オニオンスープおでんを食べた結果、これは優しい味のおでんだ!
おでんの具材をオニオンスープで4〜5時間ほど煮込んで完成。
見た目は完全におでん。
でもこの見た目はスープ云々ではなく、あくまで食材によるもの。オニオンスープで煮込もうがドクターペッパーで煮込もうが、こういうビジュアルにはなる。
問題はお味の方です。
それでは実食。まずはおでんの王様大根から。
あれ?
…玉ねぎどこいった?これはおでんなのでは?
凝縮された魚介の出汁から野菜の穏やかなブイヨンになり、おでんよりもやさしい味。
だけど、揚げ物や大根などおでん定番の食材を煮込んでいるうちになのか、オニオンスープのはずがおでんっぽい味に思えてきた。心を研ぎ澄ましてみると、玉ねぎが遠くの方から
「俺もいるよ〜?」
とやってくる感じ。
美味い!
普通に味の染み込んだ卵だ、これも美味いぞ!?
次におでん界の大谷翔平と呼ばれるとか呼ばれないとかの卵もいただいたけれど(初耳)こちらも美味い。オニオンスープで作りましたと言っても気づかない。
このタイミングで申し上げると、実は妻は少し玉ねぎが苦手。そんな妻をもってして「玉ねぎ臭がほとんどしない」とのこと。
卵も大根もコンソメスープに使われるケースも多く違和感は無い。だけど、ザ・おでんの具材である揚げ物系などの和食系はどうなんだ。
これが絶品でしてですね…。
大発見。
煮込んだ時間が良かったのかもしれないけれど、煮込まれ過ぎてしょっぱくなった感じがしない。いくらでも食べられそう。
ただし、今回は製造段階でオニオンスープを使ってしまったということで、店舗での販売工程ではちゃんとおでんつゆを使っていたと思われる。店舗でアルバイトの人がうっかりオニオンスープをドバドバとトレイに入れたらさすがに気づくだろうし、店舗にただようオニオンスープ臭に店長が飛んできて大目玉だ。このシチュエーションを(店長から雷を落とされるシチュエーションではない)できるだけ忠実に再現するべく、敢えておでんスープは別で用意してみた。
ここに、オニオンスープで煮込んだ具材を浸してからいただく。
「ハッ…私は今までいったい何をしていたのだ…」
おでんの具たちが自分はおでんとして生を受けた宿命を思い出した。
一方で野菜ベースの優しいブイヨンに舌が慣れていたせいか、醤油と鰹の香りと濃い味とダシの強さから魚の臭さとしょっぱさが後からやってきた。
「おでんのつゆは俺たちだ。玉ねぎなんて使いやがって、これでも食らえ」とおでんが怒っているようだ。おでんのつゆは市販の大手メーカーのもので、普通におでんを作る時、我が家でも使っているものだ。
なので、このおでんつゆがしょっぱいとか特別に魚臭いというわけではないけれど、気がついたらもうおでんつゆは使わずに、オニオンスープで煮込まれたおでんだけを食べていた。
妻曰く、しらたきはちょっと玉ねぎを感じるね、とのこと。
オニオンスープおでんは、優しい味のおでんだった!
結論、オニオンスープおでんは、臭みの無い優しい味のおでんだった。魚や昆布の出汁からブイヨンに変わったのだ、美味くないはずがない。
さて、ニュースに話を戻して、きっと対象となった店舗では破棄しているのだろうな…と、昔自分が働いていた店舗を思いながら想像した。特に我々日本人は真面目過ぎるところもある。もちろんそれが信頼に繋がっているのだけれど、フードロスが叫ばれる昨今、せめてアルバイトの人に持ち帰って食べていて欲しいな…なんて思ってしまった。
娘が気に入ったのは、もち巾着とタコ。
もちろん美味い不味いが問題ではないことは誰しも重々承知している。
私も子供と生活している中で、同年代のお友達で酷いアレルギーを持つ親御さんが苦労されていることを目にする機会もあり、ここは気をつけなければいけないのは確か。(幸い私がニュースを見た時点で体調不良を訴えるケースは無かった模様)
締めにうどんなんか入れちゃった。悪くないけれど、これはカツオだしと醤油の方がしっくりくるかも。
ましてや特に衛生管理が叫ばれ、規模を縮小したりとおでん販売そのものすら問われがちな昨今。おでんの製造でミスを犯したことだけが一人歩きしてしまい、いっそのことおでんは終了…なんてことにはどうかならないでほしい。会社帰りに出来上がった美味しいおでんを買って帰って家でいただいた時、疲れ果てた体に染み渡るあの感じはスーパーのレトルトでは得られない癒しがある。
失敗は失敗として管理の改善を図るとして、これからもセブンのおでんは応援したい。頑張って、セブン!