと思います。かく言う私も仕事から帰ってからゆっくり夕食をと考えると、ジャングルジムよろしく食事中の私の顔に娘がよじ登ってくる始末。ゆっくりできる時間は妻子が寝静まった深夜が自由時間でございます。大人になるって大変。
さてそんな忙しいファミっ子世代の我々ですが、限られた自由時間に有難い機能がレトロフリークの「倍速プレイ(オーバークロック機能)」です。特にレベル上げや資金稼ぎを強いられる昔のRPGにおいてこの機能は大変重宝するわけですが、実際どの程度時間が短縮できるのか、4倍速で試してみました。プレイするタイトルはファミコンのRPGで最も評価が高いと言われている「ドラゴンクエスト3~そして伝説へ~」です。
※前提条件として、クイックセーブ・ロード機能や裏技、チートコードを使ったスピードクリアではなく、純粋にスピードを早める方法にて検証します。
通常の速度でドラクエ3を1時間プレイすると…
さてこのファミコンのドラクエ3、30~40代で一度も触ったことが無いという方はおそらくいないのではないでしょうか。インターネットで見てみると、ドラクエ3のクリア時間はおおよそ30~40時間程度。どこかのネットタレントが「ドラクエ3をクリアするまで寝ない」という過酷な企画をやっていたようなのですが、28時間を越えたあたりでギブアップ、未達に終わったようです。
実際に1時間プレイするとどのあたりまで進むのか?過去に私がやった限りでは、最初のエリアであるアリアハンを出てロマリアへ到着したあたり、レベルにして7前後でした。
それでは早速4倍速でプレイ開始です。
開始からたった10分でレベルは5前後までアップ
まずは主人公には適当に名前を付けます。続いて自宅からスタートし、王様に謁見するあのオープニングはさすが4倍速、数十秒であっという間に終了です。
移動も早い早い!
その後1分もかからないうちにルイーダの店でパーティーを組みます。魔法をこちょこちょ選ばない、多少乱暴なプレイになることを見越して、戦士、僧侶、武闘家というパワー型のパーティーを編成。4倍速になると名前を決める際のカーソル当てに苦戦し、まさかのタイムロス。思わぬ落とし穴がありつつもどうにかパーティー編成を終了。開始からおよそ3分です。
「ああああ」でもよかったんじゃないか
まずはアリアハンの城周辺でレベル上げに勤しみます。一度の戦闘はわずか5秒程度で終了、これぞ倍速プレイの醍醐味というやつです。気がつけば敵を倒して戦闘が終了しています。
超高速戦闘!
高速過ぎてカーソルがなかなか合わず戦闘では細やかな行動ができず、当初の想像通り「たたかう」一辺倒。魔法使いなどを入れたパーティーでは不向きかもしれません。基本的には肉弾戦で一体ずつ倒す始末。同時に気がつけば受けるダメージも加算しているため、あっという間にメンバーが倒されてしまうこともしばしば。これは危険です。戦闘終了後の回復(薬草やホイミ)もついつい横着してしまい、宿屋(自宅)や教会を往復することに。結果的に効率的な行動ができていないことに気づきます。
それにしても倍速プレイはカーソルが合わない合わない。
それでも動きについては間違いなくチョッパヤなので、体感的には恐ろしく早くレベルが上がる印象です。開始から10分経過したパーティーの強さはこちら。
レベルは4〜5
わずか10分でパーティーの平均レベルは約4〜5に。特にファミコン時代のドラクエはレベルによる成長の依存度合いが高いため、この時間でこのレベルはかなりスピーディーと言えます。
とはいうものの、この辺りで一度の戦闘で得られる経験値はわずか一桁台。そろそろアリアハン周辺では物足りないレベルになってきたため、アリアハンでどうのつるぎやかわのたてなどを雑に揃えてから次の町「レーベ」へ。
高速化によって、プレイは雑に…
次の町「レーベ」へ到着すると周辺に出現する敵も強くなり、これまでのスライム、おおがらすからいっかくうさぎ、おおありくい等の敵に代わっていきます。それにしてもこの時代のゲームって、雑魚敵であってもエリアを進んだ時に出現する初見の敵への恐怖感たるや。
さすがに敵もちょっと強力に
ところが周辺の敵に対してこちらのレベルは十分なため、恐るるに足りず。続いて村周辺で5分程度同じく高速でレベルを上げた後にダンジョン「ナジミの塔」へ向かうことに。
村でも雑に装備を揃えていたせいか、塔の敵もさほど苦戦せず。これは楽勝。と思いきや、道中バブルスライムから毒の洗礼を受けることに。
しまった、毒消し草を忘れた!
なんと毒を受けたものの回復させる「どくけしそう」もなければ未だにキアリーだって覚えていない。万事休すと思った時に塔の最上階へ到着!どうにか「とうぞくのかぎ」を獲得、セーフ!この時点で20分経過です。進行度合いは、通常の非倍速プレイと比べると体感的にもやはり早く感じます。
毒危険過ぎる!
やくそうやホイミで凌ぎながらどうにか塔から無事脱出し、急いで教会で毒の治療をします。シナリオは熟知しているので、その後迷うことなくレーベの村で「まほうのたま」を獲得。これでアリアハンの大陸を脱出し、いよいよロマリアへ。そのまま「いざないの洞窟」へ。
まほうのたまで壁をぶち破る
ドラクエはダンジョンが長くて回復のすべが限られているので、いざないの洞窟へ入ると途端に不安になります。しかもこのあたりに出てくる敵は、結構な確率で眠らせてくるアルミラージや、呪文メラで大きめのダメージを与えてくるまほうつかい、やたら固いキャタピラー等が登場するので、一気に敵が強くなります。その上こちらは倍速プレイなので、呪文等で最適な行動を取ることができず、バタバタとやられていきます。
ボコボコにされ重傷!
これは全滅覚悟でレーベ周辺へ戻り、レベル上げをした方が良いのか?と腹をくくった直後、いざないの洞窟の出口を発見!既にパーティーは壊滅状態でかろうじて武闘家が生き残っている状態です。ほこらを出ると、ロマリアが見えました!残り数歩で到着、敵よ出てこないでくれ!
この時点でちょうど倍速プレイ開始から30分です。
城へたどり着くまでの数歩で敵に遭遇しないかヒヤヒヤ
プレイから30分でアリアハンを抜けロマリアへ
4倍速プレイで開始から30分で、最初のエリアであるアリアハンを抜けて次の大陸へ到着。通常プレイでは1時間ちょっとでたどり着くするロマリアまで進めることができました。4倍速プレイでありながらその進行は約2倍。上述の通り、プレイが乱暴になりがちで行動は非効率的。移動に関しても動きが早過ぎるため意図したマスへ進んだり、カーソルを合わせたりすることに手こずってしまい、知らず知らずのうちに無駄な動きをしているため、これは納得のスピード感です。
ステータスはこちら。パーティーのレベル平均は7〜8あたり。
それでも倍速プレイは間違いなく進行が早いのもまた事実。少しずつとはいえ倍速の動きに目も慣れてきたので、このまま引き続き残り30分プレイを続行します。あっという間にダーマの神殿で転職できる状態になっているかも?
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