人はなぜ小型化を求め、憧れるのか。
ミニファミコンに始まり、ミニスーファミ、プレステミニ、ネオジオミニと来て、噂にはゲームボーイミニまで商標登録され発売が噂されて久しい今日です。
そう言えばミニゲームボーイよりもさらに小さいであろうミニマムなゲーム機があります、その名も「PocketSprite(ポケットスプライト)」。Zippoライターほどの小型サイズでファミコン、ゲームボーイ(カラー)、ゲームギア、セガマスターシステムといった4種類往年のレトロゲームが動かせるという超ミニミニハード。
前々から気になっておりましたが、意を決して購入してみましたので、使い勝手についてレポートです。皆様をミクロの世界へ誘います!
PocketSprite到着。驚きのサイズ感!
ミニミニゲーム機「PocketSprite」は、公式サイトから注文することもできます、価格は55ドル。
日本からも注文可能ですが、現在メルカリや何かのフリマアプリでも、新し物好きの方々からも時々出品されているようです。
ついに到着してしまった。
そんなこんなで我が家にも注文したPocketSpriteが到着。ギラついた色のロゴが印字されたブラックでシュッとした箱は、iPhoneや何かのそれとは違う凄みがあります。
恐る恐る箱を開けてみると、出ました、中から超かわいらしいサイズのPocketSpriteちゃん登場。
ちっちゃ。
そのサイズたるや縦55ミリ横32ミリ、そして厚さは14ミリという驚愕のちびっちゃさ、キャワワ!
そういえば、世の中には米に字を書いたり、小さな折り鶴を折ったりする職人を思い出しましたが、一体何に情熱を注いでいるのか?そのエネルギーはどこから来るのか?それに近い何かを感じずにはいられません。
対応ハード、ゲームデータの入れ方は?
対応しているゲームは、ファミコン、ゲームボーイ(カラー)、ゲームギア、セガマスターシステムの4種類。スーファミや何かのハイエンド高性能機に媚びず、レトロゲームに絞るあたりに好感が持てます。
まずはゲームのデータ化から。せっかくゲームギアが対応しているということなので、今回は名作RPG「エターナルレジェンド」で試してみることに。
そしてゲームギアソフトをデータ化するにあたり、再びあのカッコいいマッシーンを取り出す時が来てしまったようです。
「超絶合体、ギアコンバーター!」
出ました、レトロゲーム界の異端児「レトロフリーク」に「ギアコンバーター」を合体。
ギアコンバーターは、レトロフリークに装着することでゲームギア、マスターシステムなど往年のセガ機ソフトのデータを吸い出すことができる夢の機器。そのアシンメトリーなフォルムは見る者を不安にさせる何かがありますが、美意識よりも機能美を優先させたその姿勢、嫌いではありません。
まずはエターナルレジェンドをギアコンバーターにぶっ刺して、レトロフリークでデータを吸い出します。
あっという間にデータ化完了。こいつをPocketSpriteにぶっ込むことで、あのミクロな機器でゲームギアソフトを動かすことができるわけか。
ということで、まずはゲームデータをPCにコピー。PCにゲームのデータを格納したら、PocketSpriteの電源を入れます。
メニューも必要最小限。私は今、試されているのか?
なんとこのPocketSpriteには、小さな体にWi-Fiモジュールまで埋め込まれています。PocketSpriteを起動した最初の画面に「WIFI AP pkspr」という画面が表示されたら、手元のPCで「pkspr」のWi-Fiネットワークに接続します。
PCを無事pksprネットワークに接続できたら、同じPCの適当なブラウザで「http://192.168.4.1」を開きます。
なにやらいくつかファイルが入っている
すると「Available files」という画面が表示され、PocketSpriteに入っていると思われるファイルのリストが表示されています。つまり、これで手元のPocketSpriteとPCとの接続は成功!
