「ONI – 空と風の哀歌」感想とクリア時間。どんなゲームだった?


雰囲気ゲーにすぐに騙されがち、管理人でございます、ごきげんよう。

そんな私がコロッと騙されそうなビジュアルのタイトルを購入し、クリアいたしました。「ONI – 空と風の哀歌」。

特徴的な可愛いビジュアルと音楽、お伽話の外伝的なストーリー。これは雰囲気良いよね。トレイラー映像を見れば、箱庭なのかオープンワールドなのか、開けた大地を駆け巡って敵をドカドカ倒すとか、もうゼルダですか?オシャレなゼルダじゃないんですか?これは!

と、思って実際にプレイした感想です。

購入前の話:雰囲気ゲーに魅せられて予約購入したはいいが、ファミ通の評価に嫌な予感…。

ONI – 空と風の哀歌、雰囲気に魅せられて発売前に衝動的に予約購入!

けれど、よく考えてみるのだ私よ。

「これまでも雰囲気ゲーによく騙されて来ていないかい?(かい…?かい…?かい…?)

自分の中のもう一人の冷静な自分が問いかけてきた。

と、思っていた矢先にこの通りですよ。

ホラね、いつもこう。

お金を払ってしまった後で見ると、評価が微妙っていうね。

ファミ通のクロスレビューでは7878のシルバー評価。

いえね、アタシだって、ファミ通の評価を鵜呑みにゲームを選んできているわけじゃありませんしね、シルバー評価されたタイトルで個人的にはプラチナなんじゃないか!と思うゲームも沢山遊んできましたよ。

最終的には楽しんだもの勝ちなのだよ、ゲームというものは。

とか強気のまま発売日当日を迎えます。

ストーリーを進めるため、単調なミッションを繰り返す進行。

プレイ開始してみると、実際箱庭でも何でもなくミッション形式の進行だった。

箱庭的フィールドのどこかに現れるアイコン(鬼の影)に触れてミッションを開始。

戦闘画面に切り替わると、主人公の「空太」をメインに、「風丸」をサブとして同時操作しながら全10種類程度の雑魚をひたすら倒す。空太は物理攻撃、風丸は敵の動きを止めたり特定の敵を消滅させたりといったアシスト的な役割を担う。

敵はある程度ダメージを与えると体から「心玉」を出現させる。

この心玉を破壊することで相手を倒し切ることができるが、一定時間で心玉は敵の体内に戻ってしまい、復活。

登場する敵をせん滅させればミッションクリア。

ミッションをクリアすると新しいシンボルがフィールドのどこかに出現するので、それをまた探して新しいミッションに挑む。

基本はこの繰り返し。

ミッションを2〜3個こなすことでストーリーが進み、登場人物の生い立ちや回想シーンが始まる。

と、言っても、その生い立ちの半分くらいは説明されず謎のまま。

雑魚敵の種類が10種類程度なことに加え、ミッションをクリアしても報酬は何も無し。

結果、ストーリーを進めるためにこなすだけの単調作業になっている。

またミッションの中には、商人である「銭助」を守りながら敵を倒すものがアクセント的に挟まってきて、これがとにかく苦痛。

銭助が一定のダメージを受けるとミッション失敗になるが、その銭助がとにかく脆く、敵も予期せぬ場所から駆け寄ってくるため難易度が跳ね上がる。

15程頑張った結果経験値も何も得るものは無く時間は全て無駄に終わり、もう一度繰り返す…というのを5〜6回繰り返したミッションもあった。もちろんクリアしても報酬はゼロ。

例えるなら、無双シリーズで瀕死の仲間が待機している拠点の裏側から攻められてシナリオがミスとなり、途中までの経験値も武器も全て剥奪されたような気分。

あとはボス戦ですかね。

ボス戦がまた単調。

空太よりも素早い敵をひたすら追いかけては殴り、空振りしてはまた追いかける、これを10分ほど繰り返す。なんだこれ。

「きっとオバケの風丸を上手く使ってね」という作り手側の意向なのだろうけれど、右レバーで操作する風丸は風丸とて動きが遅く、アホのように二人がかりで追いかけ、結局空太で捕まえた方が早いやと走り回っている。浜辺の恋人同士じゃないんだから。

