リアルなテニス体験に近いかも。「マッチポイント:テニスチャンピオンシップ」元テニス部員の感想。


トロピコシリーズでお馴染みのカリプソメディアジャパン様より新作タイトルをご提供いただけました。

カリプソメディアはワルいシミュレーションが得意な印象だったので今度はどんな独裁国家を作ってやろうかと企んでいたら「マッチポイント:テニスチャンピオンシップ」と、まさかのテニスゲー!

がしかし、今回の私は少し厳しい目で評価するかもしれない。

なぜなら私は元テニス部でしたからね。

その昔、小学生ではテニススクールに通い、出身である磐田市の中学校ではサーブも速く、「磐周(ばんしゅう)のボリスベッカー」と言われたこともありましてですね。

あ、ご紹介いきましょうか。

そもそも世間にテニスゲーが少ない!

冒頭から恐縮ですが、私は怒っている。

そもそもテニスゲーがなぜこんなに少ないのか?私は声を大にして申し上げたい。PS4にしてもSwitchにしても、キャラゲーを除けば片手で数えられる程度しかテニスゲームが無い。

野球やサッカーは毎年出ているというのに。そんなにマイナーなスポーツでもないだろうに、テニス。

そう、私はテニス部だった。

あの日も凍らせたスポーツドリンクをラケットケースに入れて、部員のみんなと自転車を転がして、他校の選手との中学最後の遠征試合へ向かった。

試合後の帰り道、結果に項垂れた我々は「俺、やっぱり高校に入ってもテニス続けるわ」と、コンビニで買ったジュースを駐車場で飲みながら、残り少ない部活生活をなごり惜しんだ。夕方になってもまだまだ明るい中学3年の夏だった。

地元で有名な学校の選手と当たった時、気持ちで負けていた。スポーツの強さは気持ちの強さなのだ。

違う、なんでしたっけ、そうだ、ゲームの話である。

そんなテニスに対して意識の高い私が最後に遊んだテニスゲームはこれだ!

ゲームボーイのテニスです。

1989年製、今でも持ってました。

ゲームボーイアドバンスでも3DSでもない、ゲームボーイです。みなさんご存知ですか?

テニスゲーが少ない!と怒ってたくせに、ずいぶん長いことテニスゲーやっていませんでしたね、申し訳ございませんでした。

今のテニスゲーって、ラリーだけでもこんなにリアルなのか!?

前置きが長くなりましたが、本題に入ります。

マッチポイント:テニスチャンピオンシップ、今回動かすのはPS5版。

なにせゲームボーイ以来ですから、いくら元テニス部と言っても今となってはど素人ですよ。果たしてちゃんとラリーができるかどうか。

まず最初にチュートリアルではトップスピン、フラット、スライス、ロブなど全ての操作を丁寧にレクチャー。ここでバッチリ不安解消。

基本的な操作は以下の通り。

①飛んでくるボールの位置を見極めて左レバーで移動
②ショットの種類を判断してボタンを押下
③マーカーを移動して打つコースを決める
④ボタンを離してショット!

たーのしーー!!!

この一連の動きはリアルなテニスの感覚に近い、ラリーしているだけで楽しい!あと、ラケットでボールを打つ時の「パコーン」って音が気持ちいい!「スコーン」かな。どっちでもいいか。

久しぶりにリアルなテニスがやりたくなってきた。

ショットの種類に加えてR2のドロップショット、長押しでパワーの掛け方を調整したりと戦略のバリエーションは豊富ではあるけれど、基本はフラットショットで十分。ボレーでネット側に来た相手にロブかましたり、離れた相手にトップスピンかましたりしてポイント取ったりすると最高に気持ちいいけど。

より複雑な打ち方を試したい場合は、トレーニングモードで自由に練習可能。

実際やろうと思えば戦い方を無数に使い分けることができるから、オンラインモードだととんでもないプレイヤーとか出てきそうだな。

視点がちょっと傾くだけでここまで臨場感が出るとは!

一方、テニスゲームの見下ろし視点はもう昭和の時代から完成している。

もちろんキャラクターの動きはリアルになり、ストロークのバリエーションこそ本物のように自由度が高くなっているので、当然戦い方は奥深くなっているのだけれど。

視点についてはゲームボーイのテニスと大きく変わらない。言い換えれば混乱することなく楽しめる。

と思ったら、セッティングで視点が変更できるのを発見。

なんだこの視点…!

これまでの見下ろし型から、操作プレイヤーの少し後ろからコートを見る三人称視点のような映像に切り替わった。

なんだこの緊張感。

ボールはどこに飛んでくるのか?どんな球が来るのか?迫ってくるボールに怖さすら感じる。

大袈裟ではなく、TPS視点になっただけでこんなに臨場感が増すとは思わなかった。初めてVRのゲームで遊んだ時のような感動に近いかも。

いや、これは久しぶりにコートに立った感覚だ!

