ノベルゲー「イハナシの魔女」どんな話?探し物は、夏ですか。との比較。


ケムコ様にご提供いただいた「イハナシの魔女」をクリア。ここまでテキストボリュームのあるノベルゲーは初めてかも、読み応えが凄すぎた。

前回ご紹介した同じくケムコ製のノベルゲーム「探し物は夏ですか」に続いて本作もまた甘酸っぱくて大変よろしい。

ノベルゲーはやっぱり面白いや。中でもライトノベルはサラッと読めて、読んでいるうちにみるみる感覚が若返っていくのが分かる。タイムリープしようが異世界から飛んでこようが、いつの間にかその世界の理を受け入れてハラハラドキドキしているのだ。

イハナシの魔女、いったいどんなゲームなのか?探し物は…と比べた特徴や魅力についてご紹介いたします。

※ネタバレはありません。

イハナシの魔女、あらすじは?

イハナシの魔女のあらすじは以下の通り。

幼い頃に両親を亡くした主人公「西銘光」は、高校一年生の春、人口1000人にも満たない沖縄の離島「渡夜時島」にある祖父の家で暮らすよう育ての親である叔母から言い渡される。

ところが、到着した祖父の家には誰もおらず、叔母一家は従兄弟を含め夜逃げしたことを知る。マジか。

実質家族に捨てられたことを知りサトウキビ畑で途方に暮れていると、不思議な衣装に身を包んだ少女「リルゥ」に出会う。

リルゥは自身を別の国から来た「魔女」で、渡夜時島へ来た「目的」を成し遂げたら帰ると話す。

募る人恋しさからか主人公の光はリルゥを祖父の家で共同生活を提案し、二人はアルバイトや様々な生い立ちの人間との出会いを重ねながら生活を共にすることに。

光とリルゥの行方、そしてリルゥの目的とは?

パートごとに切り替えて視点が変わる「View Change」の表現によって深まるストーリーの理解度と楽しさ。

主人公光とヒロインのリルゥの他に、物語に加わる主要キャラクター達は4人。

それぞれキャラクターの性格や暮らし、心情、抱える問題が膨大なテキストでしっかりと描かれているので、単純な脇役に収まらずキャラ立ちもはっきり。高まるストーリーへの関心や没入感。光やリルゥを取り巻く彼らも何を抱え、どこへ向かうのか?

本作には選択肢や分岐はなく、基本的には物語を読み進めるのみ。

表現の特徴としては、主人公光一人称の文章からそれぞれのキャラクター視点のパート(文章)に切り替わる「View Change」が上げられる。

主人公光やリルゥ、当事者同士では伝わらない心理や事実が別のキャラクター視点から描かれる。この表現によって伏線をうまく回収、ストーリーの理解度が深まり、独特のもどかしさをもたらしてくれる。縮まらない距離感、伝わらない本心。じれったい!

なろう系全開のシチュエーションは良いぞ。

突然ですが男性諸君は身内以外の女の子に囲まれた共同生活という経験はおありでしょうか?

そんな羨ましい状況を経験しているメンズがいたならば私は胸ぐらを掴み、いったいどんな秘密の生活だったのかこの野郎と鼻息荒く問い詰めたい。そしてその話を一冊の本にしてだね、「あの時は私もドキドキでしたよ。若かったしねえ」とか自身の体験談みたいにタバコをふかすのだ。(タバコ吸わないからむせながら)しかしながら、そんな文才も経験も無い。そこで、なろう系ですよ。

ログも遡って見ることができる。

主人公光とリルゥが暮らす祖父の家は、島で知り合うキャラクターたちが集まり、話し、身を寄せることもあるなろう系全開のテンプレ的シチュエーション。ここは好みが分かれそうではあるけれど、免疫も抵抗感もない私は純粋に楽しめましたけどね。うっかり風呂でも覗いてしまった日にはどうしたら良いというのだ。そんなラッキースケベも多め。

入浴だの着替えだの体が触れるだのドキドキするシチュエーションが多く、リビングの画面に映してプレイするには家族の目が気になる。ありがとう、ニンテンドーSwitch。

妻の前でプレイしようものなら皿のひとつでも洗ってくれと言われるのが目に浮かぶ。それが現実の共同生活というものである。「パンツ裏返すな」とか。

探し物は夏ですか?と比較して。どちらが好み?

同じくケムコ様のノベルゲーム「探し物は、夏ですか。」も良かった。

清涼感あるイラストも良かった「探し物は、夏ですか。」。

そこで、今回のイハナシの魔女といくつかの要素を比較してみる。

と申しましても、これはあくまで私管理人の主観によるものなのと定量的な評価が難しいので、それぞれの項目に対して連想するキーワードを直感で列挙していきますね。

イハナシの魔女探し物は、夏ですか。
クリア時間20時間以上15時間前後
ゲーム性分岐なし分岐あり
ジャンルファンタジーミステリー
主人公トラウマ引っ込み思案
ヒロイン無愛想ツンデレ生意気ツンデレ
登場キャラみんなで青春主人公達にフォーカス
甘酸っぱさ甘酸っぺ〜甘酸っぺ〜
オカルトシャーマン時空

どちらのヒロインもツンデレである。うむ。

イハナシのリルゥは「気が散るから、どっか行って…」とか言っちゃうぶっきらぼうなツンデレ、探し物は…の真琴は「久しぶりに会ったんだから、嬉しそうにしなさいよ!」的な生意気ツンデレ。でもどちらも捨てがたいですな。個人的には女の子はツンデレではなく素直な女の子が可愛げがあって良いと思うよ。

何マジな回答してるんだよとお思いの方もおられるでしょうが、そんなことを言っていられるのも今のうちなほどイハナシの魔女はとにかくそのテキストボリュームがとんでもない。

クリア時間は20時間と書いたけれど、ゆっくりと読みたい人、読むのがそこまで早くない人であれば30時間くらいかけて楽しんでも不思議ではない。いつでもセーブできるので、焦らず少しずつ読み進めてみてほしい。

それぞれが複雑な生い立ちや心の闇に向き合いながらも沈み込むような重苦しさは無いので、読んでいて疲労感は感じなかった。

「時間はサクッと、時系列から真相を推理したい」という方は探し物は、夏ですか。を、「リラックスしながら登場人物たちのストーリーをたっぷり楽しみたい」という方には本作を勧めたい。

ストーリーはどちらも甲乙つけがたく良かった!

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