IPS液晶化したことによって我が家で再び市民権を得たゲームボーイをいじりながら思うわけです。どんな作品も、結局オリジナルが一番面白いと。
ゲームボーイの初代聖剣伝説も二度リメイクを繰り返している。セリフも世界観もリニューアルしすぎたことでオリジナルファンから黒歴史と評された新約聖剣伝説、そして初代聖剣伝説リメイク「聖剣伝説 -ファイナルファンタジー外伝-」。
現在iOS、そしてAndroidへも移植されたものの、もともとVitaで発売されてからすでに長い時間が経過していることもあってかあまり話に上がってこない。けれども、オリジナル作品のファンである私も何気なくいじり続けてしまう良い作品なのでご紹介したい。
セリフ、テキストがオリジナルに準拠。
なお、オリジナル版タイトル「聖剣伝説 〜ファイナルファンタジー外伝〜」との区別のため本稿では「初代聖剣伝説リメイク」と呼称することにする。
この初代聖剣伝説リメイクでは一部改変はあるけれども、概ねセリフがオリジナルに準拠しているのが嬉しい。感動したあのままのテキストが読みたいのだ。レベルアップ時の「あんたも成長したもんだ」とか、あのコソ泥っぽい人物は結局誰なのだろうね。
けれども、あのよく分からなさをちゃんと維持してくれたことにも拍手を送りたい。
BGMもオリジナルのものを流すことができる粋な仕様によって、ああ今俺が遊んでいるのはあの頃の聖剣伝説だと実感できる。BGM超大事。
反対に、フルボイスとか、そういう想像の妨げになる要素は要らないのだ私は。当時のストーリーを思い返す要素としては完璧な環境。
独特のもっさり感もオリジナルに準拠。
昨今のリメイクというのは「とりあえずストーリーだけオリジナルを使って、あとはフルボイスにして無双アクションにして裏ボスでも追加しとけば大丈夫っしょ」みたいなリメイクが多い。そういったテンプレで対応する作品に対して一言申し上げたい。そんなリメイクもそれはそれで楽しいよね。
一方この初代聖剣リメイクにおいては今風のスキルマシマシのズバズバアクションではなく、武器を切り替えて見下ろし視点で敵を一体ずつ倒し、一部屋ずつダンジョンを巡るあの時の聖剣伝説のままだ。
加えて、倒した敵が消滅する前に画面をスクロールさせてまた戻る。すると倒した敵が復活し、何度も倒せる…みたいな、行ったり来たりのレベル上げに便利なもっさり仕様もオリジナルと同じ。
他にも宝箱の判定が開く前に行われるので、あのレアアイテムイージスの盾や源氏装備は敢えて消費アイテム枠をいっぱいにしておいて宝箱を開け続けると、装備品判定になったタイミングで入手できてしまうという技も健在。
敢えてあの垢抜けない仕様を意図的に残したのであれば、オリジナルへの愛というのはこういうことだという模範的な例である。
外付けコントローラーにも対応して快適!
外付けコントローラーにもバッチリ対応。快適。
私が使用しているコントローラーも参考までにご紹介。
もちろん画面タップだけで操作も可能。、けれどひ一度この外付けコントローラーを使ってみて欲しい、もうSwitchは要らないやってなるから。iPhoneは凄い。この先出るiPhoneでは、あのバイオハザードRE:4が動かせるらしいのだから、PS5も要らないかもな。だからと言って手放すとは言ってないけども!
安い。
発売されて随分時が経ったせいか、しょっちゅう半額セールしている。もうセールしていない日の方が珍しいんじゃないか?いっそのこと定価を半額にしてしまえば良いのに。
と言った時に限ってセールをしていなかったりするが、とにかく本当によくセールをしているので信じてほしい!
半額になれば、たったの700〜800円くらいで買える。ちょっと良いビール500缶2杯分と同等か。
しかしながらストーリーが良くてちょっと良いビールをひっかけつつ咽び泣きながらプレイするとたまらないので、どっちも買えば最高と言える。
サクッと遊べる。
クリア時間は10数時間ほど。
そもそも初代聖剣伝説をやる方々なんてのはバリバリ働き盛りで、普段ゲームなんてゆっくりできない可能性が高い。Z世代の部下は定時になれば未完了のタスクを放置するし、上からはチーム目標の重圧をかけられる始末。
家に帰ればカップラーメンとヤカンを置いたまま嫁がグーグー寝ている。あれでも昔はキャンパスのマドンナだったんだよなあ。そうボヤきながら、帰りのコンビニで買ったスト缶の蓋を開ける。そんな悲しい境遇の人間ばかりなのだ。生きるって大変ですよね。(決めつけも甚だしい)
オリジナルを大事にした数少ないリメイクのひとつ。
リメイクの正解は本当に難しい。ガッツリリニューアルされれば「これじゃない」と叩かれ、変えなければ「古臭い」と叩かれる。どっちに倒すか、どの程度変えるか?誰に向けて作るかによっても大きく変わるだろう。
懐古厨の視点でこれまでに私が感動したリメイクは、ゼルダの伝説夢を見る島リメイク。マス目と全く同じ配置をあのジオラマ風3Dに落とし込むとか、職人芸の域。
そして、同じくオリジナルと全く同じ配置を現代のアニメーション風グラフィックに落とし込み、さらにプレイ中に新旧グラフィックを即座に切り替えるという芸当をやってのけたモンスターワールドII ドラゴンの罠のリメイク作品Wonderboy: The Dragon’s Trap、あれも狂気だった。
同じく原作に準拠した初代聖剣伝説リメイクは、それらに匹敵するほどの…匹敵はしないけれど、しそうになるほどの良リメイクだと思う。
いえね、それもこれも今新しい聖剣伝説をプレイしている中で、シリーズを重ねるごとにストーリーがだんだんややこしくなっているのを感じ「そもそも聖剣伝説って最初どんなだったっけ?」と何の気なしに弄り始めたのです。
懐古厨目線では、初代聖剣伝説くらいにシンプルで分かりやすいストーリー、カジュアルさがちょうど良いのだ。
ということで、聖剣伝説は、結局初代が一番面白いんじゃないか?と思うけれど、私だけでしょうか?
とか投げかけておきながら、聖剣はどう考えても3の支持者が多いですし新作は新作で超面白いことに自分で気づいたので、逃げるように去ることにする。