「忘れないで、おとなになっても」と「7年後で待ってる」どっちがおすすめ?


「忘れないで、おとなになっても。」がSwitchで発売。

先日ボクセルアート風ノスタルジック系アドベンチャーゲーム「7年後で待ってる」でそれは感銘を受けたものだけど、この忘れないで…のビジュアルや80年代風を思わせる風景に、昭和生まれの私は惹かれるものが…!と思ったけれど、Switchが故障して修理に出したばかりなのでした。ぐぬぬ。

ところが、なんとスマホでも配信されているじゃありませんか。しかも無料で。

実際にプレイしてみた結果、テンポの良さと適度なボリュームで駆け抜けるように2〜3日でクリア、面白かった!

「7年後で待ってる」と比較してそれぞれ魅力や違いは何か?どちらが好みか?について、ご報告。

忘れないで、おとなになっても。今ある幸せをジワッと噛み締められる。

まずは忘れないで、おとなになっても。のご紹介から。

主人公は11歳の小学生ミナト。ミナトは、かつて父の母校で起きた事故によって亡くなったクラスメートの慰霊祭へ行くため、母と妹と一緒に両親の過ごした町「加賀美町」へ。

既に両親は離婚していて、この地で暮らすであろう父親をこっそり訪ねる計画を妹と立てる。

父から預かった「七不思議ノート」に導かれ、ミナトは父が子供だった頃の33年前にタイムスリップする。

なぜ父はミナトたちの前からいなくなってしまったのか?

七不思議ノートとは何なのか?

主人公は少年時代の父との関わりの中で、「普通の家族」の幸せを取り戻す体験をするジュブナイル系ストーリー。

登場する子供たちはそれぞれ家庭に深刻な問題を抱え、少しずつ大人に向かう自分たちと両親との関わりの中で、家族の幸せとは何かを模索する。

かわいいビジュアルに対して少しヘヴィ。

物語は子供同士の会話によって進行し、抽象的なビジュアルも相待って適度な描写に留められ、あとはプレイヤーの想像にお任せします形式。ややこしい表現も無く分かりやすい。そのためゲームを進めていてあまり疲労は感じず。

映画「オールウェイズ三丁目の夕日」みたいな戦後高度経済成長期というのが昭和ノスタルジーの象徴だとずっと考えていた。「白黒テレビが誰それの家にやって来たぞー!」とか言ってプロレス観戦みたいな。だけど、もう現実味無いって。

一方でこの忘れないで…で探索要素として出てくるようなキンケシ(キン肉マンのフィギュア)みたいなアイテムとか、「これからは白物じゃなくてパソコンの時代だよ」とか話す町の電気屋さんこそがノスタルジーになってきているのだ。感慨深い。

クリア時間は丁寧に読み進めて10時間かからない程度。涙をボロボロ流しながら…という感じではなかったけれど、今ある幸せをしみじみ感じられるストーリーでした。

ジオラマみたいな背景ぼかしになっている背景描写も趣があって良い。

7年後で待ってるは、揺さぶられる感情の振り幅が大きい。

一方、同じくボクセルアートのジュブナイル系アドベンチャー「7年後で待ってる」は、主人公が高校生。

7年前に今の両親に引き取られた17歳のハルトは、それ以前の記憶を持っていない。ただひとつ覚えているのが「7年後の4月1日に約束の場所で待っている」という誰かとの約束だけ。

約束の相手とは誰なのか?記憶を失くした7年前、自身の身に何が起きたのか?

かつて自分が住んでいた町で少しずつ解き明かしていく、といった内容。

こちらは舞台が現代ではあるものの、子供同士の約束という行為や内容そのものが景色やでは味わえない懐かしさを誘う。

マップを行き来して目的物を探し回り、選択する…みたいなゲーム性は薄め。基本的にはその場にいる人物との会話を読み進めるスタイルなので、迷うことはほぼ無し。

その分サクサク進めることができ、クリア時間は忘れないで…よりも短く、読むスピードが早ければ5時間かからないくらいで終わらせてしまうかもしれない。

けれど、駆け抜けるのがもったいないくらいBGMが良い。

いくつかの決まったメロディを基調に様々にアレンジしたり、楽器はピアノを主軸にすることでテーマに一貫性が保たれていてストーリーに没頭できる。

あと、生音ですかね?飽きが来ないのも良い。

それから、(スマホ無料版は)広告の表示頻度が少ないのも良心的。

感動が大きかったのが「7年後」、ゲーム性もあり分かりやすかったのが「忘れないで」

どちらもボクセルアートとタイムリープ系の話ではあるけれど、切り口とゴールに明確な違いがあるので、プレイ後の印象も全く別。

で、どちらを推すかで言えば、私は「7年後で待ってる」に軍配をあげたく。

忘れないで…に比べて7年後…はスケールの大きさ、想像しない展開と伏線回収の巧妙さにポジティブ、ネガティブ(ゲームの面白さではなく)どちらも衝撃が大きく、揺さぶられる感情の振り幅が大きかった。

鬱漫画に耐性が無ければプレイ後メンタルに重くのし掛かってしばらく引きずりそう。現に私もプレイし終わった後で居た堪れない主人公たちにしばらく引きずった。けれど、それは何とも表現しがたい心地よい余韻、カタルシスみたいなものだった。

一方で忘れないで…はストーリーも分かりやすく、プレイし終えた時純粋に満ち足りた気分に(鬱積した気持ちも心地よさも引きずることは無かった)。

探索要素などゲーム性も7年後より強めで、発見に楽しさを見出せるのであれば、忘れないで…は、80年代頃に話題になったアイテムを見つけてはニヤニヤできるかも。

ストレートに満足感を得られるのが忘れないで…の方で、喪失感を伴う感動を感じるのが7年後…といったところかしら。

80年代に小学生時代を過ごしたけれど、実際にノスタルジーを感じたのはなぜか7年後だったんだよな。

けれど、どちらも面白かった!

みなさまはどちらがおすすめでしたか?

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