「FC「スーパーピットフォール」をやってみたら、難易度が凄かった。-前編-」に続いて後編。
諦めたい。
そう思い始めている私の気持ちをよそに、単にその独特の操作性や慣性強めの動きや敵との接触だけではなく、あまりにも理不尽なクリア条件を突きつけられるのがこの後編です。
エンディングまで突っ走ります。
見えないゴールに立ち向かう勇気。
前編で苦戦しつつも所詮はアクションゲーム、操作には慣れてきた。
ボタンの押す強さとタイミング、ジャンプの距離感が掴めてきた。人間とは学習する生き物なのだ。PDCAサイクルをどんどん回していきたい。
長い距離の落とし穴も楽々〜。
飛び越えた先に敵がいますけどね。
さて、前項で申し上げた扉の鍵などは、基本何無い空間からジャンプすることで発見できる。
発見するとめちゃくちゃ嬉しい。
目的地をカーソルで示してくれたりなんかする最近のゲームのいかに御膳立てされていることか。
ここ、何かありそうね。
ほらあった〜!
鍵が隠されていそうな怪しい場所、傾向も掴めてきた。
それにしてもこのゲームが発売された80年代、プレイヤーはいったいどうやってこの攻略方法を見つけ、他のプレイヤーに情報を共有したのか?
あの頃って、子供同士で凄いゲームの攻略法を伝え合っていた。メッセージ性のあるRPGのパスワードくらいなら覚えていられた。インターネットなんて無くても、人は知恵を紡いでいけるのだ。
人類の歴史に思いを馳せている場合ではなかった。
インディージョーンズくらいしか攻略できないだろ!
しばらくダンジョンを彷徨い続けるも、行ける場所は踏破したはずなのに一向に次のエリアへ進める気配が無い。
もう新しいゲームしたいよ私は。
調べてみると、ダンジョンを進むためには単純に扉とそれに合う鍵を探し出すだけではなく、なんと特定の敵に体当たりすることでしか次のエリアに進むことができない場所があるそうだ。なんなんだその裏技みたいな攻略法。
これまで一度当たるだけでミスとなっている敵に対して自ら接触するとは、まるで蝶野か猪木かプーチン大統領か、どれか1人正解にビンタすると出口が開けるみたいな感じ。ビンタする相手を間違えたらもちろん即死。
当たりを付けて飛んでいる鳥に身を投じてみると、一発で正解だった。今年の運はこのスーパーピットフォールで使い果たしたと思う。
スーパーピットフォール、1ヶ月がかりでクリアできず、禁断の箱を開けることに。
さて、ここまで読んでくださった皆様はきっと読み始めてからたった数秒、数分でしょうが、こちらの現実時間はゲーム開始から2ヶ月目に突入しました。
辛い。
やがてクリアできる可能性はあるけれど、そこに頼り過ぎているとやがて可能性に殺されてしまうぞと、ガンダムUCでも言ってた。
ということで、ついに禁断の箱を開けてしまう私。
世界中のあらゆる英智の集結するパンドラの箱。その名もインターネット。
攻略サイトを見てみると(あるんだ!)魔法の薬を見つけて、さらに隠し場所からワープをする必要がある。
ここで確信したのである。
攻略サイト見ないと、絶対無理。
こんなところから…
所定の場所からワープし、道なりに進む。
ここから先は自力で行けるか?色々試したが、進めど進めど攻略の糸口が見つからないまま再び数日経過。
このままでは当サイトも流行りのゲームを取り上げるどころか、スーパーピットフォールで足掻く日々を描いた日記に終わってしまう。何のために私はこのサイトを運営しているのか?揺らぎ始めるアイデンティティ。
自分を見失う前にテクノロジーに頼るしかない。その名もインターネッツ。
結果、その先に進むためには、やはり隠しワープを探し出す必要があった。
絶対無理。
仕事をやめ、食事と睡眠以外は一日中スーパーピットフォールに取り組めば、半年くらいでクリアできるかどうかという難易度だ。
ワープした先はいかにも最後らしい禍々しいダンジョン。
いかにもな雰囲気に、いよいよスーパーピットフォールの終わりが見えてきた予感。
足掛け数ヶ月も遊んでいたので、いざ終わりが見えてくると少し寂しくなるかと思いきや全然ならない。
道なりに沿って進んだその先に囚われのロンダ発見!
お前こんなところにいたのか!
ところがこれでゴールではなく、ここから脱出の旅が始まるんですね。
ワープしてきたこのエリアから脱出するにはやはりワープゾーンを探すしかないだろう。これまでスーパーピットフォールをプレイしてきた経験から、自力で脱出ポイントを見つけ出すのに半年はかかると推定。
そこで再び技術に頼ることに。
人類の英知を集結させた知識の泉、その名もYoutube。
どこに隠しワープがあるのか?たどり着くまでのルートまで細かく教えてくれるのが動画の良いところ。
こりゃ自力だと半年じゃ効かないな。無事ワープゾーンにたどり着き、ついにエンディングに到達。もうプライドも根性もかなぐり捨てていますよ。
頑張った割にあっさりしたエンディングは、昔のゲームならでは。
スーパーピットフォールは心の旅だった。
あとで知ったのだが、ゲーム中の金塊を全て集めてクリアすると、真のエンディングが見られるのだそうな。とは言っても、テキストの文頭に「PERFECT CONGRATULATION」と付くだけ。(という結論をもうインターネットで調べて満足した)その結末をこの目で見たくは無いか?答えはNOだ。
しかし、セーブ機能もインターネットも無かった当時、プレイヤーたちはこのスーパーピットフォールをどうやってクリアしたのか?
エンディング後、何事も無かったかのように弾数はそのまま2周目が始まった。これは「つよくてニューゲーム」だ。
今回このスーパーピットフォールを自力でクリアすることはできず、ついにインターネットに頼ってしまった。
だけど、確かにインターネットなど無かった当時このスーパーピットフォールをクリアしてきたプレイヤーがいたのだ。人は情報や技術を紡いでけるし、そうして人類は歴史を繋いできたのだ。インターネットに頼っているこの時代において、人類の伝達能力というものは退化しているのかもしれない。技術にばかり頼らずに、人は人の繋がりを今一度振り返ってみる必要があるのではないだろうか。だけど、やっぱり私はインターネットをガンガン活用していきたいと思う!