「日本一有名な個人ゲーム店、35年の歴史に幕」ヤフーニュースにそんな見出しが。またひとつ街のゲーム屋さんが閉店していくのか、と何の気なしに記事を見ると、写真の外観にどうも見覚えが。その昔親しい知人がこのエリアに住んでいて、時々このお店にも足を運んでいたことがある。
東京江戸川区にある「ゲームズマーヤ」は企業と連携して体験会や試遊会、龍が如くの名越稔洋氏やメタルギアの小島秀夫氏など、業界の著名人を招いたイベントを積極的に行ってきたゲームショップ。そしてお店にはいつも元気な女性の名物店長さんが。
そんな聖地のようなゲームショップが閉店と聞いて居ても立ってもいられず、伺ってみることにしました。
閉店発表当日はやはりバタバタだった模様。
有名ゲーム店、店長の体調を理由についに閉店。そんなニュースが目に入った日の夜、ホームページの問い合わせ先が会員専用だったこともあり、無礼を承知で電話をかけてみることに。
スクウェア・エニックス社など、大手ゲーム企業からも労いの花が。
幸いすぐに繋がったものの「ちょっと待ってくださいね!」と応対しくてれた店員さんの向こうから、お客さんを見送る女性の明るい声が。最後に訪れたのは10年くらい前だったけれど、確かこんな声だった気がする。
こんなタイミングに電話をしてしまったことに申し訳なさと後悔の念を抱いていると、店長が電話に出てくださいました。かつて通っていた身として明日お伺いできないかと申し出たところ「もうぜんっぜん!店内の写真もいくらでもOKですよ!ツーショットでも大丈夫(笑)」と、ふたつ返事。どう考えても慌ただしいであろうこのタイミングであまりに快くご承諾を頂き、なんとも意表を突かれた気持ちに。
お店の入り口には閉店を知らせる張り紙が。35年という時間を経てどんな気持ちで貼ったのだろう。
ゲームズマーヤの復活は?
ゲームズマーヤの名物店長、秋谷久子さん。とにかく終始笑顔。
私「体調は大丈夫ですか…?」
ゲームズマーヤ店長(以下「マ」)「なんとか…。でもお医者さんは一応「早くやめなさい。」って(笑)」
私「そうなんですね…。」
マ「ストレスなんですって。ストレスが軽減されれば、大分違うようになってくるって。」
私「体調が良くなったら、復活なんてことは…?」
マ「え!?」
私「ストレスが軽減されてお体の具合が良くなってきたら、また開店しないかなあって…。」
マ「(爆笑)いや〜!今のところは考えられない。とにかくゆっくりしなきゃっていうのがあって。」
すっかり値段も下がったPS1のソフトも多数。確かこれくらいの時期にお世話になっていたような。
私「店長のお人柄に寄せられて来られる方も多いと思うんですが、もう会えなくなっちゃうのは寂しい人も多いと思うんです。」
マ「とんでもないです、めっちゃワルいですよ(爆笑)」
私「例えばこの先飲食店をやられるとか(笑)」
マ「(爆笑)今は考えてないですね。やっぱり体治さなきゃっていうのが一番で。そのためには体力作りだったり、ジムに行ったりとか。みなさんにも事情をお話して…。」
私「みなさん納得されてますか…?」
マ「昨日もめっちゃ怒られました(笑)「どこで買えばいいんだ!?」って(笑)痛いですね、その言葉は…。「これからどこで買えばいいんだ…」って言われちゃうのは。ごめんなさいって言うしかなくて。」
この先ゲーム店経営は大変?
私「なかなか小売店の生き残りが厳しいとは言われてますけれど、今既に頑張ってゲーム店を経営されている方、あるいはこんな時代だけど、これからゲームに囲まれてゲーム屋さん始めてみたいな…なんて人も中にはいると思うんです。やっぱり今ゲーム屋さんを経営するって凄く大変なんでしょうか…?」
マ「大変だと思う。パッケージは大変だと思います、これから将来的にも。そういうお店が無くなるわけじゃないと思うけれど、その中で生き残っていくためには余程の個性が無いと。それから資金力もだし。」
私「トイザらスとかも潰れちゃってますしね…。」
マ「そうね、アメリカのね。アマゾンなんて「え〜!?」って感じだったでしょうね(笑)」
ファミコン、スーパーファミコン、ゲームボーイなどのレトロゲームソフトもあり。こうあって欲しい街のゲーム屋さん理想の姿。
ニュースに載るだなんて思ってもみなかった!
