あのテイルズシリーズがワンコインだったら買って後悔するか?買わずに後悔するか?
3DS夏のセールで衝動買いしまくっておりましたが、テイルズシリーズスピンオフシミュレーションRPG「テイルズ オブ ザ ワールド レーヴ ユナイティア」が500円だったので衝動買い。
時々大炎上案件を挟みつつも安心安全信頼品質を提供してきたテイルズなので、失敗することはなかろうくらいの軽い気持ちでプレイ。サクッとクリアしてしまったのでレビューです。(後悔のくだりは何だったのか)
テイルズにしてはシステムが素朴であっさりめ。(で、大味?)
テイルズと言えば、スキルや装備品、技の強化、シリーズによっては武器防具の生成などもあるやり込み要素満載、ストーリー本編のクリア時間も概ね50時間以上がほとんどの大作RPG。フラッグシップタイトルを買った日には、それは楽しみではある一方できっと使わないまま終わるシステムもあるだろうとその複雑さに身構えるほど。
実際、1年前に買ったテイルズオブアライズを未だクリアしていないのだから。(つまりつい最近大炎上案件を引き当てたということ!?)
ところが、このレーヴ ユナイティアについてはシステムも全体的なボリュームもあっさりめ。
収録キャラクターは、2012年に発売されたエクシリア2まで。
本作はテルン編、ナハト編と、キーパーソン二人の主人公による2つのシナリオで構成され、どちらかを選んでゲームを開始。それぞれ登場するキャラクターが異なる。
ゲームのサイクルは、シナリオを進めてステージをクリアし、拠点でスキルを習得、レベルが足りなければ闘技場で経験値を増やして次のシナリオへ…という流れが基本。
サブクエストのようなコンテンツは無く、寄り道することなく一直線にストーリーを進めた結果、クリア時間は10時間とちょっと。
戦闘システムもシンプル。
敵味方入り乱れて素早さの早い順でユニット一体一体を動かして行動して終了するという昔ながらのシミュレーションRPG。
テイルズならではの仲間がAI的な一斉行動をしてくれたりするわけではなく、地形効果は特に無く、ターン割り込みのような行動も特になし。シミュレーションRPGとしてはなかなかの大味。
敵軍の先の先を読んで行動するのが得意ではない私だからこうして黙々と楽しんでいるけれど、手強いシミュレーションRPG好きがプレイしたらそれはもう大事故必至案件かもしれない。
育成要素もあっさり。強化に必要なポイントは渋め。
戦闘やボリュームがあっさりならせめて育成要素あたりはガッツリなのでは?と期待していた結果、こちらもあっさりめ。この時点で本作の作り込み度合いを概ね理解。
基本本作の強化要素は装備品、スキル、そしてレベルのみ。
装備品はアクセサリーのみで、武器や防具は無し。
キャラクターに個性を付ける強化要素スキルはどうなんだい?
戦闘で獲得したポイントを消費して、あらかじめキャラクターごとに定められたスキルを習得、強化可能。また闘技場やシナリオで獲得できるスキルの書を使用することで、所持していないスキルも習得可能なんですね。なるほど。
しかしながら一度の戦闘で稼げるポイントに対して取得できるスキルの数はやや渋め。
一つの主要スキルを身につけるまでに一体何度繰り返しステージをクリアしなければいけないのだろうか。
と言っても、その一度の戦闘はストーリー戦でも10分前後、闘技場や過去のステージ再チャレンジでは3〜5分くらいで終わってしまうのだった。物凄い作業感。
また、戦闘で稼いだ資金で最大10段階までショップレベルをビルドすることができ、ショップで購入できるアイテムとアクセサリーが増えていく。
ところが、こちらもも戦闘で稼げる量とビルドに必要なガルドが渋い。
それなら最後までビルドしたらさぞかし貴重で役に立つアイテムが購入できるんじゃないか!
と思ったら、装備すると「敵撃破時にAPを最大値の5%回復する腕輪」「敵撃破時にHPを最大値の10%回復する腕輪」といった効果のあるアクセサリーとかなり出し渋りまくっている印象。高い金払って強化し終えたのだから、もうちょっとこう凄いアクセサリーとか何かあるんじゃないか?
レーヴユナイティア、あっさりシミュレーションRPG。作業感が嫌いじゃない方は何も考えずに楽しめる。(が、作業が嫌いな人には苦痛!)
ここまで不満じみたような物言いが並んでおりますが、結論として、単調作業が嫌いではない人、サクッと遊びたい人は小難しいことを何も考えずに黙々と遊べる。実際私なんてこの作業が嫌いではないので、この通りもう30時間以上続けていますからね。
ロード時間もほぼ無し。ただし、グリグリ動くステージなどによっては、時々「ファミコンか!」と思うほど処理落ちめいた挙動も見られるけれど、まあご愛嬌。本当に褒めているのか?
何も考えず、手だけ動かしていればある種お手軽に達成感が得られるので、テレワークの方なんかは、出番のない打ち合わせの時にでも遊んでいると、なんとなく会議にも参加でき、それなりに達成感も感じられるので精神衛生上良いんじゃないですかね。
レベルもサクサク上がっていく。
戦闘のスピードだとか、オートで行動してくれるだとか、そんなスマートなナメた機能など備わっていないので、男らしく毎回ひとりひとりキャラクターを動かしては行動するのだ。
難易度もファイアーエムブレムを散々やってきた身としては恐ろしいほど簡単。
そして、作業感が苦手だったり「シミュレーションは戦闘はじっくり考えて行動したい」なんていう頭脳派プレイヤーさんにとっては苦痛以外の何物でもないかもしれない。
カットインで連携なんて攻撃もあるはあるけれど。
しかしながら、シリーズを跨いだキャラクター間の駆け引きがフルボイスで楽しめるので、Amazonやそこらへんで売られているような破格であれば、価値あり。
それ以上フルプライスの名作を買ったら「やっぱりゲームってこうでなくっちゃ」と、本作を放り投げて迷わず積むだろうけれど。
2つのシナリオクリア後は?特に新しいシナリオやコンテンツが追加されることはなし。
以下はネタバレになります。
冒頭で申し上げた通り、このテイルズ オブ ザ ワールド レーヴ ユナイティアは、ゲーム開始時に2つのシナリオを選択可能。
そして、クリア後にセーブデータをよく見てみると、一方のシナリオのクリアの証明らしい星マークが。
ということは、この2つのシナリオをクリアしたら何かが起きるのか?
実は「ここからが本当の戦いだ」と言わんばかりに隠れシナリオや新しいモンスター、武器強化要素などがやっと解放されてが登場し、真のボスが登場したりして!?
期待に胸膨らませて両方のシナリオをクリアした結果!そんなことはありませんでした。
特に新たなシナリオ的なものは発生せず。
シナリオ両方クリアしてレベルもここまで上げたらもうある程度やったとみなして良いでしょう。
また周回プレイ時、シリーズおなじみのグレードを消費して各種データを引き継ぐことが可能。
そしてその項目の中に、別々のシナリオごとに加わるメンバーを最初から仲間にすることができるというシナリオを跨いだものが含まれていて、そこで初めて本作で全コンテンツがユナイトされたなとは感じた。
よって、最後まであっさり目のシミュレーションRPGなので、ガッツリとやり込み派のプレイヤーさんであれば素直にファイアーエムブレムか、テイルズのお祭りゲー好きならレディアントマイソロジーあたりを今更買ってみた方が「やっぱテイルズ楽しいよね」という気分に浸れるかと思います。