最初に入っているファイルは以下の通り。
nofrendo.app:ファミコンエミュレーター
gnuboy.app:ゲームボーイエミュレーター
smsplus.app:セガマスターシステム/ゲームギアエミュレーターChooser.app:メニュー画面を表示し、ファイルをPCからPocketSpriteにアップロードするファームウェアのようなもの
各対応ゲーム機ごとのソフトを動かすエミュレーターがプリインストールされています。ここにゲームのデータをアップロードしていきます。ただしこの時点でソフトのデータは暗号化されているので解除が必要です。
青色の「Choose a file…」ボタンを押下し、PCにコピーされたゲームデータを参照。続いて赤色の「Upload!」ボタンを押下。
これでPocketSpriteへのファイルアップロードが完了、簡単です。無事アップロードが完了すると、「Available files」のリストの中に対象のデータが追加されます。
また、どうやらこのアップロードは、USB(Micro-B)での接続や、SDカードといった外部ストレージを使ってファイルを受け渡しすることは不可、基本このWi-Fiモジュールを使ってのみ転送が可能なようです。
PocketSpriteでいよいよゲームを起動!
続いていよいよゲームの起動。
今回はエターナルレジェンド(ゲームギア)なので、PocketSpriteのメニュー画面から「smsplus.app」を、続いて先ほどアップロードしたゲームファイルを選択!
動いた!
超ちっちゃい画面にゲームギアのゲームが!もちろんボタン操作も可能な上に、スピーカーからもちゃんと音が流れます。そして画面が思った以上に明るい!
が、しかし!
…字が小さくて見えない…っ!
喜んだのも束の間、画面ははっきりと明るいものの、小さ過ぎて文字が読めない。これは困った。
便利機能は備わっているのか?
エミュレーターということはクイックセーブ、ロード機能やキーコンフィグ、連射、倍速、スクリーンショットといった便利機能が備わっているかもしれない。いや、この画面サイズですからさすがにスクショは要らないか。
ゲーム起動中にPocketSprite本体上部にある電源ボタンを押下するとメニューが開き、ボリューム、画面の明るさ、エミュレーターの終了、ソフトの変更、リセット、電源オフの操作をすることができます。
ところが、クイックセーブ、ロードといった、エミュレーターならばあって当然の便利機能は一切見当たらず。
PocketSprite、バッテリーの持ちは?
PocketSpriteの充電はリチウム電池内蔵型、Micro-B USBケーブルで充電が可能です。フル充電してから、どのくらいの時間プレイできるのか?バッテリーの使用状況やプレイ中のソフトにも影響しそうですが、そのあたりの細かい環境はさておいてざっと検証するのも当サイト「スキあらばGAME」式。
ということで、エターナルレジェンドをプレイし続けること30分後、再び充電をしてみると…
大分減ってる…
電池残量と思しき表示は、3割残っているかどうかというレベル。30分ほどプレイした結果、バッテリー残量は半分以下に。意外と持たない。
とはいえ、本体のサイズ感で考えれば、そこまで悪くない燃費と捉えるべきか?だってゲームギアなんて、かつて単三乾電池6本で3~4時間くらいしかプレイできなかったんだから。それに比べると超優秀。
ここが良いぞ、PocketSprite!動かしてみた感想は?
プレイした印象としては「多少無理がある」といったところです。
本体の大きさ(小ささ)は当然承知の上で購入しましたが、とにかく画面がちっちゃい!故に、文字がほぼ見えない。この時点でRPGなどテキストありきのジャンルはプレイが難しく。
そしてボタンの大きさがまた極小。測ってみたところ、スタートボタン、セレクトボタンに至っては縦1mm、横2mmというゴマよりも一回り小さいサイズ。右手なんかは無意識に爪で操作していた。それにしても、作った人もよくもまあこれだけ小さい部品で組み立てたもんだと感動。
さらにボタンはやや硬さもあるため、スピーディーかつ細やかな操作を求められるアクションゲームについても不向き。
比較対象として、おいしそうなイチゴちゃんを並べました。
これでもう少し画面の解像度が高くて文字がある程度見えるようであれば、遊べるアイテムだったのかもしれません。
と言いつつ、使い勝手云々よりもとにかくキャワイイ!こういうモノは実用性というよりも、動かして楽しむガジェッター向けのマニアックなグッズなのかもしれませんね。お酒の席で「何コレ!」なんつって話に花を添えるような。
結論、小型ハードは持ち運びに便利。だけど小さ過ぎも考え物である!
※Pocket Sprite公式サイトでは、定期的にファームウェアの更新、公開がなされている模様。今後少しずつプレイし易くなっていく可能性に期待…!?
コメント失礼致します。レトロフリークで吸い出したデータは、他のPCやエミュレータなどでは使用できないという記事を別のページで見たのですが、レトロフリークで吸い出したでーたはpocketspriteであれば起動可能なのでしょうか?