長い年月を経て洗練されてきたゲーム文化ですが、ひと昔前のゲームには「今遊んでも楽しいゲーム」なんてものがあります。技術の進歩やトレンドに左右されないオリジナル要素溢れる素晴らしい名作たち。でも時々思うわけです。
「ホントにぃ~?都合良すぎるんじゃないの〜?」
さて、あの名作RPG「メタルマックス」がPS4に帰ってきます。
ファミコンの中〜後期当時彗星の如く現れたメタルマックス、そのカスタマイズ製と独特の世界観で当時カルト的な人気を博し、今遊んでも楽しいファミコンRPGの代名詞です。リメイクを含む後続作品も総じて高い評価です。
愛され続けるシリーズですがファミコン版メタルマックス、その発売から30年弱の時を経て、私も父になりました。今遊んでも本当に楽しいのか?試してみることにしました。
…ほんとにぃ〜!?
ファミコン「メタルマックス」を購入。
27年ぶりにファミコン「メタルマックス」をプレイするにあたり、まずはソフトを調達せねば。ということで、お相手はファミコンソフトといえばいつものあの方。
ハイ、今回は私なんですね~。
カセットのデータをインストール、省スペースでファミコンゲームを楽しめるレトロゲームの風雲児「レトロフリーク」大先生と思いきや今回は3DSのバーチャルコンソール。当時定価7800円もしたファミコンソフトがたった500円で買えてしまうんだからあり難いことです。
それでは早速ゲーム開始。
なにっ!!モンスターハンターになりたいだとっ!
戦争によって荒廃した世界で戦車の修理業を営む家で育った主人公が、賞金稼ぎである「モンスターハンター」を志すところから物語が始まります。
そうそうそんな話だった、20数年前の記憶を少しずつ思い出してきましたよ。主人公の身を案じる父親から猛反対され勘当されるんだった。まあ危険だからね、モンハンは。
ファミコンだからこそ変化が楽しいグラフィック
そうは言ってもグラフィックはやっぱりファミコン。実写さながらの昨今のゲームに比べればどうしても迫力には欠けますね。
がしかし。派手さこそ無いものの、装備する武器や攻撃による細やかなビジュアルの変化や演出など、作り手の拘りが目に入りやすいのもまた事実。
武器毎に変わるビジュアルやエフェクトはさすがファミコン中〜後期の作品
そしてメタルマックスの魅力といえばキャラクターのデザイン。メカと野生動物、モンスターの絶妙な融合が独特の無秩序さを醸し出しています、カッコいい。
細部まで描き込まれたデザインのモンスター。およそ子供向けではなく、カッコイイ。
そういえばメタルマックスはBGMも人気です。
ファミコンの3〜4和音の限られた条件だからこそ工夫を凝らした楽曲。ロックでブルージー、やや渋めです。ピコピコサウンドでもメロのカッコいい曲は素直にカッコいい。
ゲームサイクルが分かり易い!
昨今のRPGは奥深くて面白いです。ところが差別化したつもりが複雑怪奇な仕様になるゲームも少なくなく、そうなるともうおじさん着いていけないんですよね。そんなゲームもおじさん大好きなのですが。
一方ファミコン当時のRPGのゲームサイクルときたら、とにかく分かり易い。
グリーンのこの敵が出てきそうな屋外感が良くないですか?おじさんは好きだな。
街から街へフィールドを歩き、行先で出会う人から情報を集めて問題を解決。ファミコン世代にはこの流れがとにかく分かり易くしっくりきます。安心感。
さらに本作においては道中の目的が仲間集めだったり戦車集めだったり、新しい街では自身や戦車の強化、途中脇に逸れて賞金首討伐をしたりとコンテンツが充実、やる事が多いです。
仲間だったり戦車だったり賞金首だったり…目的が多いって楽しい。
パーティーの強化もバリエーション豊かなのにシンプル。人間は経験値を貯めてレベルを上げ、街で装備を調達。搭乗する戦車についても貯めた資金で街でパーツを調達。基本経験値と資金の二軸で運用する強化は非常に明快。
でありながら、戦車は重量やエンジン、主砲の段数制限などの概念があり、昨今のメカニカルなゲーム顔負けのやり応え、奥深さがあります。楽しい。
序盤に入手できる戦車でさえこのカスタマイズ性。
道中に出会う人間のセリフも過激でシニカル。代表格である死んだ仲間を生き返らせてくれる町医者「ドクター・ミンチ」は被験体となる死体欲しさに「もっとちゃんとした死体は無いのか!?」「墓場の死体は古くていかん!」など倫理的にドキッとする言い回しが多いです。
死んだ人間蘇らせるべく死体を弄ぶ「ドクター・ミンチ」も今の時代ではギリギリな表現。
ファミコンのメタルマックス、今遊んでも楽しかった!
結論、ファミコンのメタルマックスですが、発売から27年後の2018年に遊んでみた結果、楽しいです。
戦車に名前なんて付けちゃったりして。
他のゲームに例えるならば、生身の人間と巨大なマシンが同じ戦場でマシンに乗り降りしながら戦うあたりはPS1のゼノギアス的であり、戦車のカスタマイズ製はSFCフロントミッション的でもあり。シニカルな表現なんかはMOTHERシリーズ的でもあったり。マザー的要素はさておいてもそりゃ男心をくすぐるわけだ。
今遊んで楽しいと薦められて実際にやってみればやっぱり古臭いゲームがありますが、メタルマックスは間違いなく面白い。疑ってしまい申し訳無い気持ちでいっぱいです。
当時を懐かしんで遊ぶもよし、古きを温めるもよし、おすすめです。