パクリ?サガファンが語る3DS「アライアンスアライブ」3つの面白さ


サガシリーズが大好きです。ゲームボーイの初代からPS Vitaのスカーレットグレイスまで、ソシャゲ以外のあらゆるサガをプレイしてきました。

そんな私ですが、3DSのRPG「アライアンスアライブ」をクリアしました。

周りの評判に半ば乗せられる形で開始しましたが、前情報によりプレイ前からあまり気乗りせず。その理由は、技の「閃き」やランダムステータスアップなど、サガファンとしては既視感漂う仕様に得体の知れない不快感を覚えまして。それってサガのパクりなのでは…?

ところが実際にプレイしてみるとその気持ちは完全に払拭される結果に。こりゃサガじゃない、ちゃんと別のゲームだ!

システムはサガっぽい?なのにサガとは違う!

本作の成長システムは、戦闘中のランダムステータスアップ(HP/SP)と技の閃き、そして資質と呼ばれるキャラクター毎に付与できる補助的なアビリティのようなものがメインとなります。また戦闘中のフォーメーションによって様々な効果をもたらす「陣形」なんてものもあり、これだけ聞けばそれ即ち名作RPGサガシリーズそのもの。

ところが不思議なことに、触ってみてもそこにあまりサガ感を感じず。というのも、武器の種類や技の数がサガに比べて多いこともあって、新しい技をバンバン閃きます、バンバン。もちろん閃いた瞬間はサガ同様に嬉しいのですが、サガに比べて閃きの有り難みは薄め。(というと何か薄っぺらい印象ですが、決してそうではなく。)

後述しますが本作は戦闘を2倍速4倍速で進めることができる超便利機能が備わっているため、技のエフェクトがどうとか、戦略をこうとか、過程を楽しむというよりは、とにかくスピーディーにさっさと新しい技を覚えて、さっさと次へ進む。この辺りにサガシリーズと趣向の違いを感じました。

どんなゲームグッと来てしまう「浜渦正志」氏の曲で、ストーリーの良さが割増し!

本作のBGMを担当しているのは「浜渦正志」氏。この浜渦氏、過去に名だたるゲームBGMを担当している超有名作曲家。

例えば「パルスのファルシをルシにしてコクーンのファルシをパージ」という、何を仰っているのかもうよくわからない難解なストーリーのファイナルファンタジーXIIIでも、ストーリーなんて分かっちゃいないくせに、理由も分からないまま浜渦氏の音楽のせいで感情を揺さぶられてみたり。

少し古い作品で言うと、PS2のアクション「武蔵伝2 ブレイドマスター」では、あの剣豪宮本武蔵をモチーフにした武蔵がバイクを乗り回して近未来の世界を駆け回るという現実離れしたドタバタ快進撃でありながら、そのシナリオになぜかグッと来てしまったり…。

極めつけはPSの「サガフロンティア2」。システムはシビアでグラフィックも派手さには欠けるものの、そのBGMも手伝って、サガシリーズ上最高のストーリーとも言われる傑作。

アライアンスアライブをプレイしてみて、そのストーリーは正直厨二らしさが目立つ印象でしたが、なぜだろう、音楽を聞いているうちに不覚にも心動かされるシーンがいくつもありました。そんな浜渦氏を起用するとは確信犯的でずるい起用です。

ユーザビリティ面、コンテンツ面であらゆるゲームのいいとこ取り!

さて、本作の感想を改めて一言で伝えると、「過去のゲームのいいとこ取り」これに尽きます。

戦闘中の2倍速、4倍速、イベントスキップ、ファストトラベルのような便利で快適なユーザビリティ面、ギルド強化、武器開発、成長システムなど、やり込み要素が充実したコンテンツ面がごちゃ混ぜになっています。特にこの2倍速、4倍速は恐ろしく快適。昨今のJRPGではやや主流になってきていますが、ある程度パーティーが強化されると道中の雑魚戦は作業でしかなくなります。ところがこの倍速機能があることで、そんな退屈な作業も快適かつ効率的に楽しむことができます。

2倍速ならまだしも、4倍速の快適さたるや。

そして充実したやり込み要素のコンテンツ面ですが、そりゃこれだけ強化要素が詰め込まれていたら、寄り道だっていちいち楽しいよね。個人的に、この寄り道に意味を持たせる手法は、間違いなくソシャゲ運営で培ったノウハウを活かしているな、フリューといった印象を受けました。

ゲーム、RPGガ好きな人が集まって作ったと思われる作品!

改めてアライアンスアライブは、賑やかでやり込み甲斐のあるRPGでした。そして、様々なRPGの優れた部分を起用しまくっている良い意味で「ずるい」RPGでもありました。何でもかんでも混ぜりゃ良いわけじゃないはずなのに、何でもかんでも混ぜ込んだ上でそれを上手に昇華させてしまったゲームです。よって、買って損する事はありません。

ですが、これらの要素を余すことなく盛り込んでかつゲームとして成り立つ程バランスを整えてリリースするのは、並大抵の労力ではなかったのではと感じますし、あらゆるRPGの強みを理解して真面目に向き合ったからこそ成し得た結果で、賞賛に値します。

さて、改めてサガと比べてみて、ストーリー巡りはさておいて、やり込みの「幅」で言えば様々なRPGの魅力をごちゃ混ぜにしたアライアンスアライブ、プレイヤーがシリーズに期待する、楽しみ方の「軸」のようなものはさすがベテランサガに軍配が上がる印象です。

サガファンである私から見ても、メーカーの意図はさておいてパクリではなく、得られる体験は全く別物のように感じました。どちらもそれぞれ面白い!

この記事へのコメント

  1. ロマサガ2~ミンストレルソングのバトルなどを考えた人が手がけてるのでパクりというかある意味本家なのでは

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