トロピコ6に続き、カリプソメディアジャパン様から新作シミュレーションのご案内をいただきました。
中世カリブ海を舞台にした海洋交易シミュレーション「Port Royale 4(ポート ロイヤル4)」。
シリーズは2002年にPC版の初代から始まり、2012年に発売された前作3からは実に約10年近くぶりの新作。シムシティやA列車、Towerなど開拓系シミュレーションはハマるとそればかりになってしまうので慎重に構えていましたが、久々に本格的な本気シミュレーションに訛り切った上にシリーズ初プレイの私は、このポート ロイヤル4を楽しめるのか?
ポート ロイヤル4、膨大そうなコンテンツ量を目の前に、開始時ビクビク。
いきなり結論から申し上げると、このポート ロイヤル4はシリーズ初心者やシミュレーション慣れしていない人でも確実に楽しめます、詳しくは後述。
舞台はスペイン、イングランド、オランダ、フランスを取り巻く中世大航海時代のカリブ海。広大な海と海洋交易ってだけで「一見さんお断り」みたいな雰囲気を勝手に感じながらチュートリアルを開始。
「実際プレイしたみたら、意外とウェルカムでした〜」
とか言いたかったのだけど、想像通り容赦ない大海原へ放り出された。
既に漂流している気分。
そもそも色白な上に海なんて新幹線に乗った時くらいしか目にしない私に、このカリブ海を統治することなんてできるのだろうか?
という不安を抱きつつチュートリアルでひとつひとつの項目を操作をしている中で、カメラをズームしていくと街の人や海がリアルタイムに描かれていて感動。Googleストリートビューみたいだ。
そして船が進む海面に目を向けると、男のDNAに眠る海へのロマンを感じる。
違うビジュアルじゃない、肝心のゲームについて。とにかくチュートリアルに沿って触ってみようじゃないか。
物覚えの悪い私はじっくり時間をかけてプレイし、このポート ロイヤル4はこんなゲームだということが分かった。
自身の船団、船を管理物品を仕入れて別の街で売る。行く先々の街を大きく発展させて、人を増やして事業を開拓、生産物を増やし、総督への交渉と評価で行政権を得たら街を開発。その先々で起こる任務やイベントをこなし、街の物品を略奪する海賊にも対処しなければいけない。
なるほど、了解。
その次点での感想。
やること多くて覚えられるかな…。
「安く買って、高く売る」この基本だけで、どんどん広がっていく知恵と好奇心!
チュートリアルで一通りの操作を学んだし、あとは楽勝だぜ!
とはいかない。
自慢じゃないが、私は一回の説明だとすぐに忘れてしまうタイプでして。
ついこの間なんか家族で行ったよみうりランドで、アトラクションに乗る前にレバーとシートベルトの順番の説明を受けた直後いきなり間違えてスタッフさんに注意を受けた。
そういう部類の人間なので、案の定ついさっきチュートリアルで覚えたルールがカリブ海に放り出された途端すっぽり頭から抜けてしまった。これって街を大きくしながら独裁国家を満喫するゲームでしたっけ?(それはトロピコです)
なーに、そんな私でも基本の「き」は覚えているぞ。あと、これはガチの自慢で、すぐ忘れるけれど、食べたものは1週間前までは覚えているという特定のジャンルに特化した謎の記憶力を持ち合わせているのだ。しかもその特技はこのポート ロイヤル4をプレイした中で全くと言って良いほど役に立たなかったので、記憶力の悪い方もご安心ください。
何の話でしたっけ?そうだ、チュートリアルで教えてもらったポート ロイヤル4基本の考え方はこうだ。
「安く買って、違うエリアで高く売る」
これからプレイする方、復唱してください。
さん、はい
「安く買って、違うエリアで高く売る」
この知識だけを頼りに恐る恐るゲームを進めていった結果、やがてとんでもない楽しさに包まれることになる。
自分の船団は3隻の船を持っているけれど、そんなものは要らない。1隻だけで精一杯だからだ。
まずは自分の船でひとつの街へ行き、供給の多く安く売られる物品をひとつだけゴソッと買い、供給の足りていない求められる街で売る。
するとどうだ、差額で資金が増えた!
しかも、その街で求められている物品を一定量納品すると、報酬として海賊戦で使える技を教えてくれたりするのだ。みんな大好き必殺技。(必殺技というワードではありません)
使ってみたい。
手探りで少しずつ理解していく快感。
海戦の技ではなく、今は利益を増やしたい。
がしかし、はてどうしたものか?
