[写真あり]伝説のゲームショップ「ゲームズマーヤ」営業最終日に行ってみた。


東京都江戸川区葛西にある伝説のゲーム店「ゲームズマーヤ」閉店となる2018年4月8日の日曜日、その幕引きに立ち会って参りました。

大学生の頃、葛西近辺に住む知人宅に行く途中で時々寄ったものですが、20年近く前はそのお店がこんなにも影響力のあるお店だったことは知る由もなく。

先日閉店の知らせを受けて改めて名物店長に話を伺ってみて、その魅力に改めて納得、人から愛されるのにはちゃんと理由があるわけで。私もいちマーヤファンとしてその勇姿を見届けるべく、最終日お店に伺ってみることにしました。

開店早々10:30からニコ生開始。

開店から間も無く10:30になるとニコ生の放送が開始。秋谷久子店長はいつも通りにレジに立ち、いつも通りの接客。馴染みのあるお客さん一人一人に対して丁寧に挨拶をしていきます。

3月中旬、閉店の知らせを受けて訪れた時もこんな風にお客さん一人一人に挨拶をしていたけれど、この約1ヶ月の間ずっと続けてきたことを思うと改めてその誠実さに驚かされます。

ニコ生では途中画面を切り替えてゲーム業界の著名人からのメッセージも紹介されます。

最初にファミコン時代に一斉を風靡したあの高橋名人からは「ゲーム業界において、まさにご意見番だったであろう、店長さんの意見は、メーカーの人間からすると、日頃ユーザーさんとのふれあいを直接されているからこその意見として、毎回毎回、身に染みていました。」というメッセージ。

続けてメタルギアソリッドの小島秀夫監督からも「ゲームズマーヤさんは、ゲームを販売するだけのビジネスのお店ではありません。近所の子供達やゲーマー達が集まる空間を提供し、そこに集まった仲間たちを啓蒙し、育て、夢を与えつつも、社会の規範を教え、また家や社会に送り返す。本来なら、学校や職場、家や地域社会が務めるべきこれらの役割を、“マーヤさん“が果たしてきたのです。
“マーヤさん”が蒔いて、愛を込めて育ててくれたゲームの種は、マーヤさんから巣立った子供達が、この後、世界中に届けてくれるはずだと確信しています。それらがまた新しい土地に、新しい花を咲かせてくれるでしょう。その花が、“マーヤさん“です。」といった長文のメッセージが。

やがて一般のお客さんに紛れソニックシリーズやPSOの制作社で現スクウェアエニックスの中裕司氏や、同社取締役で「橋本名人」こと橋本真司氏など錚々たるメンバーが直接来店されました。

14時からオークション開始。15時からの座談会ではとんでもないメンバーが登壇!

14時になると、バーチャルボーイからPC-FX、サイン入りドリームキャストシーマンモデルなど、お店で大事に保管していたものやキャンセルになってしまったもの、デモ機として使っていたものなど曰く付きのレアなハード、ソフトがオークションにかけられます。デモとして使われていたバーチャルボーイはなんと20万円を超える価格に。

15時になり、当日のイベントである座談会が開始。司会はゲームセンターCXでもお馴染みよゐこ有野晋哉氏。どんな関わりがあるかと思いきや、まさかの来店が初とのこと。

ゲストはカプコンモンスターハンターワールドのプロデューサー辻本良三氏、セガゲームスの取締役CPOにして龍が如くを手がける名越稔洋氏、レベルファイブの代表取締役社長日野晃博氏。東京ゲームショウなどの大型祭典でもそうそう集まらないメンバーが一挙に集まるこのゲーム店って一体何なのだろうか。

そこでは秋谷店長がお店の前身である「おもちゃのマーヤ」から「ゲームズマーヤ」になったのは、ファミコンが出てきた当時お店の売り上げの9割がゲームになったからという経緯や、そもそも「マーヤ」という店名は「自分がみつばちマーヤのようにうるさいハチみたいだから。」というルーツについて、またパッケージを見せる形で平積みにしなければ契約しないというメーカーからの取り決めによって、当時15坪の店を移転しなければならなくなったという小売店ならではの内情も話されていました。

ゲスト達とは、「ソフトは実はダウンロード派」というレベルファイブ日野社長に対して振られると「もちろん敵です!(笑)」と言い放ったり、当時スーパーモンキボールの開発をしていた名越氏がマーヤに訪れた際、同作を買ってくれた子供にお礼を言うべく近寄って行ったら後ずさりされたエピソードについても笑いながら話していました。

やがてソニー・インタラクティブエンタテインメントジャパンアジア(SIEJA)のプレジデント盛田厚氏もまさかの乱入。果たして本当にここは街のゲーム屋さんなのか?アメリカかどこかのカンファレンスじゃないのか?

また店長はメーカーが作ったソフトに対し「みなさんの顔を思い浮かべる。絶対売ってやろう!と思って。子供、妊娠と一緒です。仕込んで出す!(笑)」などと、小売店業者としての立場からの思いについても秋谷節で語られていました。

>ページ2「そしていよいよ閉店の時間に。」

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