【画像あり】「サガフロンティア2」名シナリオ「病床の母」から読み解くストーリーの魅力


そういえば新作サガ「スカーレットグレイス」がVitaで開発中とのことですが一向にアナウンスが無く、本当に年内に発売されるのか?ファンとしてはついやきもきしてしまっているのですが、苦し紛れでゲームアーカイブスをやっています、名作RPG「サガフロンティア2」
この作品はサガシリーズの中でも随分癖の強い方なのですが、発売から15年以上経った今プレイしても、やればやるほど素晴らしい作品です

プレイヤーの選択肢によってストーリーの進行が異なる「フリーシナリオ」ではなく、エピソードごと年代順に分かたシナリオを選んで進める「ヒストリーチョイス」と呼ばれる本作の中で、特に私が好きなシナリオが「病床の母」です。術の力が一般的な世界において、術の力に秀でた王家の生まれでありながらその力を一切持たなかった主人公の一人「ギュスターヴ13世」が母ソフィーに連れられて国を出てから12年経ち、母が病気で倒れるというシナリオです。

このシナリオを追いながら、私が思うサガフロンティア2のストーリーの魅力、オススメのポイントについて書かせて頂きます。

プレイアブル以外のキャラクターのドラマが生き生きと丁寧に描かれている

生まれつき術の使えない「出来損ない」のレッテルを貼られたギュスターヴと、その母ソフィーが故郷の王国テルムを負われてから12年後、ギュスターヴの世話を焼いている幼なじみのレスリーがいつもの様に看病をしていると、ソフィーの病状が悪化。部屋に入ってきたケルヴィンに伝えると、ギュスターヴを探しに行くことに。
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外にいるギュスターヴの子分フリンに尋ねると、剣を持っていったので洞窟じゃないか?と話します。ケルヴィンはギュスターヴを追ってそのまま洞窟へ。このシナリオだけ見たら、本作の主人公はケルヴィンなんじゃないか?と思うほどケルヴィンが現れ、走り回ります。
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その後ケルヴィンはギュスターヴの側近として仕える頼もしい相棒になります。

分かり易い言葉で深くダイレクトに伝わる名言

危篤の身である母の姿から逃げ、気を紛らわせるためにか剣一つ持って洞窟に逃げ込んだギュスターヴを見つけ、母の元に戻るように伝えます。ところが母が死ぬ姿は見たくないとそれを拒むギュスターヴ、彼に対するケルヴィンの言葉は「……何も考えなくていいんだ。ソフィー様に会って、泣きたくなったら泣け。笑いたければ微笑んでみせろ。これまで二人で生きてきたんだろう。ソフィー様を一人にしておいていいのか?」自分らしく接することの大切さを説く名言です。
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この言葉に心動かされたギュスターヴは母の元へ戻ります

ソフィーの最後の言葉は決して小難しい話でも、なんだか精神的な話なんかでも、衝撃的な生い立ちみたいなものでも何でも無く、ごく普通の表現で、子供の成長の喜びと幸せを願う言葉をかけます、本作の魅力は本当にここに尽きると思います。非常に個人的ですが、子供を持って特にこのソフィーの言葉に感銘を受けました。(性別違いますが…)
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2Dで無機質に描かれるキャラクター、危篤の母を前にギュスターヴはどんな表情を浮かべているのか

ストーリー本編の裏に見え隠れするキャラクターの魅力

そしてソフィーのアニマ(魂)が自然に還ります。このシナリオは母ソフィーとギュスターヴの関係性に焦点が向きがちですが、この会話から、既にギュスターヴの周りには彼と彼の母を彼らなりの形で関わっていてくれる仲間の存在、ギュスターヴは決して独りぼっちではない、そこにシナリオの本質を感じることができます。
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ギュスターヴと同じく生まれながらにして術が使えないフリンだけソフィーが死んだ瞬間を感じ取れない、ほんの些細なセリフにも、作り手の本作への愛情を感じます

外に出てきたギュスターヴはどこか違った印象です。母に諭され、振り返ってみれば、いつも側に仲間がいることを母ソフィーが気付かせてくれたのかもしれない、そんなシーンです。これまで頭を下げた事もないギュスターヴが仲間を気遣う素振りを見せます。そしてその言葉を受けるメンバーの返しや態度も本当に粋で品があります
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その後国を負われたソフィーの死がテルムの王と、実の子供であるフィリップとマリーにも伝わります。未だ母親の愛情を求めていたフィリップにとって、ソフィーの亡命と死は、ギュスターヴにその愛情を独り占めされたに等しいわけですが、その後ギュスターヴがノール領の侯となったフィリップの元へ、ソフィーの言づてを伝えます。ギュスターヴの周りだけではなく、彼女の死によって大きく影響を受ける人間のドラマもまた魅力です。

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フィリップが言づてを聞くシーンもまた感動。

サガフロンティア2は、ドーンと派手なこれまでのシリーズとは異なり、家族愛、友情、愛情といった人と人との感情が、静かに丁寧に、実に日本的な表現で描かれています。
そして2Dの描写もまた魅力的です。本シナリオにおいて、ギュスターヴがソフィーの家から出てきた後の仲間達のセリフも、インターネットで「レスリーがただ首を振ったのは、泣いていて何も言葉を返せなかったんだろう…」「ケルヴィンの「いいんだ。」は、ギュスターヴと始めて分かり合えた」といった捉え方をされている方がいますが、そういった想像を強く掻き立てられます。またドラマティックなストーリーとは対象的な水彩画タッチのグラフィックとピアノ基調の優しいBGMのコントラストが、お互いを一層引き立てて、それぞれが強烈な迄に心に響きます。
やっぱりサガフロンティア2が大好きです。

さて、新作「スカーレットグレイス」はどうなることやら、楽しみです!

※なんと本記事の翌日に発売日が発表となりました、2016年12月15日、予定通り年内に発売!素晴らしい!


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