3DS、やってますか?
3DSのバーチャルコンソールには、プレミア化してしまったゲームも多数配信され、それが数百円で買えてしまったのだからありがたいコンテンツではあったのだけれど。貧乏性な私はeショップ閉鎖を目前に物色しまくっていたわけです。
中でも現在最も市場価格が高いとされるのが、ファミコン「サマーカーニバル’92烈火」。
実際ゲームとして面白いのか?クソゲーなのか?
バーチャルコンソール版をプレイしてみました。
サマーカーニバル’92 烈火、実際にプレイしてみたらクッソ面白かった。
とりあえず購入してみたが…
このサマーカーニバル’92烈火、国内最大手ゲーム誌であるファミ通では、当時40点満点中19点という箸にも棒にもかからないような酷評だったのだそうな。
もしその通りだったとしても、500円で買えてしまったのだからさほど手痛い出費ではない。
そもそもレトロゲームの価値なんてものはゲームそのものの面白さに比例しているわけではないから、それはそれで仕方ないよねと実際にプレイしてみると、何これクッソ面白い。
もう高額商品故の有り難みからくるバイアス抜きで面白い。
グラディウス、ツインビー、スターソルジャーを筆頭に、昭和を代表する名作シューティングの数々を渡り歩いてきたファミコン博士の異名を持つ私ですが、ファミコンシューティングの中でもぶっちぎりで面白い。
ジャンルは縦スクロール弾幕系になるんですかね。
当時だとPCエンジンのガンヘッドだとか究極タイガーだとかその辺りの縦スクロールシューティングの名残があって、弾幕系シューティングが確立されるまでの過渡期に作られた印象。
バルカン、レーザー、ビーム、5ウェイ、ホーミングと3段階でパワーアップする5種類のショット、自機の周囲でショットを発射するオプションも前方、後方、回転など5種類のバリエーションがある。
また、ショットを撃たずにいるとチャージ状態となり自機前方に円形のバリアが発生、これが本作のオリジナリティのひとつと言える。
敵からのショットはこれで防ぐことができ、撃つか守るかの判断というシューティングではあまり使わない筋肉を使う。
映像、音楽のクリエイティブが凄い
そして特筆すべきは映像表現。
もうファミコンでできる表現の限界に挑戦している。ファミコン世代だから分かる、これは凄いやつだ。
この弾数、いったいどうやって表現しているのか。
弾幕でありながら処理落ちしない。音楽もサウンドエフェクトも飛ばない。どうなってんのよ。
単純なステージの映像だけではなく、背景もグニョグニョ動く。
バグを活用してFFの飛空挺を歩行速度の8倍の速さで動かしたことでも有名なナーシャジベリ氏同様、非凡なプログラマーが参加していたのだろう。
ファミ通では「映像処理もう少し頑張れ」みたいなコメントがされたようだけれど、当時のファミ通はすっかりスーファミかぶれしてしまって1992年は既にファミコンがレガシーなものになっていたんじゃないだろうか。え!?ファミコンなめんな!
取り乱してしまいましたが、妙な高揚感に陥るトリップ系BGMもおよそ平成初期に作られたような曲とは思えない。ハイになる。
難易度は確かに高い。が、STG初心者でも達成感を楽しめる。
ちなみにファミコン博士とか言っておきながらいきなり手のひらを返すと、私はシューティングは下手の横好きレベルで、ヒーヒー言いながら怒首領蜂などのノーマルモードをクリアできる程度でございます。全く得意でなければ、むしろ苦手意識が強い。ファミコン博士が聞いて呆れる。
高い高いと聞いていた本作の難易度にビビっていた私ですが、恐る恐るプレイしてみると確かに難しい。けれど、むしろ爽快感の方が強いかも。
と、言って被弾します。
ステージ中相手にする大量の敵も、それらが撃つショットもまた弾幕になってくるけれど、きちんとパワーアップさせれば対処しきれないほどの数ではなく、バリアを張ることで防ぐこともできる。
パワーアップを欲張ると被弾することが多く、丸裸にされてしまうとリカバリが困難に。
でも3DSならステートセーブ的な機能も備わっているし、今だったらどうせレトロフリークとか使っちゃうわけでしょ?大丈夫っすよ。
どうしてもクリアできない場合は、起動後ナグザットの社名が回転する画面で、セレクトボタンを押しながらスタートボタンを押下していただいてですね…
「CHANGE LIMIT」の画面で、セレクト、ABボタンを押しながらスタートボタンを押すと…
裏技で自機が無限になるので、一度これで敵の動きや全体のノリを覚えてから再チャレンジするのもアリ。
そしてボス戦がまた面白いのですよ。
それぞれ予想だにしない動きをしてくるけれど、これぞシューティング。覚えゲーの楽しさ。
むしろこの先登場するボスはいったいどんな攻撃してくるのか?ワクワクする。そしてみんなラスボスみたいなデカさとバリエーション。これはあれだ、シューティング界のエルデンリングだ。
ボスの数も豊富。
ステージを5周したあたりからステージは短めで、ボス連戦のような構成に。これもまたテンポが良くて好み。ボスは全部で20〜30体くらいいる?そんないない?誰に聞いているのだ私は。
サマーカーニバル’92 は烈火なぜ高い?
さて、今このサマーカーニバル’92は現在市場でおいくらなのか?
Amazonにおける現在の市場価格は約10万円、状態によっては60万円以上もする高額で、ここのところのレトロゲームブームの波でさらに高騰していくことも予想されている。
2019年Amazonで奇跡的に発掘された新品、そのお値段約63万円をマーク。
そして古物商界の黒船メルカリでは、カセットだけでも7〜8万、箱説明書付きなど状態によってはやはり数十万円に及ぶ。
そもそもこのサマーカーニバル’92 烈火、なぜここまで高いのか?
調べてみると、レトロゲームを中心に扱うコアな雑誌「ユーズド・ゲームズ(現GAME SIDE、現在休刊中)」で、ハードの限界を超えた作品として特集が組まれて注目が集まったことに加え、タイトルに92年サマーと銘打ってしまっているためそもそもの生産量も少なく、流通量が少ないのだそうな。
それじゃファミスタやキングオブファイターズはどうなのさと言われましても、それはそれとして軽く流すのが大人というものですよ。
改めて、このサマーカーニバル’92烈火は、買っておいて良かった作品のひとつ。今遊んで面白いというのはこの作品のためにある言葉とも思える。恐れ入りました。
選べるモードは通しプレイのほかに、100万点に達するまでの時間を競うタイムアタックモード、2分間でスコアを競うスコアアタックモード、裏技で使用可能になるクリアまでの残機を競う残機アタックモードもあり。
60万円相当の価値があるか?と言われるとそれは人それぞれ。全てのモードを十分に遊び切れていないのでこの作品の本当の魅力に迫れていないかもしれないけれど、後々評価されたことは十分に頷ける。
3DSでのバーチャルコンソール版はプレイできなくなるけれど、現行機でやがて配信、もしくは移植がされる可能性に期待!