「幻想クロニクル」レビュー 他のケムコ製RPGと比較して面白さは?


ケムコ様からご提供いただけました、幻想クロニクル。

かつてガラケーでプレイできた本作がPSPやスマホ版を経て現行機へ移植。携帯電話の進化を目の当たりにしてきた世代としては、コンシューマー機と同等の高品質ゲームが携帯で遊べた時それは感動したもの。その時代をけん引してきたのは他ならないケムコであり、そのチャレンジングな姿勢には尊敬の念を抱かざるを得ない。

数々の名作をチューニングし、風化させることなく現行機で遊べるのは嬉しい。

ということでレビューを。フロントビューRPG最高!

ケムコでは珍しい?フロントビュー視点。難易度は歯応えあり!

ケムコといえばサイドビューのド派手な戦闘が多いが、この幻想クロニクルは珍しくフロントビュー視点。もちろん敵キャラはウネウネ動いてくれる。

キャラクター固有の技はレベルアップで習得。最終的にはこのスタンダードな習得システムに覚える安心感よ。

キャラクター同士には「絆レベル」が設定されていて、このレベルが高くなると同人間で使用できる連携技の精度が高まり、威力や効果が上昇。

そして難易度が良いぞ!

ケムコRPGの快適さに浸り、初めて踏み込むエリアで迂闊に高速オート機能なんて使おうものなら全滅しているので注意。

後に説明する守護獣、バフ、デバフ技を適切なタイミングで上手く使わなければ返り討ちに。これくらいの難易度が戦闘は楽しい。特にダンジョンに登場するユニークな「強敵」は倒し応えあり。

攻守を自動で判断し行動してくれる「守護獣」システムをうまく活用すべし!

本作の特徴は「守護獣システム」。

キャラクターごとにセットできる守護霊のような存在。

攻守の方針を設定することで、戦闘中追撃してくれたり敵からの攻撃を肩代わりしてくれたと自動で行動。ジョジョでいうスタンド、ジャイアンでいうスネ夫みたいな感じか!違うか!

戦闘を繰り返すことでキャラクターと守護獣との絆レベルが高まり、被ダメージを抑える効果が高くなっていく。

盾として使うか火力を上乗せするかはプレイヤー次第。守護獣が倒され丸裸になった時の緊張感たるや。あとはもう甘んじて攻撃を受けることも多々。

もちろん守護獣もレベルを上げたり、アイテムドーピングによってパラメータを上げたりと育成させることが可能。

スーファミ世代としては、名作バハムートラグーンを思い出した。人間ユニットそっちのけでドラゴンをメキメキ育成させたりなんかして、あれも楽しかったのだった。

レア素材を使っての装備強化は分岐もあり!闘技場が楽しいぞ。

育成要素として装備品強化もあり。

モンスター討伐やダンジョン探索、街に設置されたギルドで任務を受注、達成することで希少なアイテムを報酬として獲得。これらを素材として所持している武器、防具を鍛冶屋で強化。

強化によって武器、防具のレベルが一定に達すると、別の特徴を持った装備に分岐が発生。属性など付加効果のある武器にするか、単純な数字のデカさを取るか…。

結果、頭を使うのが苦手なのでデカいのを取りがち

強化といえば、ゲーム中盤に登場する闘技場が楽しい。

闘技場では、ランクごとの相手チームに勝利することでパラメータアップアイテムなどの報酬を獲得することができる。

「ステータスの強化?お好きなだけどうぞ!」的な寛容な作りっぷりはさすがケムコ製RPG。強化厨プレイヤーにはたまらん。

他のケムコ製RPGと特徴を比較してみた。

良質なRPGを手軽に遊べるケムコRPGの知見も貯まってきたところで、同社製既存タイトルとのテイストの違いを比較してみよう。

育成することで無双プレイできるか、緊張感ある戦闘を楽しめるかのバランスを縦軸に、カラッと明るいコミカルか、ダークでシリアスかのストーリー種別を横軸に配置。

幻想クロニクルはケムコRPGの中でもストーリーはダーク。

主人公ライトは身寄りの無かった頃に村の長老オーマに育てられる。

村のためにと義勇隊「ホロスオーバー」に入隊したものの、ある日村へ戻ると何者かに襲撃を受け、育ての親であるオーマたちは突然姿を消していた。

なぜ村が襲撃を受けたのか?オーマたちの足取りを追う中で出会う者たちの正体、そしてライト自身の出自は?というところから物語のスケールが大きくなっていく。

やり込むことでラスボスも秒で倒せるようになるほどバランス大崩壊させて楽しめる既存タイトルに比べると、戦闘はバランス重視で手堅く緊張感あり。ひとつひとつの行動を熟考するスマートなプレイヤーは楽しいはず。

クリアしてからが本番の構成!?データ引き継ぎ周回プレイもアリ!

とか遊んでいるうちに80時間くらい遊び続けてしまった。エンディング後もストーリーは続く。

バランス型と上述しつつもやはりそこはさすがのケムコ製、経験値稼ぎにドーピング、時間をかければかけただけ我々の強化したい願望を満たしてくれる。もちろんクリア後のデータ引き継ぎ周回プレイにもバッチリ対応してございましてよ。

この良質なRPGが1000円ちょっとで遊べてしまうのは嬉しい。フロントビュー視点の戦闘や原点回帰した古き良き王道RPGが好きな方であれば楽しめるはず。こういうので良いんだよこういうので。

「携帯電話はメールと電話」の時代にケムコはさまざまなRPGをガラケーで配信してきた。今こうして当時のレガシーがリメイクや移植という形で現行機で遊べるように作り直してくれることは本当に嬉しい。あの頃のカクついたガラケーの動きはすっかり滑らかになってしまったけれど、名作はいつ遊んでも色褪せないし、まだまだ移植されていない作品も多い。今後もその動きから目が離せない。

幻想クロニクル ダウンロード版 | My Nintendo Store(マイニンテンドーストア)

幻想クロニクル|PlayStation Store

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