やってみた!ハクスラARPG「ヴィクターヴラン オーバーキルエディション」どんなゲーム?面白さは?


デドバイやバトルプリンセスマデリーンなどをリリースされているゲームパブリッシャー3goo様から、またもや発売に先駆けて新作サンプル版をご提供いただけました。今回はPS4、Nintendo Switchでリリースされるハクスラ系アクションRPG「ヴィクター・ヴラン オーバーキルエディション」

このオーバーキルエディションは、2015年に発売されたオリジナル版にDLC「砕けた世界」「モーターヘッド」が追加されたもの。前者はダンジョンがランダム生成されるハイレベルプレイヤー向けのコンテンツ。そして後者はというと、その名の通りあのヘヴィメタル界の重鎮「Motörhead」とガチのコラボを行ったもので、新たな世界、武器などが追加されたのだとか。

ところで、私はロックが好きです。特にHR/HMも大好物で、往年のベテランからピロピロ系まで大好物で、おじいちゃんになったら友人とヨタヨタしながらモトリークルーのコピバンでもしたいなと考えているほどロックには小煩い人間です。なので、今回この作品が「Motörhead風のワールドを用意してみましたよ」程度のにわか仕様だったら、お預かりしたこのサンプル版にダサかっこいいメタルTシャツと雑誌「BURRN!」を添えて3goo様に着払いで送り返そうと考えておりましたが、これがとんでもなく熱いコンテンツでした。

ヴィクター・ヴランってどんなゲーム?多彩な武器とスキルで敵軍勢をボッコボコに!

レビューさせていただくにあたり、まずは「ヴィクター・ヴラン」って、いったいどんなゲームなの?というご紹介から。

ざっくりと言えば、様々な武器とスキルを使ってワラワラと登場する敵をザックザックなぎ倒していくハクスラ系アクションRPG。日本で馴染みのあるゲームだと無双シリーズに近い感覚ですが、メレー要素を抜きで言えばこちらの方が爽快感は強め。

武器の種類はソード、ハンマー、レイピア、サイズ(大鎌)といった近接武器に加えて、ショットガン、ライトニングガン、ハンドモルタル、そして魔法書トームといった遠距離武器と、それぞれ特徴やリーチ、効果が全く異なる武器は実に多彩。

武器にはそれぞれランダムに攻撃力、付与効果、レアリティが設けられ、道中運良く驚くほど強力な武器を入手できてしまうことも。新たな武器を取るたびにその効果を試しながら自分のプレイスタイルに合わせて敵をボッコボコになぎ倒していく楽しさはハクスラならではの魅力。

それぞれの武器には特殊攻撃が2種類ずつ設けられ、広範囲の敵を一網打尽にしたり自身の能力を高めたりといった様々な効果が。

また、相手に攻撃を加え続けると蓄積されていく「オーバードライブ」ゲージが貯まると「デーモンパワー」なる強力な必殺技が発動可能に。これも威力や効果の異なる技を付け替えることができます。

そして、クリティカル率や攻撃力、アイテム獲得率などの能力基礎値を上げるものから、クリティカル発生時に爆発効果を付けたり、追尾性の弾を複数発車したりといった手数が増えるものまで、常時発動となる特殊効果が付与される「デスティニーカード」の付け替えによって、さらに戦略の幅やザックザクでボッコボコ感が増加。

各エリアには「○○を特定の武器で○体倒す」「ポーションを使わずに特定の敵を倒す」といった条件が設定され、これらを達成することでアイテムや経験値、資金などを大量に獲得するチャレンジも。

ディアブロとはここが違う!幅広いカスタマイズ性と探索要素が楽しい!

ハクスラということで、どうしても比較されるのは代名詞「ディアブロ」ですが、こちらのヴィクター・ヴランも負けてはおらず。

ディアブロが、プレイ開始時に「バーバリアン」「ネクロマンサー」といったクラス(職業)を選択、それぞれ得意分野に特化した装備や攻撃手段でゲームを進めていくことになるのに対し、このヴィクター・ヴランはというと職業のような概念、能力や攻撃方法の違いが無いため、キャラメイクに依存せず能力やプレイスタイルの自由で幅広いカスタマイズが可能です。

もう一つディアブロと異なる特徴としてはジャンプ操作。

このジャンプによって、戦闘時のスピーディーな立ち回りや障害物の飛び越え、高低差を活かしたルート巡回や隠しルートの発見といった探索要素も楽しめます。

雑魚敵は強め?ボスはそれぞれ行動が個性的!

