3DS最後のRPG「ペルソナQ2 ニューシネマラビリンス」の面白さを5つ挙げてみる。


電車の中や子供同士の集まりでニンテンドー3DSを見なくなって久しい今日、時代の移り変わりを痛感。

かれこれ数年間も発売未定状態のままのタイトルも控えているようですが、実質おそらく3DS最後のRPGになるであろう「ペルソナQ2 ニューシネマラビリンス」をクリアしました。

ペルソナ本編ほどの派手さは無いけれど、隠れた名作であった前作から続く第二弾。ところが、Amazonなどのレビューを見てみるとやや厳しい評価が。実際プレイしてみると確かにうなずける批判も。

でも、実際クリアしてみた結果、そういった否定的な意見を踏まえても十分魅力溢れる内容でしたよ。その面白さを5つ挙げてみます。

その1:洗練された映像表現!

さすがペルソナだけあって、シリーズを重ねるごとに洗練されていく映像表現はこのQ2でも健在。

戦闘時のスキルや魔法発動時のエフェクトはもちろん、メニュー操作や移動中など些細なシーンにおいても3DSでこれだけぐるぐると目まぐるしく動く画面を実現できるとは。見ているだけで楽しいです。

このペルソナQ2に限った話ではないのですが、この時点でここまで画面が洗練されているとなると、次に出るペルソナ新作なんてのは一体どんな見せ方になるのか!?今から楽しみです。

その2:連鎖的に効果が発生する戦闘が賑やか!

要となる戦闘では、攻撃方法を選ぶことで弱点突き、集中攻撃や協力攻撃などの追撃が次々と連鎖的に発生。

雑魚、ボス問わず、思いも寄らない強力な攻撃を仕掛けてくる敵も。そういった強敵に対しても弱点を突くことでブースト状態になり、SPやHPなどの消費パラメータがゼロになったり、スキルの威力が大幅に増加したりと派手な逆転に発展。もちろん逆も然りで、突然相手から弱点の連鎖を受けて突然窮地に立たされることも。

世界樹の迷宮のシビアさと、ペルソナの形勢逆転で畳み掛けるスピード感とが合わさることで、戦略的でありながら大胆で賑やな戦闘に。

その3:良好なバランスは万人向け

先に少し挙げた通り、本作はあの3D視点ダンジョン探索型RPG「世界樹の迷宮」のシステムにペルソナの世界観、キャラクターを掛け合わせたもの。特に前者は絶妙な高難易度のバランスに根を上げるプレイヤーも。

この「世界樹の迷宮」特有のバランスにペルソナやスキルの脱着といったカスタマイズ要素が加わることで、世界樹シリーズとはまた違った幅広い戦略性、攻略手法も増えています。フィールドを歩き回る超強力な相手F.O.Eに対しても、ちょっとした工夫を凝らすことでパーティーのレベルを上回る相手であっても倒すことが可能、これは世界樹シリーズではなかなか実現できないことです。

難易度は5つから自由に選択が可能で、それぞれ特にペナルティやコンテンツの制限などもありません。個人的には5段階中2番目に難易度の高い「HARD」が、本作ならではのスリリングさを楽しめてオススメです。

その4:ダンジョン攻略もテンポよく進行、寄り道はきちんと報酬あり

3D視点のダンジョンRPGは、高低差やワープ、スイッチなど多様な仕掛けや入り組んだ構造で楽しませてくれる一方で、その複雑さとエンカウントによりテンポが妨げられるほどの複雑怪奇さは無く、全体的にテンポ良く進めることができます。

移動に合わせて地図に自動で壁を書き込むオートマップ機能や、タッチ画面をなぞって再生することでそのルートで自動で進んでくれるオートパイロット機能はとにかく快適。3DSの感圧式タッチパネルの触り心地に若干の課題はあれど、マッピングのアナログ感はやっぱり楽しい。

メインシナリオはもちろん、サブシナリオにあたる寄り道「特別チケット」も、クリアすることで新たな能力や特殊なペルソナの解放など、寄り道した分だけパーティー強化に寄与してくれます。

その5:おなじみのペルソナ(仲魔)をひいきに育成!

おなじみメガテンの悪魔たちはもちろん健在。

単純に格好いいビジュアルはもちろん、どんなにレベルの低いペルソナでもレベルを上げたり他のペルソナからスキルをペタペタ切り貼りしたりすることで、贔屓の仲魔、思い入れのある仲魔を自由にカスタマイズすることもできます。

レベルもテンポよく上がり、弱いと思いながらも何となく装着していたペルソナが強化することでそれなりに強くなっていったり、意外なペルソナが思わぬスキルを身に付けることもあります。

ペルソナQ2、3DS最後のRPGとして上々の出来。

冒頭で申し上げた通り、批判的な意見も概ね同感ではあります。

押し付けがましい多様化思想や、ラノベ感溢れるキャラクター感の長くてサムい掛け合いなど鼻につく部分もあるけれど、実際ゲームで得られる体験や本質的な攻略の楽しさとは別物と切り離して許容できれば、まあそれはそれと目をつぶれなくもなく。

加えて、課金DLCでのみ入手可能なペルソナという商法についてもゲーム中のペルソナ取得率パーセンテージには影響せず、追加課金をせずとも100%にすることは可能。

神経質な方は気になるけれど、進行度合いを問わずに協力なペルソナを連れていくためのチートとして捉えれば、それもまあ許容できなくはないし、何ならゲームバランスが崩れて楽しさを感じられなくなる可能性も。

いくつか引っかかる部分もありながらも「世界樹の迷宮」らしい少しずつダンジョンの深部に足を進めていくスリリングさや自分でマッピングをするクリエイティブさ、そしてペルソナ、女神転生らしい魅力的な仲魔と育成要素は申し分なく楽しめました。

ペルソナQ2ニューシネマラビリンス、3DSのRPGの集大成としても十分に良い功績を残せたのではないかと思います。

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