心の乱れはコンプラの乱れ、コンプラの乱れは社会の乱れ、そういう時代でございます。
さて、カリプソメディア様からご提供いただけました、シリーズ新作「ダンジョンズ4」。来たぞ!
前作ダンジョンズ3は、ゲームプレイはガチのRTSなのにその表現はふざけ倒していた。けれども、デリケートな出来事が続きコンプラ警察の目も厳しい昨今、さすがに続編はマイルドになっていることであろう。
と思いきや、やっぱり不真面目でした。
サイコーだけどね!
まずどんなゲームかおさらいしておこう。ダンジョンズ4はコンプラ上等!のRTS。
ダンジョンズとはどんなゲームか?
私も3からの新参者ではございますが、タワーディフェンス、ダンジョン運営、リアルタイムストラテジーを丁寧に足して、不真面目をぶっかけたようなゲーム。
悪のダークロードとなって地下の拠点施設を強化、拡大し、様々な種類のクリーチャーで悪の軍勢を編成。
地上からやってくる英雄たちにダンジョンハートを破壊されると負け、悪の軍勢を率いて今度は地上へ進撃し、英雄たちの拠点を制圧してステージクリア、というのが主なゲームサイクル。
RTSならではのクレバーな戦略と、そのアメコミ風デザインからシリアスで硬派なダークファンタジーのようにも思えるけれど、残念でした、正解なのはダークファンタジーという点のみ。
その実態は前作同様メタ発言、ガンダム、ジョジョ、ドラゴンボール、北斗の拳(少年ジャンプが多いかもね)セーラームーンなど版権ガチガチな人気作のパロディから下ネタ、不謹慎まで不真面目そのもの。いつか怒られるぞ。
またキンタマの話してるし。
人の親になって思うわけです。子供というものは悪巧みの天才なんですよね。
大人の反応を見ながらイタズラの度合いを強めていくのだ。そうして「ここまでは大丈夫だろう」というバランス感覚を学んでいくのですね。何の話だっけ、そうだ、ダンジョンズ4だ。
やれコンプラだ何だと腫れ物に触るようなデリケートな時代ですが、昔のゲームって、パロディをそこかしこに埋め込んでいたじゃないですか。そんな悪巧みと悪ふざけに溢れている、ダンジョンズは。そうだういうことが言いたかったのだ。
「コンプラ?ポリコレ?知るか!」とでも言わんばかりの表現にニヤニヤしながらゲームするのって何年ぶりだろうか。楽しい。ローカライズもセンス抜群。
正当進化。映像、コンテンツ量、戦略性が前作から大幅にスケールアップしている。
今回も出だしからパロディネタが豊富で、どんなジャンプ漫画ネタが飛び出すのかとプレイし始めると映像が滅茶苦茶綺麗になっているじゃないか!突然真面目を出してくるから戸惑う。
そしてヌルヌル感も増している。これはPS5が凄いのか?フレームレートが上がるとゲームは格段に楽しくなる。
まずは拠点となる地下施設のダンジョン運営パートからスタート。
前回から要領は分かっているので、サクッと金鉱を掘り当てて資金を増やし、強力クリーチャーを雇い、ガンガン地上に攻めていくよ俺は。
と思ったら、拠点と同じ地下空間に、別の軍勢「ドワーフ」が!こういう同じ空間で睨み合うような存在は前作には居なかったはず。
しかしながら、この派閥がとても良いアクセントになっている。
これまでは地上からの英雄軍の侵攻に備える時間があったが、地下という閉鎖空間にある拠点のすぐそばに相手がいることで超至近距離の攻防戦を求められ、前作ではあまり活用できなかったトラップの意義がより強く感じられるようになった。ダンジョンハートへの足かせに留まらない、貴重な攻撃、防御の手段となっている。罠面白い。
まずはこのライバルを蹴落として経験を積み、自軍と施設を強化。地下施設を安定化させてから地上へ侵攻していく。
特徴の異なる3種x複数クリーチャーの中から自由に自軍を編成。キャンペーンが進むに連れてどんどん種類が増えていく模様。
それぞれ物理、魔法、遠近距離など攻撃のタイプの他に回復手段も異なり、プレイスタイルによってまったく異なる編成になりそう。
そして率いる軍勢の人数前作から大きく増えていませんか?エフェクトの強化も相まって前作よりも派手になっている。
難易度は?初心者でも楽しめる?
リアルタイムストラテジーというジャンルはあまり日本では馴染みが薄いジャンルではあるけれど、古くは半熟英雄や伝説のオウガバトルといった超人気作がRTS要素を持っていたりする。という話で親近感が湧いた方はきっとスーファミ世代なのでしょう。
ボス的な敵も登場。ユニコーン、強すぎる。
半熟〜やオウガ〜などはコマンドバトルをRTSに落とし込んだものだけれど、昨今のRTSはというと、登場する無数のユニットがそれぞれ意思を持って近づき敵に攻撃をし、味方を癒し、施設を作り上げていく。賢い。
「RTSくらい知ってるよ」という方は、Age of Empiresよりもユーモラスなのでぜひ触ってみていただきたい。「ユーモアがあるRTSも知ってるよ!」という方は、映画版あぶない刑事でも観に行くと良いと思います。ユーモアの塊だから。
しかし、RTSに馴染みがない初心者でもご安心を。丁寧なチュートリアルで手取り足取り教えてくれるので、普段JRPGでキャッキャ騒いでいる私も抵抗なく楽しめている。
洋ゲーは和ゲーのようにお膳立てしてくれず「適当に動かしてごらんよ」という手探りの強いゲームが多いので抵抗感があるかもしれないけれど、ダンジョンズ4はキャンペーンの中で遊び方を少しずつ教えてくれるので、戸惑いが少なく、触ってみると複雑ではないことに気づく。
でありながら、攻略の幅が広い。
模範的なルートもあるのだろうけれど、徹底的に効率化しながら最短ルートを研究してクレバーに侵攻するもよし、とにかく模索しながらゆっくり長期戦に持ち込むもよし、正面から突撃して軍勢を失っては、せっせと地下の金鉱を探し回って立て直すもよし。攻略の方法は無限大。
ダンジョンズ3とどちらを先にやるべきか?4からでも全然問題なし!
グラフィックやコンテンツ量は現行機だけあって4の方が驚きも大きかった。
かといってシステムが複雑怪奇で混乱することもまったく無かった。RTS楽しいぞ。
キャラクターは前作からの続投ではあるけれど、ストーリーをじっくり楽しむというよりもバカなノリにクスクス笑いながら楽しむのが正解だと思うので、まずはより洗練されたダンジョンズ4をプレイしてみて、システム、世界観にハマってから3でタリヤのルーツを知るのも良さそう。
ダンジョンズ3のタリヤはショートカットだったな。
ジョジョネタも多く使われているので敢えて例えるならば
「たまたま5部ジョルノの話を読んだら面白かったので、適当に3部を読んでみました。」
「3部はもっと面白かったので、1部から全部読むことにしました。」
みたいなノリで遊んでも十分楽しめる。任天堂様や集英社様たちに怒られるんじゃないか?というスリリングな気持ちになるけれど。そもそもゲームプレイそのものが楽しいから。
そしてここ最近めっきり数の減ってしまったパロディ、不謹慎ネタを欲している絶対悪の方、おすすめですよ!