私「お店には子供さんも多いですよね。そういえば4歳の子供がいるんですけど、子供にやらせるのにおすすめのゲームとかありますか?」
マ「パパがおやりになっているものを見て…(反応を見てから)で良いと思いますよ。」
子供達にとっても社交の場。近所のおばちゃんがこうして声をかけてくれるお店はいったい都内にどれほどあるだろうか。
私「店長も普段ゲームはされますか?」
マ「下手ですけど。最初は見るだけでしたよね、もう今は全然暇が無くて。あとは目に悪いのであまりできなくて。テレビとかも今は見れていなくて。とにかく目を使うようなもの、パソコンとかもやるから。目からも刺激があって、そういうのも(負担が)大きいみたいです。で、なるべく今は(避けるように)、先生から言われていて。そういうのもあって。」
私「そうなんですね…。でも、名残惜しい方も多いと思うんです。」
マ「そうですね、そう言っていただけると。でもあんな、まさかニュースに載るなんて(笑)本人の方がびっくりしているくらいで(爆笑)」
私「それだけ影響力があるお店なんだと思います。僕も「ああ、また街のゲーム屋さんがひとつ無くなっちゃうんだな…。」と思って記事を見てみたら「アレ!?」って。急に寂しくなって、いてもたってもいられなくて…。」
マ「(笑)ありがとうございます!」
私「またこの辺りに来る機会があるかもしれないので、お邪魔させてください。」
マ「閉店まではちゃんとやってますし。それ以降も中で作業がありますので、お店にはいますので(笑)ぜひ来てください。」
私「最後まで大変ですね…。」
マ「最終日前日にはこの子(探偵ピカチュウ)も来てくれるので。」
私「ピカチュウですか?」
マ「普通のピカチュウは時々来てくれるんですけど、この「名探偵」はレアなんです。名探偵ピカチュウが特別ゲストだなんて素晴らしいです!今回初です。最終日はいろんな人が来るので…。有名な方も来られるんじゃないですかね。」
私「そのくらいみなさん名残惜しいってことでしょうね…。」
マ「お客さんにも絶対会って欲しいですし。最後のプレゼントがお客さんに対してできたかなと思います。」
ゲームズマーヤの秋谷店長、太陽のような女性でした。
マーヤの秋谷店長はわざわざ店の外まで見送ってくれて、何度も何度も頭を下げてくれました。
お店を出るお客さんに対して、何度も何度も頭を下げる秋谷店長。
太陽のような、花のような方でした。
今回の滞在時間は約15分、店長はずっと笑顔。私同様、閉店の知らせに思わずやって来たお客さんにも、お店の一角でいつも通りカードゲームで遊ぶ子供達に対しても。「嫌な顔ひとつしない」というのはこういう態度を言うのだろう。言葉は悪いけれど、かつてゲーム雑誌に連載を設けるほどの名物店長はそれを全く鼻にかけることなく、お店にいる時には明るく優しい近所のゲーム店のおばちゃんなのだ。それ故に大きなストレスや気苦労も大きかったのかもしれないけれど、そんな店長の振る舞いと見て、ゲームファンにとって、地域の子供達にとってもゲームズマーヤはかけがえの無い場所だったわけで。
そして店長が仰った「生き残っていくためには余程の個性が無いと」の一言は、厳しい環境で生き残ってきた店長だから感じた、そしてゲーム店だけに限った話では無い金の言葉のように心に響きました。
とにかくまずは静養、早くお体を治して頂いて、近所の方や子供達に、またあの明るい笑顔を見せてあげてもらいたいものです。
大変お忙しい中お話を聞かせて頂いた秋谷店長、ありがとうございました。そして35年間本当にお疲れ様でした!
私も閉店を知った瞬間泣きそうになりました…。
小さい頃からここによくかよってたり学校の帰りに癒しを求めに行ってよく遊びにいきました…
入った時に店長さんがいると必ず挨拶してくれてまじで癒されました…
体調不良での閉店はほんとにしょうがないですよね。
店長さんにはゆっくりやすんでもらいたいです。
知りませんでした。
学生時代大変にお世話になりました。
移転前の確かゲームズマーヤじゃなく、
おもちゃ屋マーヤの時代からです。
中古のpsソフトでも、
親身に探してくれたのを覚えてます。
自分の青春時代の貴重な思い出のお店です。