携帯ゲーム機、人前でプレイしますか?私は時々します。パブリックな場所の振る舞いというものは意外と難しいもので、例えば電車の中で食事をしたりお化粧をしたりといったことはいかがなものか、と指摘されたりするものです。(個人的には目くじらを立てる程気になったりはしませんが)なんとなく世の流れ的には本を読んだりスマホを読んだりしているのが正解、みたいな風潮がありますが、ゲームについても結構グレーだったりします。ということで、Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)を代表的なパブリックスペースでプレイしてみて、場所毎に肌で感じた印象をレポートします。
公園
桜の名所だけあって、とても綺麗でした
場所は東京は吉祥寺にある「井の頭自然文化園」、時間は12〜13時のお昼時、家族連れやカップルからご年配の方々まで年代問わず、また外国の方も多かったのも印象的です。犬を散歩させたり、園内に存在する500本もの桜を写真に撮ったり、井の頭池でボートに乗ったりと、皆思い思いのアクティビティに興じています。それにしてものどかです。ここで一人のゲーマーが椅子に腰掛けおもむろにスイッチを取り出し、検証開始。
ほら、出たばかりの話題のNintendo Switchですよー。
結果は全く視線を感じません。食事をしても読書をしても違和感の無い公園はとにかく自由です。行き交う人との距離感もあってか、やりづらさも全くありません。
続いてモニターを立てかけてコントローラーを外し、テーブルモードにしてみることにします。「なんでわざわざ井の頭公園にまで来てゲームしているんだこの男は…?」これはさすがにジロジロと見られるのでは?ということで、ゼルダ開始。
私は果たして今地上に存在しているのか?
テーブルモードにしてみましたが、全く見向きもされません、そんなバカな。様々な年代の方がいらっしゃるわけですが、ご年配の方はそもそも新しいゲーム機などに興味も無さそうで、20〜40代くらいの方はというと、恋人やご家族などのパートナーと過ごしているため、そもそも赤の他人になど興味を示すはずもなく。
ただし公園にも規模感や特徴が異なるため、子供達が元気に遊び回るような公園や、住宅地の真ん中にあるような小さな公園でベンチにたたずんでゲームをやっていると、どうしても道行く人にジロジロと見られる可能性もあります。公園といっても多種多様、なるべく静かで広い公園が望ましいかもしれません。
やりづらさ:★☆☆☆☆
電車の中
選んだ路線は、2015年、新宿駅における一日の乗降客数がなんと約76万人という驚異の主要路線「京王線」。検証には申し分の無い都内の主要路線の一つです。時刻は19時過ぎの下り列車。仕事を終えて帰宅途中と思しき30代以降の方が多い印象で、そこそこ混雑しています。新宿発の特急電車に座ることができました。両脇には30~40代と思しきスーツの男性がスマホをいじり、正面には20代と思しき男性、女性が立ってやはりスマホをいじっている状態です。と、ここでスイッチを取り出してプレイ開始。
写真はイメージです
思った以上に視線を感じません。正面の男性がチラ見するも、すぐに自信のスマホに目を向けました。やはり電車は乗客の数が多くとも各々がパーソナルな時間を過ごしているため、あまり気にしないようです。また普段から電車の中でゲームしている人はしばしば目にすることもあって、やりづらさは少ない印象でした。
やりづらさ:★★☆☆☆
ファーストフード店
場所は池袋のファーストフード店、時間は12時過ぎです。ちょうどお昼どきという時間帯もあって、店内はお客さんで溢れています。周りが見渡せる店の中心にあるカウンター席に座り、スイッチを取り出して検証開始。
…ほぼ見られない
店内のお客さんはそれぞれお喋りしたりスマホをいじったり、あるいはノマドワーカーの方がPCを眺たりして、ほとんど見向きもされません。割と大きめのスイッチは見た目もインパクトがあると思いきや、感じた視線は限りなくゼロに近いです。
がしかし!
テーブルモードへチェンジ!
何の気なしに携帯機モードからコントローラーを取り外しテーブルモードに切り替えたところ、チラチラと視線を感じるようになりました。「新しいスイッチ持ってる!」というよりは「こいつ外でもゲームしてるわ…。」という冷めた視線ではあるものの、横切る人の30人に1人くらいの割合で見られるようになりました。さらに、テーブルを片付けて回るスタッフの女性(推定50代?)が「招かれざる客」でも見るかのように二度見して去って行ったのが印象的でした。さすがの私も冷ややかな視線に居心地の悪さを覚え、テーブルの下にコントローラーを隠すようにしてみると、多少視線は軽減されました。
どうやらコイツが目を引くらしい!
やりづらさ:★☆☆☆☆(テーブルモード時:★★★☆☆)
スターバックス
続いてお洒落なカフェの代名詞スターバックスです。時間は14時過ぎ、買い物中の方や、やはりノマドワーカーの方がPCをいじる姿が見られます。
見て見て、俺、カフェでも仕事しちゃうぜ〜
スタバでもPCをバリバリ使っちゃう忙しいノマドワーカーの半数以上は、実は動画サイトを見ているという調査があるとかないとかですが、ファーストフードとは明らかに雰囲気が違い、冗談ではなく8割はPCを使い、残りの2割は学生が勉強という思い思いの作業に勤しむ中、私とて作業を開始します。
見て見て、俺、カフェでもスイッチしちゃうぜ〜
ファーストフード店以上に視線はほぼゼロ。傍から見れば「なんかタブレットでもいじってるのかしら?」くらいな印象かもしれませんが残念でした、ノマドゲーマーです。そこで前回学んだ通り、モードを切り替え、テーブルモードでプレイ開始、見よ、この勇ましいノマドの姿を!
あれ?
ファーストフードほど強い視線を感じません、おかしい。やはり皆黙々とご自身の作業に専念していること、PCなど大きな画面のついた機器をいじっていることからか、同じく画面を眺めて何かをしている男は不思議とスタバに溶け込んでいます。
やりづらさ:★☆☆☆☆(テーブルモード時:★★☆☆☆)
結論、スイッチもやりたい場所でやってOK!(ただしテーブルモードはちょっと目を引く?)
あくまでやりづらさはプレイヤーの度胸次第ですが、どの場所においても概ねスマホをいじっているのと人から見られる感じは大差ありませんでした。ただしモニターをテーブルに置いてコントローラーを切り離したスタイル、テーブルモードは注意が必要かもしれません。公共の場で人が3DSやPSPなどのゲーム機を使っている姿は珍しくありませんが、モニターから独立したコントローラーというものがあからさまにゲーム感を醸し出すため、周りから見ると異様に見られてしまう可能性があります。
滲み出る必死な感じが見ている人の不安を煽ってしまう?
一つの画面を複数人で楽しむ目的でない限り、わざわざモニターからコントローラーを取り外して人前でプレイする機会もあまり無いとは思いますが、必死な感じは傍から見ても不安を煽ってしまうこともありますので注意が必要かもしれません。
全体を通してみると、人の迷惑になる場所ではない限り、基本的にどこでも勝手にスウィッチをしても良さそうな印象を受けました。せっかくのポータブル性は有効活用しましょう。
※お店によっては携帯型ゲーム機持ち込みで長時間プレイすることをお断りしている場合もありますのでご注意ください。