ドリームキャストの名作「ジェットセットラジオ」Vita版をやってみた感想


Vita版「ジェットセットラジオ」を購入しました。かつてドリームキャストを持っていた2000年頃、名作とは聞いていたもののセガのゲーム機事業からの撤退の知らせを受けてドリキャス本体を知人に譲ってしまい、ジェットセットラジオはやらず終いとなっていました。

が、十余年の時を経てスマホ、PS3、XBOX、そしてVitaへの移植がなされ、セールのタイミングでPS Storeのランキングで改めてその名前を目にすることになり、意を決してプレイしてみることに。するとなるほどこれは名作に恥じない出来でした。面白い!

2000年当時の意欲作は十余年経っても色褪せない!


本作のゲームシステムは、東京の渋谷をモチーフとした街をローラースケートで駆け回り、警察や機動隊から逃げながら敵グループのメンバーに塗り尽くされたグラフィティを塗り返すといった内容で、ストリート系のポップカルチャー好きにはたまらない世界観です。グラフィティをはじめ、BGMもセガラリーやビートマニアなどソウルフルでファンキーなテクノ調の楽曲で有名な長沼英樹氏によるもので、映像や音楽など全てのクリエイティブがストリート系の世界観に統一されています

まず本作で特徴的なのは一目でわかるグラフィックです。オリジナル版が発売された2000年当時としてはかなり珍しいであろうトゥーンレンダリング技術のポップでアニメーションのような映像はまさに芸術で、世界観を引き立てています。今回私がプレイしたVitaのHD画質対応版についても、既存のVitaソフトに全く見劣りしないグラフィックでした

広くて快適なオープンワールド的ステージ

また本作はステージとなる街がかなり広く、上を滑走できるガードレールや歩道橋、ハーフパイプ型の水路や建物の中、屋根の上などほぼ全ての建造物をスピーディーに疾走でき、さらに走行中の車に捕まって(上に乗って)移動したりと仕掛けの多いいわゆるオープンワールド型になっています。
しかもこのエリアの広さでロードがとにかく短い。現在オリジナルのDC版との比較が難しいのですが、Vita版はモード選択からわずか数秒でステージが開始できます。データ量の違いはあれど、昨今のゲームにおいて同じくらいの広さでここまでロードが短いものは正直あまり目にしません。

ただし操作感が独特でクセあり!

ただし本作はローラースケートでの移動が基本となり、操作感にクセがあります。操作に慣れるまである程度時間が必要になるかもしれません。ローラースケート独特の滑走感に加えて基本的には助走をつけて動く必要があり、小回りが利きません。すぐ目の前の段差を上がったり、すぐ脇にあるアイテムを取ったり…といった細かい動きがし辛く、とにかく遊びやすいアクションゲームの操作感を期待しているとストレスを感じるかもしれません
またスピード感がありカメラの視点変更を頻繁に行うため、3D酔いがきつい人も要注意です

こんなゲームが好きなら楽しめる?

ジェットセットラジオはかなりオリジナリティのある作品となっているので比較対象が少ないかもしれませんが、少なからず共通点を感じるタイトルを列挙させていただきました。

・ミラーズエッジ シリーズ(PS3/PS4)

同じくオープンワールドで建物の中や屋外をパルクールで疾走していくアクションゲームです。ジェットセットラジオに対してミラーズエッジは敵キャラクターと戦ったり、LRボタン以外も使用したりとアクション要素が強いです。またミラーズ…は高低差もあるため、よりアクロバティックに動きます。そして視点がジェットセット…に対してミラーズはFPS視点となるため、より臨場感が強いかもしれません。
操作感は近いかもしれませんが、映像表現が全く違うので、ジェットセット…の方がよりポップで明るい世界観です。

・ソニックアドベンチャー(DC/PS3)

ジェットセット…同様三人称視点の3Dアクションゲームで、同じくドリームキャスト出身のタイトルです。いずれも疾走感がありますが、ソニック…の方が動きにクセがなく、小回りも効く印象です。(最高速度は圧倒的にソニックの方が速いですが)ゲーム性としては、ソニック…はゴールを目指すのに対し、ジェットセット…はステージ上のチェックポイントを全て塗り替えて終了となるため、ソニック…のゴール構成は基本的には一本道です。

・スーパーマリオ64(64/DS)

従来のマリオシリーズとは異なり、単にゴールを目指すのではなく、各地のゴールアイテムとなる「パワースター」を集めてステージを進んでいく一本道ではないゴール構成はジェットセット…と同じです。ステージの規模感も同程度ですが、ローラースケート移動のジェットセット…の方が疾走感が強いです。

・すばらしきこのせかい(DS)

ジェットセット…と同じくストリート系ポップカルチャー基調で、やはりアート色が強いです。ニンテンドーDSがオリジナルですが、2つの画面を活用するアクションRPGということで一見とっつきにくそうですが、動かしてみるとこれが非常に直感的で楽しく、プレイした時にアクションゲームでこれだけDSのタッチパッドを使って「楽しい」と感じたのは初めてかもしれません。ゲームの内容はというと、片やアクション片やアクションRPGとなり、すばらしき…は、グラフィックとは対象的に世界観がややダークであるため、全く異なります。ニンテンドーDSはなかなか現役で使っている方も多くないと思いますが、スマホ版へリメイクされています。

結論:操作に慣れるとハイになれるスピード系アクション!

やはりローラースケートの特性上操作が難しいですが、ステージを構成する建物の距離感、規模感が掴めてくると、快感に変わってきます。またVita版はカメラで撮影した写真やデータ内の画像をグラフィティにすることもできるなど、遊び要素もあります。

現在Vita版、PS3版は価格1000円(税込)にてダウンロード配信されていますが、この価格であれば損はしない傑作として楽しめると思います!

ただし実際の世界でのグラフィティ行為は犯罪になるので注意!とのことです…。

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