育成要素は?体力増加と装備品と必殺技少々。

育成要素は、主に2つ。

一つ目は、スキャンすることで見つかる「魂」を島中で探して最大の体力を増やすこと。

魂を見つけると追いかけてくる巨大な鬼の影を避けながら所定の場所へ魂を運び、4つ納品することで最大のハートがひとつ増加。

それから必殺技の強化。

「島中の希少キノコを◯個集めよう」「宝箱を全て開けよう」といった特定の条件をクリアすることで、必殺技の効果が増加する。

以上。

あとは、その辺に生えているキノコを集めて銭助に交換してもらうか、宝箱から見つけるかで入手できる武器や防具(パンツ)。これらは育成というよりもただの装備品だからなぁ。

装備品の種類もそれぞれたった6種類。武器は武器で連続攻撃を当てると最後にブーメランや回転攻撃などに勝手に派生してしまい、どれも扱いづらい。中盤までは特徴の無い最初の武器をずっと使っていた。

雰囲気、音楽は最高。

ここまで散々申し上げましたが、雰囲気は想像通りで最高。

特に音楽はメチャクチャ良い。

主に3つに分かれたエリアごとにジャジーでブルージーなヴォーカル入りのBGMが、エリアを跨いでシームレスに流れるのは心地よい。トボトボ歩いているだけで良い気分。

なので、このゲームを動かしていて一番楽しかったのが、HPを上げる魂を探している時間。

サントラが欲しい、曲数は少なそうだけれど。

映像表現も良かった。

キャラクターたちの回想シーンで登場する過去の描写が見ている景色に残り続け、少しずつ消えて行く様子は印象的。

クリア時間11時間。最高な雰囲気ゲーの映像作品。ゲームとしては力一杯クソゲー。

とにかく単調なミッションを繰り返し、強烈な眠気と戦うこと11時間でクリア。

「早く終わって欲しい」久しぶりにそんなゲームに出会った。

結論として、最高の雰囲気ゲー。ゲームとしては…そうだな、言いづらいな。

この際もう少し言わせてもらおうかな。

ロードがクッソ長い。

ミッションクリアが主なコンテンツのくせに、毎回30秒ほどのロード時間が発生。

フレームレートも不安定でカックカク。これらはSwitch版選んだからだろうと言われたらそれまでだけれど。

カメラワークも酷い。

ミッションの中にはサイドビュー的な視点に切り替わるものもある。

作り手側は「どうだい、イケてるだろう?」としたり顔でいるのかどうか知らんけど、その割に奥行きもバッチリ存在しているので敵が手前にいるのか奥にいるのか分からなければ、重なりまくるので自分がどっちを向いているか全く分からない。

それからマップが無いので拠点の場所や現在位置を探すのが一苦労。

他にも、敵をロックできないのとか、敵が怯まないからコンボも2発くらいしか当たらなくて全く爽快感が無いとか、乗るとスピードが上がるウリ坊が口笛を鳴らしても全く来ないこととか、バグも多いこととか、そういうの大目に見ても面白くないですよ。

あ、ストーリーについてお伝えしておりませんでした、プレイヤーの解釈に委ねる系です。

個人的な感想ですか?最低でした。

演出は良いけれど、最終的には坊主憎けりゃ袈裟までもとなってしまい、その演出すらウザく感じてしまう始末。

ゲーム性であったりそのものを楽しむプレイヤーに対してはクソゲーになる可能性がある。いや、可能性ではなくクソゲーであると断言できる。もうこの勢いで言ってしまおう、ゲームとしてはクソゲーです。アーティスト気質のクリエイターが自己満足で作ったような作品。

しかしながら、音楽は最高だった。

もうひとつ良かった点としては、進行が苦痛すぎるので、11時間という短い時間でクリアできた点。これでもしも30〜40時間くらいのボリュームがあったら単調過ぎて気絶していたと思う。その昔中国で行われていたとされる、水滴をたらし続けられる拷問みたいなもんだ。

ゲームとしての売りはどこか?ぜひ教えて欲しい。

まさか、まともに敵をロックできない空太とろくに敵に追いつけない風太「この2キャラを同時に操作するのが売りですよ!」とか言われたら、心底イケてないクリエイターだと思う。

エンディングで流れる大勢のスタッフの名前を眺めながら、この作品には色々と欠落していることを誰も指摘しなかったのか?とか思って悲しくなった。哀歌とはまさにこのことだよ。と、思ってAmazonを見てみたらとんでもない評価だったのであながち間違いではなかったわけですな。

箱庭系アクションRPGでもましてやゼルダ的なオープンワールドでもなく、本作が気になっている方、注意が必要です。

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