なんとかの一つ覚えのように、物品を1種類ごっそり買ってはごっそり売っているうちに、買っていた街でその物品が枯渇してきてしまった。
物品が出来上がるのを船の往来でも眺めながらぼーっと待っているのも面白いけれど、今は攻めたい気分なんです。
ということで、街に施設を建設してみよう。
街づくりシミュレーションで一番最初に建てる施設と言ったらそう、製材所なのだ。
「いやいやまずは住居だろう」とか「発電所だろう」というご意見については無視したい。
やがて製材所が完成すると木材の生産量が増え、足りない街へ運んでいくと超高く売れる。自分が増やしたいものを作って売る。
なんだこれ、これだけで楽しい。
どんどん生産量を増やすべく施設を建設していくも、それを建てるためには別の街から建物の材料となるレンガや何かを輸入してこなければいけない。
ということで、3つ目の街へ恐る恐る足を広げていく。
ところが、近隣の街にはどこもレンガを作っているところが無い。
だったら製レンガ工場を建ててしまえば、安く仕入れて周辺の街に高く売ってぼろ儲けじゃないか!と、隣町との取引を増やして信頼を高め、建設許可をゲット。
すると、生産量が少し増えて、一度に買い付けられる量が増えた!
試していくうちに、どんどん広がっていく好奇心。
お金も溜まったので、より利益の出せそうな物品を生産できる施設を建築し、どんどん増えていく人口。
俺の街!統治している感!
もうこの街を愛していると言っても良い。
と思ったら、総督に「動かしてない船があるじゃないか」と大目玉を喰らう。そうだった、私は自分の船団にある船を2つ放置していた。
恐る恐る交易ルートをいじる。「交易ルート」なんてワードを人生で初めて使ったよ。
これで、特定の物品を求めている街と、それを生産している街とで繋いであとは放置していた船をアサイン。
勝手に買い付けて、勝手に売ってくれる。
総督が住む首都に物品を自動でお納めする貿易ルートを作っておくと、どんどん評価が上がっていって事業を行っている街の行政権とやらをゲット。
これで、事業施設の建設だけでなく、街そのものをどのように大きくしていくか、病院や住宅地、造船所といった施設も建設していくことができるのか。
ゲームの流れがなんだか分かってきた!どんどん繋がっていくシナプス。
貿易ルートの編集がとにかく面白い。
自分が決めたルール通りに動いてくれている船を眺めているだけでも楽しいのだ。
風向きや風の強さの概念もあって、それによって船の移動速度も変わる。そうだよね、そういう時代だったんだよね。
こうして実際の取引は設定した通りに動いてもらい、自分は方針を決めて街を大きくし、また他の街と繋いでいくというルールが理解できた。
永遠に遊んでいられる!初心者でも楽しめる!
シリーズのプレイは初でしたが、楽しい!
私は自分の船1隻だけで、安く買って高く売るところから繰り返していた。
この小さな成功体験を繰り返していくうちにやがて好奇心がくすぐられていき、混乱することなく自然に全体の機能が理解できてきた。
ただし、このひとつひとつのサイクルの中にもまた小さなサイクルがあったり、様々な要素が絡みあったりと一本の流れでは表現できない。このゲーム考えた人凄いぞ。
慣れてきたらあっという間に金持ちになったのですが、考えなしに建物を建てては乱暴に事業を増やしまくった結果、どこかでバランスが崩れたのか、キャンペーンで定められたミッションに失敗し、3回ゲームオーバー。
がしかし、1回目よりも2回目が、そして2回目よりも3回目の方がスムーズに増資できているこの自身の理解が深まる喜び。
慣れるまでは覚えることが多いけれど、情報を整理して組み立ていくのが楽しい人には最高に快感だし、永遠に遊んでいられる。
そして、本作の名物コンテンツは、禁断の「海賊行為」。海賊の黒旗を掲げ、友好的な船を攻撃したり強奪したりできるのだ。やりすぎると評価に響くのと両親の呵責に苛まれてプレイできていませんが、やってみたい…。
そしてキャンペーンも楽しいけれど、自由に振る舞い方を決めて覇権争いの波に巻き込まれるサンドボックス「フリーゲーム」モードをやりたい!
ジャンルを問わず、トライ&エラーが楽しい人は間違いなく楽しめると思います。
海洋物交易シミュレーションポート ロイヤル4、楽しい!