【勝負あり】メタファーリファンタジオと聖剣伝説VoM 面白いのはこっち!


アトラス「メタファーリファンタジオ」の体験版プレイ中。

体験版なのに、気がついたら10時間も動かしている。なんだこれは。体験版って、1時間くらい触ってなるほどこういったゲームですかとゲームを終了させるものだと思っていたのだけれど。

さて、直前までプレイしていたのは聖剣伝説Visions of Mana。こちらも裏ボスを倒し、トロコン率も76%だ。76%って、そこまで胸張って言えるもんでもないか。

そんな聖剣伝説と今回のメタファーリファンタジオはどちらが楽しいのか?当然全く異なるジャンル故に比較しようにも無理があろう。が、敢えて大型RPGということで無理矢理それぞれの良し悪しについて述べてみようと思う。

想像通り、聖剣伝説Visions of Manaは十分期待水準に達していた。

まずは聖剣伝説Visions of Mana。

発売前から期待、そして想像していた通りのゲームだった。

想像していた聖剣VoMとはこんな感じだ。

□ボタンで小攻撃、△で大攻撃、あとは回避とパリィなんかがあってだな、お馴染みのリングコマンド&ショートカットキーで技を出し、おそらく必殺技くらいはあるだろう。そして荒野を駆け巡りながら敵を薙ぎ倒しマナの樹の元へ向かい、世界に平和をもたらすのだ。

で、概ねその通りだった。かくあるべし聖剣伝説。

システムはどうか。

クラスごとに習得できるアビリティを付け替えて自分好みのプレイスタイルにビルドするやつだろう。聖剣伝説ToMと同じような感じで。

と、期待していたらこちらもやはりその通りだった

コンソール版は全てプレイしてきている身として、つまり戦闘の手触りもシステムも概ね想像に難しくないものだった。

ストーリー進行はゆったりめ。広いフィールドをひた走り、イベントでは励まし合ったり茶化しあったりどちらかというとキャラ同士の掛け合いに時間を割いている印象。

絆だとか友情だとか、押し付けがましいやりとりは「好きって言葉にしてくれないと分からないよ!」とかなんとかカミさんや彼女に言われているみたいで、無神経な私にはなんともむず痒かった。

「きっと70〜80点は担保されるだろう、だって聖剣伝説なのだからね!」という期待値で臨んだ結果、期待通りの良作だった。

メタファーリファンタジオ、新しいものを作ろうとするチャレンジングな姿勢が凄い。

一方のメタファーリファンタジオは、ペルソナの製作陣が携わっているもののそもそもがド新規IP。実際にこの目で見るまではアクションRPGなのかコマンド型なのかそのどちらでもないのか?期待も何もどんなゲームなのか一切の事前情報を断ちここまで来た。

開始直後から、ペルソナチームらしい特徴的な映像の数々。なんかもういちいち拘っている。並々ならぬ熱意を感じる。

しかしながらペルソナみたいなお洒落なビジュアルとは全く違って、北方ルネサンス的なアートにでも挑んでいる印象。ペルソナ陣営ってこんなにもガラリと趣変えた表現もできるのか。

8ミリカメラで撮ったような仄暗い風景も雰囲気良し。カラッとしたペルソナ5に比べて活気ある街並みすらどこかジメッとして不気味さが際立っていたり。ペルソナチームとしてのプライドやチャレンジングな姿勢が凄い。

ストーリー展開もテンポも良好。

短い時間の中で鬼気迫る物語がどんどん展開していく。セリフひとつひとつから目が離せない。ペルソナ製作陣と言いながら、全然世界観もペルソナと違うじゃないか。

「これまで通り」遊びやすい聖剣伝説に対し、全く新しい物を作り出したメタファーに軍配。

聖剣伝説Visions of Manaとメタファーリファンタジオ、どちらが面白いか?

私の答えは、メタファー一択。

聖剣伝説VoMは、これまでプレイヤーが抱いていた聖剣伝説のイメージを損なうことなく構築してくれた。ストーリーやキャラクター間の掛け合いはむず痒いけれども、エンディングの締め方は個人的にとても良かった。

けれども聖剣伝説のイメージに囚われ過ぎたのか(実際のファンもそれを求めているのかもしれないけれど)VoMはどうしても新鮮さに欠け、想像の域を大きくは超えてこなかった印象

一方のメタファーは完全の新規タイトル。遺伝子は継ぎつつも、システムもテイストもガラリと変えてきた。気迫すら感じた。ゲーム開始直後に勝負あった感じだ。

女神転生に対するラストバイブル、アバチュー、ライドウ、そしてペルソナといった形で、やはりアトラスの方が新しい別のなにかを作ろうというチャレンジ精神を感じる

ストーリーは好みかな。私自身、聖剣の「いっぱいお喋りしようね」「ズッ友だよ」みたいなノリよりも「忠誠心」「誇り」みたいな黙して語らず的マインドにこそキャラクター間の結びつきみたいなものを感じてしまうタイプなので、こちらもメタファーに軍配。

例えば「聖剣伝説生みの親である石井浩一さんが原作を担当した新規タイトル」みたいなものだったらもう少し関心度合いが違ったのだろうか。あるいはペルソナ6だったらメタファーほどの期待は無かったのだろうか。

いや、そんなことはないな。きっとペルソナの看板を背負って出すからにはという期待値はそれなりに高かったと思う。

新しさよりも間違いなく面白いものを作ろうというスクエニ守りの意識(と、私が勝手に感じている)が裏目に出ている。実際キングダムハーツもFFも、いつの間にかクリアしなくなっていたのだった。最初のうちは穴が開くほどやりこんだというのに。

スーファミを経てスクエニ超黄金期を過ごした身としては寂しい限りではあるけれども、聖剣伝説そのものにもマンネリを感じ始めている感情を受け入れていかなければ、ゲームライフは豊かにならないのだ。ファイナルファンタジーも一度ファイナルにして、製作陣で全く新しいゲームを生み出す方が良いんじゃないか説を提唱してみる。

同時にこれでまたペルソナ新作に対するハードルが自分の中で高まってしまった。けれどもペルソナチームならばやってのけるだろうな。

これほど体験版プレイ後発売が楽しみなのは久しぶり。メタファーリファンタジオ、期待!

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