ディアブロ同様ウジャウジャと現れる敵をごそっと一掃する快感は強めですが、雑魚敵であっても火力のある攻撃をしてくる相手も。立ち回りを疎かにすると、立て続けにダメージを受けることもあります。

またエリアに登場する「チャンピオン」といった中ボスにあたる敵も、アイテムをドロップする代わりに油断できない強さ。

そして巨大なボス戦がまた面白い。下っ端モンスターをワラワラと呼び出すだけではなく、援護射撃を撃つバリアを生成したり、特定の部位しかダメージが通らなかったり、エリアに登場するオブジェクトを破壊すると敵の攻撃が緩んだり、手の込んだ小賢しい攻撃や仕掛けが丁寧に作られています。

そこにたどり着くまで、ボッコボコになぎ倒してザクザクと経験値や資金を稼いで来た雑魚戦とは戦い方を変える必要があります。

本編以上にヤバい!DLC「モーターヘッド」

さて、バリエーションがどうとか爽快感と緊張感、操作性がどうとか、ディアブロと面白さが違うとか色々と語って参りましたが、本作の魅力はそういう話ではなかった。

DLCとして追加されている「モーターヘッド」、これこそが本作の真髄だった。


本作は本編とは独立した(ステータス等はもちろん本編と共有)世界とシナリオを楽しめ、効果の全く異なる武器や衣装などのアイテムが追加されています。

BGMでは拠点のバーからフィールドまで、「Ace of Spades」や「End of Time」といった、Motörheadの名曲の数々が爆音で流れます。本編は情緒的なBGMなのに対してこのモードでは終始MotörheadのやかましいBGM。良い意味で本編の雰囲気をぶち壊している、なんならもはや悪い意味でぶち壊しているのかもしれない。

けれどなぜだろう、ニヤニヤが止まらない。

このモードでなんと言っても特徴的なのが、新しい武器である「ギター」

爆音を鳴らしながら円形に回転する衝撃波のようなものを3WAYで飛ばし、リズムよく攻撃をするとクリティカルが発生しやすいのだとか。しかもこのギターも形がレスポールからフライングVまでわざわざ作り込むという無駄な拘りが。

そしてこのギターで攻撃を行うと、一定確率で「ヘドバン」という状態異常が発生。

この状態になると、スケルトンもサキュバスも本当にその場で皆ヘドバン(ヘッドバンキング)をし始めるという、遊び心を通り越して、もはやふざけ過ぎのレベル。

サソリも犬もみんなヘドバン。ロックに国境は無いのだ

このモードではMotörheadお馴染みのマスコットキャラクター「ウォー・ピッグ」が、各ステージの最後に様々な姿に扮してボスとして登場します。

「マスコット」っていうほど可愛らしいビジュアルじゃないけどね

シナリオにはもちろん今は亡きレミーキルミスターをはじめMotörheadのメンバーが登場し、手紙を拾いながらシナリオを進めていくことでバンドメンバーの名言と思しき肖像画が集まっていきます。

この名言がまた凄い。

「欲しいものって言ったら、ピアノ一色とヒツジ一匹だな」「俺たちが隣に引っ越してったら、お前ん家の芝生は枯れちまうさ」とか、さすがロックスターは言っていることがもう理解不能。理解に苦しむけれど、ジワジワ来る。

ツアーバスにクソ爆弾!…なんでそんなことしちゃうの?

もうこのゲームは「ハクスラ系アクションRPG」とかではない、「Motörhead」だ。そして、MotörheadのBGMに高めに高められた高揚感を抱きながら、荒廃したステージへヒャッハーと飛び込んでいくのだ。

「モーターヘッド」だけでプレイの価値あり!近年稀に見るアナーキーさ、バカゲーのノリを真剣に向き合ったハクスラ系ARPG

以上、ヴィクター・ヴラン オーバーキルエディションのご紹介でした。

今回ご紹介できていない要素ばかりで、じっくり長い時間楽しむことができそうです。また、ビジュアルに反して実は初心者でも遊びやすいシステムなので、家族や兄弟と一緒に売りのひとつであるローカルマルチプレイを楽しむことができそう。もちろんオンラインマルチで離れたフレンドとCOOPプレイをすることも可能。

それはそうと、この「モーターヘッド」。

このモードには、新規タイトルで久しぶりに大きく感銘を受けました。デビルメイクライなどロックでアナーキーなゲームは世に多くありますが、その中でも近年稀に見るインパクトの強さ。

作り手に無礼を承知で申し上げれば、極めてバカゲーに近いノリであって、バカゲーをとことん真剣な姿勢で取り組んだ印象

よくこの企画通ったな、というのが率直な感想。そしてMotörheadを貫き通した男気溢れる、いや、むしろ暑苦しいほどの企画と判断には感謝と尊敬の念に堪えません。一瞬でも薄っぺらい「Motörhead風」を想像してしまった自分を強く恥じたい気持ちです。

とにかく、ハクスラが好き、もしくは興味があり、何かに憤りを感じてムシャクシャいる人であれば間違いなく楽しめます、まさに隠れ名作。

あるいはすでに本編は所持されていてDLC未プレイであれば、この「モーターヘッド」は確実にプレイされることを強くオススメします。

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