押入れの整理をしていた時のこと。昔のアルバムでも引っ張り出すかのように愛おしい気持ちでファミコンカセットを眺めていると、東洲斎写楽の浮世絵を思わせるインパクトのあるパッケージを発見。「がんばれゴエモン!からくり道中」です。発売はなんと30年以上も前の1986年7月30日。当時小学校低学年だった私はルールがいまいち理解できず、その上難易度の高いゲームであったこともあって、超名作でありながら未クリアのままとなっておりました。あれから私も大人になり、難しいゲームも買えるまでになりました。
このタイミングで本作をクリアしてしまい、胸のモヤモヤを解消しようと思います。私と同じく往年のファミっ子世代のお父さん、30年前の忘れ物を取りに行こうじゃありませんか。
30年の時を経て、ゲームのルールを理解
私が最初にゴエモンシリーズ元祖であるファミコン「がんばれゴエモン!からくり道中」に触れたのは小学校1~2年生の頃。当時は知人からの借り物だったこともあり攻略本はもちろんのこと説明書すら持っておらず、敵を倒したり道で拾ったりして得たお金で冒険に役立つアイテムを購入するという当時なかなか尖ったシステム、倒して良い敵、いけない敵の判別、つまりゲームのルールを理解できておらず、全く進めることができませんでした。
お姫様もキセルでぶん殴っていた小学生の私。
今思えば極めてシンプルなシステムですが、当時輪をかけて単調な横スクロールアクションばかりやっていた私にとって、斬新なシステムが数多く入り混じる本作は新し過ぎたのかもしれません。
この3Dダンジョンも小学生低学年だった当時は全く理解できず、入り込んだら二度と出ることができなくなる始末。
あれから30年が経ち、複雑なシステムにも免疫ができ、理解も深まった今の私にとってはこの程度のシステムは恐れるに足りず。どこかファミコンのゲームに対してムキになっている自分に戸惑いつつも、改めてゲームスタート。
基本は3~4種類のステージの繰り返し
本作のステージは、基本的に「町(村)」「山」「海」のパターンがあり、各ステージで「通行手形」を3つ集めて「関所」を越え、次のステージへ進んでいくというのが主なシステムです。
敵の種類も豊富で、ステージが進むに連れて飛び道具を投げて来たり、元気よく飛び跳ねたり、リーチの長い刀を振り回したり、果てには空からウンコを落として来たり。弾数も徐々に増え、難易度が上がっていきます。
どうでも良いのですが、2~30年くらい前って、今よりも世間がもう少しウンコに対して寛容だったような気がしませんか?
そして、とにかくステージが広い。道中敵を倒したり拾ったりして手に入れるお金「両」で武器や防具、アイテムを切り盛りしていくわけですが、マップを把握しないままチマチマと金を貯め、隠し階段を探し歩いて…なんてやっていると、1ステージあたり1時間はかかるのでは?という広さ。
ステージ数は全部で13ステージ、単純計算でも全ステージクリアまでに13時間程はかかるのでは?とさえ思えます。そこで、ここはプライドを捨てて近代技術に頼ってしまおう、ということでマップはインターネットの攻略サイトを見つつ進みます。
便利な世の中になったものの、人間どんどん怠惰になっていきますな
レトロフリークどこでもセーブ機能がフル稼働!
さて、本作はクリアまで相当時間がかかることが予想されるものの、セーブ機能はおろか、まさかのパスワード機能も備わっていないため、中断が許されていないという大変厳しい仕様です。こういったなかなかスパルタンな仕様は当時のゲームに少なくはありませんが、30年の時を経て、この仕様に反旗を翻す救世主、レトロフリーク様の登場です。
なんとも凛々しいフォルム
アクションだろうがRPGだろうがパズルゲームだろうが、好きな瞬間にセーブ、ロードができるというクレバーなマシン。ゴエモンにおいても、賭博屋でセーブすることであっという間に資金をMAXにし、便利アイテムはもちろん、通行手形も店で3つ購入し、あっという間にステージクリアすることも可能です。今回の目的はとにかく本作をクリアし、積年の思いから解放されることに他なりません。ブレずに行きます。