秋葉原は好きですか?
私は好き…ではあったのですが、今となってはソフトは場所を取らないダウンロードに寄りがちだし、レトロゲームを探すのはもっぱらメルカリだ。
こんなんで「街のゲームショップが減っているのは寂しいね」だなんて、口が裂けても言えない。
さて、3年ぶりくらいに秋葉原へ行って参りました。旅行者の増加にインバウンド需要、コロナ前後から顕著化した円安の影響で、この3年間で秋葉原のレトロゲームショップ界隈に何か変化は感じたのか?
3年で外人さん爆増!でも、みんな楽しそう。
その日はまさに2024年東京都知事選当日(もちろん投票済み)。
前日様々な候補者の方々が演説をしていたガンダムカフェ前の熱気はすっかり過去のもの、広場はすっかり落ち着きを取り戻していた…というよりも、熱気はむしろ増しているのではないか?
なにせこの日7月7日は梅雨真っ只中にして気温36度。
3年ぶりに降り立った秋葉原は、先日訪れた渋谷と同じく外国人の方が多かった。YouTubeなんかで旅行者が増えているのは本当だったのだな。
安い、高品質、おまけにチップも無い日本のサービス業は神がかっていると評判だけれど、さすがにこの酷暑だと外人さんももう来たくないだろうな。
と思っていたら、人混みをかき分けぶつかりそうになる御一行はみんな半袖ハーパンでアニメや漫画のグッズを手に大興奮していた。楽しそうだし、まあ良いか。
中でも印象的に外国人の方々が興奮していた建物の一つはこちら。
TAMASHII NATIONS STORE。
ガンダムからドラゴンボール、聖闘士星矢までフィギュアを扱う「魂WEB」の実店舗。
マイケルジャクソンやQueenのフレディマーキュリーといった同社のフィギュアをデスクに飾っているの身としても足を踏み入れないわけにはいかない。と、店内を覗いてみると、そこはお店というよりも博物館だった。
一度イギリスにある大英美術館に行ったことがある。大理石の彫刻群を様々な国々の人が唸るように見ていたが、皆それと同じ眼差しだった。フィギュアは美術作品なのだ。
一方、オフィシャルショップでありながらお店で買える商品の品揃えは少なめ。転売ヤーさんに目をつけられていなさそうな、なんて言うか、こう言っちゃなんだが、その、地味な商品が残っていた。フィギュアの単価は高いし入場は無料だし、次に来た時にいったいどうなっているのかは分からないけれども、ネットで定価で売っているものを偶然見つける程度の私としては一度の訪問で満足。
ゼータは格好良かった。
インバウンド需要高まる中、現地のレトロゲームはそこまで高騰化していなかった。
さて、ゲームサイトらしくゲームショップも巡ってみることにしましょうか。
レトロゲームファンのキャットストリートこと電気街裏通りでは、お馴染みメイドさんたちがビラを配る。36度の酷暑の中甲高い声で呼びかけるその姿は萌えもへったくれもなく。いつだったか出張へ行ったベトナムで猛暑の中客引きをするお姉さん(おばちゃん)に重なる部分があり、余裕のない日本の闇を感じた。みんな、選挙へ行こう!(終わったけど)
そんな電気街裏通りに聳え立つ巨塔のまんだらけから。
キャットストリート(アキバの)の一頭地に聳え立つからにはお高いのでしょう?とか思いながら入店してみると、メルカリ相場かそれ以下、半額近いものがあったりと想像していたよりも安かった。在庫処分してゲーム事業から撤退したりしないよね?とか、要らぬ疑いを持ってしまうほど。まんだらけはちょっと高いイメージがあったのだけれど、レトロゲームは思っていた以上に良心価格だった。
このゲームギアソフトの相場は、箱説明書無しでも4000円はするはずだが…
フリマ界の黒船メルカリが登場して久しい昨今、販管費のかかるゲーム中古店はますます縮小の一途を辿っているけれど、中にはそんなフリマサイトの相場よりも遥かに安い掘り出し物件があったりする。一店目から出鼻をくじかれる。
続いて、30年前から時が止まったようなBEEPも良い。
液晶化されたゲームギアやMSXソフトなんかも売っている。意識やリテラシーの高いお店である。こちらも名作の数々がワンコインで売られていたり、雑居ビルでジャンクグッズが狭い店内でひしめき合っているかつての秋葉原の佇まいがそのまま息づいているよう。
その目と鼻の先にある駿河屋を覗いてみると…
なんと段ボールから開けたてのバーチャルボーイ用ソフト新品が衝撃価格で並んでいた、狂気である。いったいどこからこんな段ボールが発掘されたのか?「もうウチでは管理しきれないから、自分で使うなり転売なり好きにしてください」とでも言いたげである。
肝心な店内の品揃えも3年前と大きく変わっていなかった。こちらも良心価格。
そう言えば、らしんばんはゲームの取り扱いやめたのだろうか?
時間の関係上1階のフロアガイドを横切っただけだったのだけれど、ゲーム(「関連商品」とは記載あり)の記載が無かった。元々品揃えだって悪くなかったのだけれど。あったらごめんなさい。
スーパーポテトは当時から観光地価格だったので割愛。
偽トロキャプチャの「ケイティ」はすっかり跡形も無かった。
そういえば、あつてアキバキャットストリートの奥の奥にあり、Newニンテンドー3DS LLをPC画面に写す「偽トロキャプチャ」の改造を施してくれた株式会社ケイティは結局どうなったのか?
現地を訪れてみると…
残念ながらカスタムPCショップ的なお店になってしまっていた。関連性は不明。撮影OKか分からなかったので、遠巻きに見てみた。
ケイティはあまり良いとは言えない形でお店を閉めてしまったと聞いたけれども、あの時施していただいた私のNew 3DS LLはまだ元気に動いてくれている。
2時間にも満たないの弾丸散策ではあったけれど、レトロゲーム関連は3年前と別に変わっていない印象だった。
シーシャの店とか増えたりとまあなんとも今風になった面もあるけれど。
「物価高だしフリマサイトもあるし、もうわざわざ秋葉原まで行って買うこと無いよね。昔はよかった」なんて懐古的な記事になるかな…と思ったけれど、全然そんなことはなかった。まだまだ発見が多い。そして現物を手に取って確認できる楽しさはアプリやインターネットでは味わえない。また行こう。
…真夏の酷暑に行くのはうんざりだけれど!