かつてゲームショップの棚に平置きされていた3DSのソフトも今や現行機に追いやられ、BOOKOFFの網のラックに引っ掛けられている昨今。
ひとつのリングにまとめて吊るされた3DSの袋の束をパラパラめくってみると「ロストヒーローズ」が700円という価格で売られていた。
「持って帰っておくれよぅ」
そんな声に導かれるまま袋を手に取り、抱き抱えるように家へ帰った(もちろんお金は払いましたよ)
ロストヒーローズ2プレミアムエディションはプレミア化しているが、1は安かった。
ロストヒーローズといえば、ロストヒーローズ2 PREMIUM EDITIONが1万円を超えるプレミア価格で取引されている。
一方今回の1はというと、720円という激安価格で売られていた。
「あんたの弟はずっと出来の良い子なのにね!」
迎え入れたはいいが、意地悪な継母に罵られる連れ子。
しかもお会計をしていると店員のお姉さんがバーコードを読み取った後で怪訝な顔を浮かべ、何かをレジで操作。その後もう一度読み取ると、720円ではなく500円だった。何から何まで不憫過ぎるぞ、ロストヒーローズ1。
辛かったろうに。
安心しなさい、パパはお前の味方だから。そう言って、「あしながおじさん」であるジョン・スミスは3DS本体にカードを差し込んだのである。
ここまで長く説明申し上げましたが、「安かったから買った」これに尽きる。お付き合いくださった皆様に対しては感謝でいっぱいです。
ロストヒーローズ、面白いじゃないか!育成要素もバリエーション豊富!
ここからは肝心なゲームのご紹介に入りますよ。
なにしろ500円という価格である。まあこんなもんだよね?と、小一時間楽しんでそっと電源を落とすかもしれない。
が、楽しいぞ。
女神転生や世界樹の迷宮などと同じ3DダンジョンRPGで、ウルトラマン、仮面ライダー、そしてガンダムのキャラが入り乱れて目まぐるしく動く。
戦闘では方々からキャラクターが敵の元へ飛び込んでいって代わる代わる派手な攻撃を繰り出していく。
育成システムも豊富。
戦闘で獲得したAPを消費し、キャラクターごとに設けられたスキルツリーをアンロックしていくことで、新しい技を次々に覚えていく。
さらに特徴的なのが「チップ」。
確率でドロップする敵の情報媒体のようなもので、拠点に持ち帰って分析することで以降相手の残HPが見られるようになるだけではなく、特定の組み合わせのチップが揃うことで「フォース」と呼ばれるアビリティを習得し、好きなキャラクターに付けることで、アクティブ、パッシブなスキルを使うことができる。
ドロップ率はシビアで、体感的には5%くらいではないだろうか。しかしながら、どんなフォースを手に入れることができるか楽しみで、何度も戦ってしまう。
そして、装備強化。
敵がドロップする素材を最大5つまで装備品に合成することで、パラメータの基礎値を上げたり、属性効果や耐性を追加させたりすることができる。奥が深いぞこれは。
楽しい。迎え入れた我が子は生き生きとし、驚きと感動をもたらしてくれている。
世界樹張りに難易度が高いぞ。
ところがちょっと待ってくれ、難易度が高いぞ。
いきなり反抗期?
戦闘でもオートや倍速など今っぽい快適機能は備えているものの、適正レベルのエリアで何も考えずにオートにするとあっさり戦闘不能になることも珍しくなく。
またボス戦においては、一撃で仲間の最大HPの半分以上を持っていかれることも珍しくない。迎え入れたはいいが、いきなり反抗期がやってきたみたいな感じですね。落ち着きなさい。イテテテ!
こうして昔のハードに興じるだけの大人の戯れであれば良いのだけれど、仮面ライダーやウルトラマン好きのちびっ子が推しのヒーローがいるからとプレイしたらどうだろう?結果はとんだ返り討ちに遭うだろう。
それもそのはず。このロストヒーローズの開発は、あの世界樹の迷宮を作っているランカースなのだ。ちびっ子だろうがこどオジだろうが関係ないぜ。
ウルトラマン、仮面ライダー、知らなくても楽しい!けどこれはちびっ子向きではないな。
このタイミングでストーリーについて申し上げると、スパロボや何かで出てくるような異次元に巻き込まれて「ここはどこなのだ?」状態のよくあるタイプ。この手のヒーローものはストーリーなんてものは二の次なので「そういうものなのね」くらいに捉えておけばよろしい。
仮面ライダーもウルトラマンも小学校1〜2年生くらいで卒業してしまった私なんてのは、メビウスだのダブルだの全く知らない。
けれど、仮面ライダーとウルトラマンは肉弾戦で戦うヒーローで、ガンダムは銃器で戦うモビルスーツなんだねくらいの知識で十分楽しめる。
ウルトラマンも仮面ライダーも全く知らないなんて人がいたら、敢えて本作を遊ぶくらいならドラクエでもすれば良いとも思うけどもさ。
1000円以下でプレイする価値は?大あり!
結論、今安価で売られている本作を遊んでも楽しいか?
答えはYES。500円で買えたけれど、もともと表示されていた700円くらいだっても買ってよかったとはっきり言える。
コレクション要素や育成、ビルド要素はきちんと備わっている。
戦闘の演出面でもなかなか楽しませてくれる。
私なんて、ガンダムはさておいてウルトラマンも仮面ライダーも登場キャラの1割も知らない。けれど、現代のRPGとしてのコンテンツボリュームや遊びやすい機能もバッチリ備わっているので、「特に遊びたいゲームは無い。けれど、偶然BOOKOFFで安く売ってたけれどもこいつは楽しいのかい?」という方でも期待以上に楽しめると思う。知らない仮面ライダーもかっこいいしね。
本作を機に仮面ライダーを久しぶりに見たら、かっこいいよね。
しかし3DSは楽しい。物色し続けたい。もうSwitch以降のハードなんか遊ばなくても良い。
とか過去にも大口叩いたけれどガンガンSwitchで遊んでいる。しかしながら、まだまだ眠る旧ハードの魅力にこれからも迫りまくっていきたい!