ゲームギアが大好きでした。携帯機のスタンダードとして君臨していたゲームボーイが白黒画面でありながら、色鮮やかなカラー液晶画面のゲームギアは革命的で、ソフトの表現力も非常に高かったのを覚えています。
中でも「ビックリマンワールド」や「ワンダーボーイ」などとシステムを同じくするコピータイトルのアクションRPG「モンスターワールドⅡドラゴンの罠」は画期的で、夢中になって遊んだものです。
さてそんな名作が、2017年現在最新ハードであるPS4、Nintendo Switchにてリメイクされることになり、改めて当時のおさらいをしておくべく、ゲームギア版を25年ぶりにプレイしてみることにしました。
ゲームの内容、ストーリー概要
世界観は王道ファンタジーですが、ストーリーはざっくりと以下のような感じです。
ゲームを開始すると、ラストダンジョン(の一部)と思しき迷宮からスタート
メカドラゴン討伐のため迷宮に入り込んだ主人公の「ヒューマン」は、協力な装備を持って、奥に待つメカドラゴンを倒すことに成功。ところがその呪いによってトカゲの姿に変えられてしまう。ヒューマンが元の姿に戻る方法はただ一つ、呪いを解く力を持つ「サラマンダークロス」を手にいれる事。
サラマンダークロスを手にいれるべく冒険に出るが、行く手を阻むドラゴン達を倒すたびに呪いの力はさらに強くなり、新たな別の生き物へと変身していきます。
遠距離を攻撃する炎を吐く「リザードマン」、壁や天井を自由に走ることができる「マウスマン」、水中を自由に泳ぎ回る「ピラニアマン」、武器を振りかぶって広範囲を攻撃できる「ライオンマン」、そして自由に空を飛行する「ホークマン」。それぞれの姿に備わる特殊な能力を駆使して「サラマンダークロス」のもとへ。
この設定で既にワクワクしてきませんか!?尚、そもそもこのドラゴン達は一体何者で、なぜ倒しに行くのか?という前置きや背景のようなものは特に描かれていませんが、30年近くも前のゲーム故、それはそれで良いのかな、と考えます。
様々な姿に変身して少しずつ行動範囲を切り開いていく楽しさ!
基本のシステムは、壁を走り回るマウスマンや、水中を泳ぎ回るピラニアマンなど、様々な能力を持った姿に変身して、行動範囲を広めていくというシステムです。
道中どうしても行けないであろう場所も、後々別の姿に変身することで行けるようになる喜び
それぞれの姿には特化した能力もある反面、不得意な部分もあります。
例えば壁や天井も自由に走り回れる「マウスマン」は、直前のリザードマンには無かった「盾」が着いているため、炎など敵からの遠距離攻撃を防ぐこともでき、攻撃力も決して低くはないため一見全ての面で強くなったかと思いきや、体の小ささ故のリーチの短さから、敵へ攻撃を当てづらいという弱みがあります。ところが次に変身する「ピラニアマン」は、そのリーチの短さを補い、さらに盾も使え、その上水中を泳ぎ回ることができる、まさに敵なしかと思いきや、下段への攻撃や防御に弱いという面を併せ持ちます。
姿が変わるにつれて、強くなった気になる不思議
この変身の順序も絶妙で、直前までの弱みを補った姿になっていくため、進化したような感覚になります。
さらにゲームが進むと、特定の場所においてこれまでに変身したことのある姿に切り替えながら、未開の地を進んで行くことになります。この少しずつ進む道が拓けて行く開放感はなんとも言えない楽しさがあります。
広い世界を探索する楽しさ!
行動範囲を広めていくにあたり、解放の条件となるのは姿を変えることだけではありません。中には施錠された扉を開ける鍵を探す必要があり、それは宝箱の中であったり、あるいは近くを闊歩するモンスターであったりと様々です。
宝箱をの中は鍵、コイン、魔法、装備品など、様々なものが入っている
また本作には機能的な装備品が数多くあり、例えば溶岩を歩いてもダメージを受けない鎧だったり、特定のブロックを破壊することができる武器、反対にブロックを作り出す武器など様々なものが隠されています。
それらの装備品は宝箱やショップだけではなく、敵からごく稀に入手できるものもあります。このコレクション性、探索性の強さは当時のゲームでは珍しかったのではないでしょうか。
意図せず偶然ポロっと敵が落とした時の嬉しさたるや!
分かりやすい成長の楽しさ
本作には経験値やレベルの概念は無く、武器、防具を獲得して装備することで、攻撃力、防御力を強化させていきます。モンスターを倒したり、宝箱の中から入手できる通貨「GOLD」を使って、街などにあるショップで武器や防具を購入することが基本となりますが、中には壁の中にある「隠しショップ」なども点在していて、相応の攻撃力、防御力を備えています。
プレイしているうちに怪しい場所が分かってきたりします
また体力となるハートは最初一つしかありませんが、世界に散らばったハートの器を入手することで、最大値を増やすことができます。
宝箱を開ける時のワクワク感!
本作はボスこそある程度やり込むうちに行動パターンが読めてくるものの、意外にも雑魚敵や地形による攻撃が激しく、この成長を怠るとあっという間に体力を削られます。
こんなゲームが好きな人は楽しめる?
この「モンスターワールドⅡドラゴンの罠」に敢えて近い楽しさを持つゲームを挙げるとすれば、下記のタイトルは少なからず似た要素があるかもしれません。
・キャッスルヴァニア(悪魔城ドラキュラ)シリーズ
マップを探索して少しずつ行動範囲を広め、さらに特定の敵から稀に入手できる武器・防具集めはまさに「メトロイドヴァニア」的楽しさがあり、同ジャンル代表作(メトロイド以外)であるキャッスルヴァニアは近いかもしれません。
・ゼルダの伝説シリーズ
新たな武器やアイテムなどを使いながら行動範囲を広げていく楽しさはゼルダの伝説にも近いかもしれません。また体力の元となる「ハート(の器)」探しも両者の共通点です。
3DS等のバーチャルコンソールで配信されていないゲームギアのソフトをプレイする機会はそう多くないかもしれませんが、敢えてこのタイミングで古き良きレトロゲームを楽しむのであれば、探索・冒険・アクションが思う存分堪能できる本作を迷わずおすすめできます。(オリジナル版は、アメリカとヨーロッパでのみWiiのバーチャルコンソール対応ソフトとして配信済み)
さて、それでは後日いよいよリメイクされるこの「モンスターワールドⅡドラゴンの罠」のベースとなる「Wonderboy: The Dragon’s Trap(Nintendo Switch版)」をレポートします。