好きとか嫌いとか、最初に言い出したのは誰なんだろう。センチメンタルな秋はこちらのレトロゲームをご紹介。
ときメモこと「ときめきメモリアル」との出会いは、私が高校生の時。テニス部と軽音楽部で絵に描いたような青春を謳歌している気になっていた私ですが、これまた絵に描いたようなオタクのクラスメイト「ミツイ君」に勧められたのがきっかけ。
当時からゲームは大好きでしたが、ときメモだけはやるまいと心に誓っていました。ところがあまりにもミツイ君が勧めるもんだから、しぶしぶやってみたところドハマり。ハマり過ぎて、スピンオフのクイズゲームを発売日に予約して購入。家族の目も気にせず一心不乱にクイズに答えていたあの姿は今思えば異常だったし、そうさせるだけの何かがときメモにはある。
その後も「古式ゆかり」のような彼女を探しながら高校生活を送り続けた結果私は大学に落ち、ミツイ君は良い大学へ進学。一服盛られたと思っている。浪人が決まり失意の最中に発売されたのがこのゲームボーイ版。
今、あの頃の思い出を取り戻しに行こう。
あの頃のときめきをまだ大事に持っています
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで私はときメモが上手です。BattleFieldもストツーもスマブラも適度に下手くそですが、ときメモは得意。
今回部屋の片付けをしていた時にたまたま見つけたこのゲームボーイ版を手にし、自分の人生を狂わせかけたこのソフトをふと動かしてみたくなった次第です。
そんなに大げさなものではありませんが。
当時このゲームボーイのときメモに当時大変感銘を受けていたのも事実。だって、あのゲームボーイで、あの詩織ちゃんたちを動かしちゃうだなんて。
もはや「ときめき」を通り超して、ハードの可能性への「挑戦」。
再現度が凄い。
作り手であるコナミは一体どんな動機で、何をモチベーションとしてゲームボーイに移植などと思い切った決断に至ったのか?理解に苦しむ。ゲームボーイも間もなく終わりを迎えようとしていた1999年当時、本当にGB版ときメモなど買う人はいたのか?
私です。
20年ぶりに起動されるときメモGB版
画面はこんな感じ。
ときめきメモリアルは、言わずと知れた恋愛シミュレーションの金字塔。
運動や勉強、身だしなみなど直近の予定を決めて行動し、自身のパラメータを高めながら意中の女子の親密度を深め、最終的に意中の女の子から告白されるのが目的というとんでもなく甘酸っぱいゲーム。
このシステムを考えた人は、限りなく妖精や仙人に近い天才だと思う。
驚くべきはその再現度の高さ。オリジナルであるPCエンジンやプレイステーション版が基準の本作を、ゲームボーイカラーで再現してしまうなんて。
このゲームボーイ版ときめきメモリアルは「スポーツ編」と「カルチャー編」の2つのバージョンに分かれ、それぞれ藤崎詩織など共通キャラクターを除き、登場するヒロインや、入部できる部活が異なります。
また、別バージョン同士で通信を行うことによりミニゲームでの対戦やそれぞれのキャラクターのスクリーンセーバーの交換が可能。だけど、果たして当時お互い活用するプレイヤー同士が居たのかは正直疑問。いったい誰が誰にそれを申し出るのか?利用シーンはちゃんと考えて発売したのか?
取って付けたような通信機能に半ば呆れながら、自分が買ったカルチャー編、スポーツ編のふたつを眺めてピンと来たのです。なるほどそういう事か。呆れるべきは私自身でした。まさにコナミの思う壺。
2つどっちも買えば、自分で交換できるじゃないか!
ヒロイン藤崎詩織狙いでGB版ときメモ開始!
早速ゲームを始めてみます。今回はふたつのバージョンのうち「スポーツ編」を選択。
さすがゲームボーイ後期だけあって映像は綺麗。そしてGBにも関わらず、要所要所でPS版と同じくキャラクターの音声が再生されます。
システムも基本オリジナル版と全く変わらず、1週間の行動パターンを選んで勉強や運動、ルックスといったステータスを磨き、憧れのあの子に振り向いてもらうのだ。
ということで、いかにもモテそうな名前で初めてみよう。
1年目はガリ勉、禁欲生活に徹する。
かくしてキムタクのきらめき高校生活が始まったわけですが、ゲームボーイのくせにオープニングも色鮮やか。
オープニングも基本オリジナルを忠実に再現。ゲームボーイのポテンシャルの高さに驚きを隠せません。
そうそう、「スポーツ編」「カルチャー編」ふたつのバージョンにはそれぞれ異なるオリジナルのキャラクターも存在しています。
そういえば、プレステ版ではあだ名を「こなみまん」にすると、全てのステータスが573の超優等生キャラで開始できるという裏技があった。
このゲームボーイ版で試してみた結果…!