そして今私はエースプレイヤーと互角にやり合っている!

この視点楽しすぎるから練習しよう。

あのスター選手と練習試合!繰り返すことで、上達を実感!

一通り操作も理解できたので、クイックマッチで登録されている実在のスター選手でひと試合してみよう。

しばらくテニスから離れてしまいすっかり疎くなってしまったので知らない選手が多かったけれど、あの錦織圭選手はバッチリプレイアブルキャラとして登場!

プレイヤーごとにパラメータが設定されている。

とりあえず、エアケイで、ネクストシャラポワとも言われるアマンダ・アニシモバに勝負を挑む!

男女選手混合というのもなかなか現実では見られない。

女だからって容赦はしないぜ。

ラリーが楽しい!

けれど、さすがのプロテニスプレイヤー。

いかんせんゲームボーイのテニスが染み付いた体では操作もままならず、あえなく敗退。

ボロ負け。

がしかし、俺は誰だ、そうだ、錦織圭じゃないか。(違う)

相手を変えたりしながらリトライ。

プレイしている中で逆クロスを狙ったり、バックハンドを狙ったりといった余裕も出てきて、少しずつコツが掴めてきた。

繰り返すごとに少しずつ上達し、サービスブレイクできるようになってきた!

勝利!

一度勝利すると自信が出てくる。

4〜5回繰り返しているうちに、操作は体に染み付いてきた。もうゲームボーイのテニス感覚ではない。

先ほど惨敗したアマンダ・アニシモバだって、今なら勝てる気がする。

リベンジ!

逆側がガラ空きだぜ!

気持ちに余裕が出てくると、ショットのパターンを打ち分けてもたり、ボレーを狙って前へ動いたり、色々試すうちに自分の戦い方、勝ちパターンが見えてきた。

そして…!

サービスブレイクも増えてきて、圧勝できるようになってきた!

この上達が楽しい!

世界ランクが上がっていくキャリアモードが楽しい!

ここまではマッチポイント:テニスチャンピオンシップのオマケのようなものかも。

メインコンテンツは、オリジナルキャラを作って育成しながら試合を勝ち進み、世界ランクを上げていく「キャリアモード」。

キャラクリはあの「太陽神」に近い男にしよう。

諦めんなよ!

やっぱりスポーツゲーは育成が楽しい。

性別、名前、利き手とバックハンドの打ち方、髪型、顔立ちや肌の色などのパターンを組み合わせてオリジナルキャラを作成し、いざ開始。

トレーニング(ミニゲーム)をしたり、ランダムの選手と練習試合をしたり、開催中の試合に参加したりしながらカレンダーに沿って、時間を進めていく。

トレーニングに成功、試合に勝利することでパラメータが強化されたり、報酬としてパラメータが強化されるラケットやシューズ、新しいコーチが獲得できることもある。

そして強敵を倒すことでランキングポイントを獲得でき、少しずつ世界ランキングが上がっていく。

フォアハンド、バックハンドなどのパラメータ強化はやり込み好きにはたまらない。全部MAXにしたい!

エキシビジョンマッチでは桁違いの相手が出てくることもあるけれど、プレイヤースキルでカバーできるバランスが良好。

「言われてみればフォアハンド速い気がするな」くらいのバランスなので、プレイしていて理不尽さは感じられない。

また対戦相手には個々に設定された長所や短所があり、試合中に「発見」することがある。

繰り返しているうちに6〜7時間くらいで世界ランク31位にまでのし上がったぞ私は!がしかしこの先が長そうだな。1位になったらどうなってしまうのか!?それは引き続きプレイしてのお楽しみか。

マッチポイント:テニスチャンピオンシップでテニス熱再燃。未経験者でもラリーの楽しさが味わえる!

テニス経験者目線で一方的に楽しい楽しいと話してきてしまったけれど、全くのテニス未経験者であっても、狙ったコースでポイントを取った時の喜び、そしてあの抜けるようなラケットでボールを打つ音から、ラリーの楽しさを味わえるはず。

もちろんチュートリアルやトレーニングモードで、テニスの基本的なルールも知ることができ、こう来たらこう返す、みたいなセオリーや自分なりの戦い方が分かってくるのもまたスポーツの楽しさ。

私のような経験者はもちろん操作を覚えてしまえば楽しめるのだけれど、このマッチポイント:テニスチャンピオンシップをプレイした後、テニス熱が少しだけ沸き上がってきた。

そして久しぶりにテニスの試合を見たくなり、ここ数日YouTubeでプロテニスプレイヤーのスーパープレイを見まくっている。

このクローズアップ視点が楽しすぎる。

そもそもテニスのルールはかなりシンプルなので、「ルールは全く知らないけれど、テニスにちょっとだけ興味がある…」という人でも、テニスの入りとして楽しめる作品だと思います。テニス、楽しいですよ。

久々にテニスしたくなってきた!

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