オリジナル未プレイでも楽しめる？｢ペルソナ5 スクランブル｣ここが面白い！

遅くなりましたが、本日は「ペルソナ5 スクランブルザファントムストライカーズ」のレビュー、PS4版ではなくSwitch版。トロコンのプレッシャーに追われる必要もなくゴロ寝プレイも可能なので、最近このマルチプラットフォーム展開はもっぱらSwitch版。

ペルソナ無双と呼ばれている通り、数体ずつ倒していくコマンド型のオリジナルと違って、数十体一気に蹴散らす爽快感があります。ジャックフロストやピクシーなどおなじみの悪魔がウジャウジャ出てくることに最初違和感がありましたが、慣れてくるとこりゃ楽しいわ。同じ顔した悪魔たち、出てこいや！

ということで、プレイ開始から20時間ほどの感想を。

ただのガチャガチャ無双じゃなかった！うまいこと差し込まれるコマンド式アクション！

人気IPなのでとりあえず適当に無双にしとけ的なことはよくある話だけど、今回の無双化は序盤から良さそうな予感がしてます。

ガシャガシャ忙しい無双アクション中にコマンドを呼び出してペルソナのスキルを発動するのが戦闘での主な操作操作。UIも快適なので、ガーッと戦ってシュッとコマンド出してドーンと出る。長島茂雄さんみたいな説明で申し訳ないのですが、然るべきタイミングで然るべきペルソナを直感的に操る楽しさは、コマンド型には無かった体験。

あと、メガテンやペルソナシリーズに無くてはならない何百体にも及ぶペルソナの収集や合成も健在。ペルソナ無双と聞いた時にはまあせいぜいメンバーそれぞれ固有のペルソナだけで戦うでもしゃーなしと思っていたけれど、悪魔合体やスキル継承の要素をちゃんと入れてくれたのは嬉しい。メガテンの悪魔って全部かっこいいからね。格好良く無い悪魔もいるか。

まあ細かい話をすれば「無双」とネーミングされていないので無双じゃないやい！という意見もあるんだろうけど、こりゃ力一杯無双だわな。

リア充な高校生活と厨二が眩しいよ！

あと、ペルソナスクランブルのメンバーの青春グラフィティがもう眩しいのなんの！年頃の男女がキャンピングカーを借りて津々浦々レジャーをしながら世直しの旅へ行くとか。憧れるけれど、もう止めなさいよ、誰かしらの親御さん！

このシチュエーションやキャラクター間のやりとりをプレイヤーによってはうすら寒く感じるのかもしれないけれど、私くらいの昭和生まれの人間になると、一周回って微笑ましいわよ。親戚の叔父さんとか、近所のお節介なおばちゃんみたいな気持ちよね。おばちゃん高校生の頃なんて、あれよ、無かったわよこんなの。

厨二っぽさも凄く良い。そんなこと現実じゃありえないよ！とか、そんなのザラ。厨二に違和感を覚えるのは、自立して現実が見え始める大学生くらいの人間なのだ。逆にこれくらいの大人になるとだね、その非現実性すら心地よい。テレビの適当なウイルス報道に踊らされて冷静な判断をしようともせず、マスクに飽き足らずティッシュや生理用品を我先にと無心に買い漁るオバハンを目にしていると、世の中そう甘くは無いと知りつつもその反骨精神が心に響くこともあるのだ。ある種我々はファンタジーを受け入れやすい世代。自分でも何を言っているのか分からなくなってきているけれど、つまりそういうことなのだ。

でも、ハードボイルドな大人も登場したりなんかして、時々自分とのギャップに突然ハッと我に返るんだけどね。俺より年下なのに、俺と全然違うや。

オリジナル未プレイでも遊んでいて楽しい！けど、ストーリーの脈略はちょっと謎かも。

スピンオフだからとありもののキャラクターや舞台で適当につくろったりせず、全体のストーリーはとても丁寧に作られています。

かといって、これまでのキャラクターの関係性や背景についてはあまり振り返ることが無いので、基本的には知ってる前提。

私管理人はオリジナル版プレイ済みなので、それぞれのメンバーの馴れ初めや結成や加入までの経緯を概ね理解できていますが、ところどころ記憶から抜け落ちたエピソードが知ってる前提で語られることも多く、「何のお話でしたっけ？」とポカーンとしてしまうことも。これ、原作未プレイだと確実に置いてけぼりだろうなと感じます。

ゲーム自体はもちろん面白いんだけどね。まあこのあたりはバランスが難しいところでもあって、これまでの経緯を全く描かなければポカーンだし、イベント上で事細かに描いたら描いたでオリジナルプレイ済みプレイヤーにはくどい演出になりかねないわけで。龍が如くや何かのように「これまでのあらすじ」なんつって前作のイベントを掻い摘んでまとめるのも外伝的位置付けの本作では何か違うと考えれば、このくらい曖昧なのが良い気もする。はっきりしなくてごめんなさい。