残念ながら効果なし。いつも通りの初期パラメータです。モテるためにはコツコツと自分を高める、人生ときメモに学ぶものも多い。
さて、あっちを立てればこちらが立たずのパラメータ上げですが、それぞれの行動がどのパラメータに作用するかは体がちゃんと覚えていました。1年目は運動やルックスなどを全て犠牲にし、ひたむきに勉学に励む。
ブサイクお断りのクリスマスパーティーだって、1年目は参加できなくてもへっちゃら。
2年目は運動と外見磨き。デキる男を完成させる。
1年目の時点ですでに勉強においては基本学年トップ、詩織に認められるレベルになりました。
だけど今のままではルックスも運動もてんでダメなただのガリ勉、これじゃ流石にモテません。そこで2年目はこの二つを重点的に鍛え上げることに。パーフェクトなメンズのパラメータを完成させることに注力し、3年目に詩織に猛烈アピールを畳み掛ける算段。
実はルックスも運動も上がりやすいと同時に下がりやすいパラメータでもある。対して勉強は上がりにくく、また下がりにくい。この作用を利用したテクニック。実生活においてもこれだけ簡単に自分を高めることができればいいのにと、ときメモをする度常々思うことではある。
運動を強化し始めることで、運動会でも活躍できるように。徐々に頭角を現し始める。
続いてルックスを磨き始めると女の子の評価も徐々に上がり始め、デートや下校のお誘いの食いつきが良くなってくる。反面、嫉妬心を燃やす女子から悪い噂を流され始め、定期的にご機嫌を取りながらいなしていく。
モテる男は辛い。現実でも一度くらいは口にしてみたいセリフではある。
2年目の終わりになる頃には勉強も運動も魅力も、パラメータ的にはどの女子にも一目置かれる申し分ないレベルに。当然最難関である藤崎詩織も射程圏内に。
行ける。そして、俺はモテる。
3年目、藤崎詩織へのアプローチを一気に畳み掛ける!
いよいよ3年目、卒業式に向けてラストスパートです。
1〜2年目にかけて全ての青春を犠牲にして、血の滲むような自分磨きをひたむきに続けてきた。パラメータはもう最難関ヒロイン藤崎詩織が求めるデータに到達済み。今こそ詩織にかける熱い想いを爆発させる時。
ひたすら詩織をデートに誘います。
エスコートをして…
昔を振り返り…
詩織…
他の女子には目もくれないぜ
他の女の子のご機嫌取りも忘れずに
クリスマスを過ごし…
やれやれ困ったやつだ。
ヒロイン藤崎詩織クリアに奮闘した3年間、準備は整った。そしていよいよ3月、卒業式の日を迎えます。
机の中には一通の手紙が。放課後、伝説の木の下で麗しの詩織が待っています。
このロングヘアーのシルエット。ときメモ、楽勝。
詩織、俺もお前のことが…
…誰ですか?チミは。
20年の時を経て、鈍っていたときメモの感覚。
20年ぶりのときめきメモリアル。当時はときメモ上手だった私もすっかり鈍ってしまい。
デートでの正しい選択肢は体に染み付いているけど。
さて、このゲームボーイ版が出たのは1999年2月。
当時人気だったアイドルは、鈴木亜美、後藤真希、釈由美子などなど、流行っていた音楽は宇多田ヒカルの「First Love」。その頃さすがにヒロインの詩織ちゃんが着けている昭和のアイドルのようなカチューシャ姿の女子はすっかり見なくなった。だけど全然いい、楽しい。あの頃の甘酸っぱい思い出が蘇ってくる。
現在新しいときめきメモリアルのナンバリングは音沙汰が無い。だけど、平成も終わろうとしているこの時代、超美麗グラフィックの最新ハードやなんならVRなんかで新たなときめきメモリアルが発売されたらどうだろう、楽しいんじゃないですかね。その日が来るのを楽しみにしつつ、今のうちから妻子への言い訳を考えておこう。
※ヒロイン藤崎詩織の攻略というタイトルを付けてしまった手前補足させていただきますと、パラメータの上げ方としては問題なし。敗因はデートの回数不足。1〜2年も隔月程度で適度に詩織をデートに誘えば問題なくクリア可能です!
レッツときメモ!